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日本IBMの組合員Aさんが知らぬ間に退職者に‼ 前代未聞の不祥事!日本IBMは社長名で謝罪せよ!

日本IBMの組合員Aさんが知らぬ間に退職者に‼
前代未聞の不祥事!日本IBMは社長名で謝罪せよ!

日本IBMのコンサルティング事業本部に所属するAさんは、今年5月に組合に加入しました。

Aさんの組合加入の経緯 所属長の執拗な退職勧奨

Aさんは、2024年4月の傷病休職からの復職の後、所属長の中島理絵担当(理事・ヘルスケア&ライフサイエンス・サービスパートナー担当)から自分で仕事を探すように指示を受け、OpenSeatなどを通じて社内でプロジェクトを探していましたが、プロジェクト決定には至っていませんでした。この間、中島担当は4月から6月にかけてAさんと面談を5回行い、その中で「IBMが今持っている仕事の内容と、Aさんのケイパビリティとかやっぱりマッチしない」「Aさんのケイパビリティを活用してビジネスになるっていうのがちょっとない」「IBMじゃなかったら(中略)あると思うんですよ」(「中島さんが私の立場でしたら、どういうふうに今後行動されますか」という問いに対し)「もう転職しますね」といった発言を何度も繰り返し行いました。中島担当のこのような発言は、退職しろとは一言も言わず、Aさんが何を言っても否定するような雰囲気をつくり、ちくりちくりと会話の流れを退職の方向にだけ持っていっており、執拗な退職勧奨と取れる発言です。Aさんはこれに対して精神的苦痛を強く感じていましたので、5月に組合に加入しました。そもそも従業員に業務をアサインするのは会社の責任ですが、中島担当は上記のようにAさんに業務をアサインせず、面談で精神的苦痛を与える退職勧奨発言をAさんに繰り返し浴びせました。このような対応や発言はパワハラと取られかねません。

Aさんが知らぬ間に退職者に 会社から退職処理の原因の説明なし

その後、8月10日にAさん宛に住民税の納税通知書が届きました。ご存じのように、個人住民税の納付方法には特別徴収(給料天引き)と普通徴収(納税通知書で納付)があります。Aさんは他の従業員と同様、特別徴収で納付していましたので、住民税の納税通知書が届いたことを不思議に思い、Aさんの依頼を受けた家族が区役所で確認すると、職員から「当該人はIBMを退職するため、本人が自分で支払うとした手続きがIBMによってなされている」という驚くべき説明がありました。つまり、まだ会社に在籍しているAさんが知らぬ間に退職者になっていたのです。一年間の個人住民税の給与天引きの開始は6月ですから、Aさんの退職処理は5月までには完了していた、つまり、中島担当との面談が行われているさなかにAさんの退職処理は完了していたと思われます。これは前代未聞の不祥事です。これを受けて組合は9月25日と10月16日の団体交渉で、Aさんの退職処理が行われていた原因を追及し、その回答を会社に要求しました。その結果、10月30日に中国・大連の給与部門からAさん宛の社内メールで回答がありました。回答の要旨は次の通りです▼給与支払プロセス内の手作業の一部で発生した書類の誤記によって、本来特別徴収されるべきところ普通徴収に変更された状態で区役所に連絡が行われてしまったことが判明いたしました。しかし、「書類の誤記」は原因ではなく結果ですので、この回答は退職処理の原因を一切説明していない不誠実回答です。

会社は退職処理の原因を誠実に回答し謝罪せよ

組合は翌10月31日の団体交渉で、Aさんの退職処理の原因を回答するよう重ねて要求しました。そもそも会社システムによる従業員の退職処理が可能なのは当該従業員のラインですから、Aさんの退職処理をキックしたのは所属長の中島担当と見るのが自然です。日本IBMはAさんの退職処理の原因を誠実に回答し、退職処理の事実について社長名で謝罪すべきです

 

日本IBM・シニア契約社員の賃金 本当に年収222万円でいいのか(連載⑤)

定年後再雇用制度であるシニア契約社員の賃金があまりにも低い状態(月額給与18万5千円・年収222万円)が続いており、社会的責任やモラルが問われています。組合は、日本IBMのシニア契約社員の賃金に関する問題点や労使交渉の模様などをシリーズで連載しています。今回が5回目の連載となります。前号まで4回連続で団交のやり取りを中心に紹介してきましたが、会社の不誠実な対応は紹介した通りです。今号では「シニア契約社員制度に関する情報要求」に対する会社回答を紹介します。今回紹介する会社回答も、東京都労働委員会が今年3月に発した全部救済命令後も依然として不誠実な対応を継続している内容です。

シニア契約社員制度に関する情報要求と会社回答

9月25日の団体交渉で、組合はシニア契約社員制度について質問し、会社はその回答を持ち帰ることになりました。組合は10月31日の団交までに文書での回答を求め、誠実に協議することを求める書簡を提出し、会社が10月30日に回答してきました。以下に情報要求と会社回答を紹介します。
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1.現在のシニア契約社員の人数を年齢別に開示すること。60歳の人数61歳の人数62歳の人数63歳の人数64歳の人数
2.シニア契約社員制度が2013年4月にできてから、60歳定年退職を迎えた従業員数とその中でシニア契約社員を選択した実績を年度ごとに開示すること。
3.現在のシニア契約社員の総額人件費を開示すること。(1~3の会社回答)IBMでは従業員の人数を含めて非公開としているため、申し訳ありませんが開示することはできません。
4.シニア契約社員の賃金を決定するための市場調査の方法、内容、結果について、具体的な情報・資料開示すること。

(会社回答)
これまでも何度か説明しているとおり、当社はマーケット調査に関して外部から取得した情報について守秘義務を負っているため、マーケット調査の方法、内容、結果等に関する具体的な情報・資料を開示することは、申し訳ありませんができません。但し、以前も説明しておりますが、説明可能な範囲でシニア契約社員に関するマーケット調査の特徴を説明すると以下のとおりです。まず、バンド6以上のマーケット調査においては、原則として同種市場における他社において同種の業務(バンド及びジョブファミリーの近い業務)に従事している正社員の給与水準について、主に同業他社と守秘義務契約を締結した上で相互に情報を開示し合う方法(補助的に外部の調査会社に委託する方法)によって調査していますが、シニア契約社員の給与を決定するにあたって行っている「バンド3相当のサポート業務」に関するマーケット調査においては、IT業界においてバンド3相当のサポート業務を主たる業務としている正社員がいる会社はほとんど存在しないため、マーケット調査の対象は、主に有期雇用社員であり、その中には、単純なサポート業務のみを行っている派遣社員やアルバイトの給与水準が含まれています。5.IT業界の他社で定年後再雇用の賃金水準がどの程度かいう点をなぜ市場調査しないのか回答すること。(会社回答)マーケット調査は当該業務の市場水準を調査するものであって、担当している業務とは無関係に定年後再雇用の給与水準を調査するものではないためです。6.2024年の市場調査を実施しないで、どのようにシニア契約社員賃金(月額賃金18万5千円) を決定し、2024年10月1日からの契約更新(1年)をしたのか回答すること。(会社回答)マーケット調査は毎年行っています。また、シニア契約社員の調査は正社員とは少しサイクルが異なり、特定の時期だけに行っているものではなく継続的に情報を収集しており2024年も情報を収集しています。7.シニア契約社員の賃金は、60歳以降社員が受け取る企業年金や公的補助、厚生年金を配慮して決定されていた。どのように配慮されているか回答すること。(会社回答)制度導入時においても、シニア契約社員の賃金は、専ら担当業務の市場調査の結果によって決定されていたものであり、年金等を主たる要素として決定された賃金が決定された訳ではありません。専ら市場調査の結果によってシニア契約社員の賃金を決定した後に、年金等について補助的・参考的に考慮した結果となります。したがって、市場調査によって決定された給与水準にさらに年金等の金額を追加することが必要と考えていた訳ではありません。項番8以降は次号で紹介します。(次回につづく)

IBM/キンドリル従業員代表選挙組合推薦候補に投票を

IBM/キンドリル従業員代表選挙組合推薦候補に投票を

日本IBM、キンドリルジャパンで11月1日に従業員代表選挙が公示されました。
今回の従業員代表選挙には、左表の組合推薦候補が左趣意書を提出して立候補しています。(キンドリルジャパンでは11月8日時点で立候補受付は開始前です。)従業員代表は「時間外および休日労働に関する協定書」(36協定)などの労使協定の締結、ならびに就業規則の一部改定についての意見聴取の役割を担います。任期は今年12月1日から来年11月30日までの1年間です。両社で従業員代表選挙が行われるのは、労働基準法が、労使協定の労働者側の締結当事者を、労働者の過半数で組織する労働組合、それがない場合は労働者の過半数を代表する者と定めているためです。よって、両社は労使協定を従業員代表と締結しているのです。

会社のYESマンの従業員代表の恐ろしさ

組合推薦でない候補者は、会社のYESマンの可能性があり、立候補趣意書の推薦人欄にラインマネジャーの名前の記載がある、つまり会社側の人から推薦されているケースが散見されます。会社のYESマンの従業員代表は、労働条件の不利益変更が含まれていても、会社からの制度変更提案になんでも同意しかねない恐ろしさがあります。会社はこれまで、会社のYESマンの従業員代表の同意を得て、組合との事前協議も十分に行わずに諸制度の改悪を強行してきました。実際に行われた制度改悪の象徴が、賃下げを可能にする格付規程の改悪です。その結果が、会社がパワハラ4点セット(低評価、PIP、賃下げ、降格)を使って行ってきた人員削減と人件費削減なのです。

組合推薦候補に投票を

従業員の皆さんにとって利益になるのは組合推薦候補の当選です。組合推薦候補は、上趣意書のとおり、労使協定の締結や就業規則等の改定に際し、必ず従業員の利益、労働条件の向上になるよう会社に意見することをお約束します。ぜひ、組合推薦候補者への投票をお願いします

日本IBM・シニア契約社員の賃金 本当に年収222万円でいいのか(連載④)

再雇用制度であるシニア契約社員の賃金があまりにも低い状態(月額給与18万5千円・年収222万円)が続いており、会社の社会的責任やモラルが問われています。10月1日から一年間の契約も同額の月額18万5千円で更新されました。組合は、日本IBMのシニア契約社員の賃金に関する問題点や労使交渉の模様などをシリーズで連載しています。今回が4回目の連載となります。

東京都労働委員会命令

前号まで3回連続で団交のやり取りを中心に紹介してきましたが、会社の不誠実な対応は紹介した通りです。東京都労働委員会は、今年3月18日に日本IBM(シニア契約社員制度)事件において発した命令において、シニア契約社員の給与を議題とする団体交渉における日本IBMの対応は、次の理由で不当労働行為に当たると認定しています。・組合らは、長年にわたりシニア契約社員の処遇改善を会社に要求し、社会情勢や定年後再雇用を取り巻く環境の変化に応じて、会社に改善すべき根拠を示してきた。・組合らは、団体交渉においても、シニア契約社員の給与が低いことなどについて根拠を示した上で、パートタイム・有期雇用労働法の説明義務に基づく具体的な説明を求めていた。・これに対し、会社は、組合らの質問に応じた具体的な説明や回答を行わず、従前と同様の抽象的な回答を繰り返していたのであるから、シニア契約社員の給与を議題とする団体交渉における会社の対応は、不誠実な団体交渉に当たるといわざるを得ない。

バンド3とは何か

日本IBM日本では、新入社員は、入社後のトレーニングが終わればバンド6に位置づけられ、これがスタートとなります。日本IBMにおいてはバンド3やバンド4に相当する職務は、過去に運転手やマッサージ師などがありましたが、現在はバンド3やバンド4に相当する職務は存在せず、シニア契約社員以外にはバンド3に位置づけられる職務はありません。従業員が所属するバンドに対応して給与レンジ(上限・下限)が決められており、給与レンジの幅の中で人事評価により賃金額が決定されるシステムとされています。そのためシニア契約社員の給与水準を交渉するためには、個々のシニア契約社員が担当する職務の分析・評価について情報、及び職務ごとに競合他社等の給与水準の調査結果、調査方法等の情報の開示が必要不可欠です。これらの情報を会社が開示して交渉を進めて初めて実のある団体交渉が可能となります。

シニア契約社員制度に関する情報要求(組合書簡)

組合は9月25日の団体交渉でシニア契約社員制度について会社に質問し、会社は質問を持ち帰ることになりました。組合は10月1日の書簡でそれらの質問事項を会社に提示し、10月31日の次回団体交渉までに文書回答し、誠実に協議することを要求しました。10月1日の書簡で会社に提示した質問事項は次の通りです。1.現在のシニア契約社員の人数を年齢別に開示すること。60歳の人数 61歳の人数 62歳の人数 63歳の人数 64歳の人数 2.シニア契約社員制度が2013年4月にできてから、60歳定年退職を迎えた従業員数とその中でシニア契約社員を選択した実績を年度ごとに開示すること。3.現在のシニア契約社員の総額人件費を開示すること。4.シニア契約社員の賃金を決定するための市場調査の方法、内容、結果について、具体的な情報・資料開示すること。5.IT業界の他社で定年後再雇用の賃金水準がどの程度かいう点をなぜ市場調査しないのか回答すること。6.2024年の市場調査を実施しないで、どのようにシニア契約社員賃金(月額賃金18万5千円) を決定し、2024年10月1日からの契約更新(1年)をしたのか回答すること。7.シニア契約社員の賃金は、60歳以降社員が受け取る企業年金や公的補助、厚生年金を配慮して決定されていた。どのように配慮されているか回答すること。8.定年までペイ・フォー・パフォーマンス、スキルに応じた賃金だと言われて、60歳になるとなぜ一律にバンド3の仕事しかありませんという制度になるのか回答すること。9.「シニア契約社員の職務は、外注していた業務等を一部中止して新たに創出したもの」と断定しているが、シニア契約社員のすべての業務を確認した調査方法、結果を開示すること。10.業務のアサインがまったく無いシニア契約社員がいるかどうか、業務のアサインが勤務時間の50%未満というシニア契約社員がいるかどうか、を回答すること。また、そのようなシニア契約社員が組合員の中にいるかどうか、を回答すること。(次回につづく)

JMITU日本IBM支部24秋闘二次要求書の紹介 重点要求以外の要求より

10月23日、組合は日本IBM、キンドリルジャパンに2024年のJMITU日本IBM支部秋闘二次要求書を提出しました。

回答指定日は11月6日です。この支部秋闘二次要求書は、重点要求のみ掲載した支部秋闘一次要求書に、職場のさまざまな労働条件の改善を求める詳細要求を追加掲載した要求書です。以下に支部秋闘二次要求書から詳細要求を抜粋して紹介します。

(IBM向け)労働条件の改善に関する要求

1.恒常的な仕事をしている臨時雇用者や、1年以上の継続勤務をしている派遣労働者については、本人が希望する場合は正社員化を検討すること。2.社員食堂について(1)箱崎事業所の社員食堂は再オープンする予定はあるのか回答すること。(2)箱崎事業所の社員食堂が再オープンしないことが決まっている場合は、箱崎事業所の従業員に食費補助金を出すこと。(3)箱崎以外の事業所の、社員食堂が利用できない従業員には食費補助金を出すこと。6.傷病休職に関する要傷 求病休職期間中は、現行制度では最初の3ヶ月(短期休職期間)は賃金が支払われ、その後は傷病手当金(本給より低い金額)が支払われるが、この制度を2014年の就業規則改定前までの最長3年まで賃金を支払う制度に戻すこと。10.物価高騰を受け、各種出張手当を一律1000円増額すること。11.2時間以上の時間外労働をした際に支給される食事手当を500円にすること。

福利厚生に関する要求

3.未就学者までになっている育児早退の対象を、小学校卒業までに延長適用すること。4.借り上げ社宅制度の廃止を撤回すること。5.住宅費補助の廃止を撤回すること。

健康及び安全衛生に関する要求

6.定期健康診断において眼圧・眼底検査を40歳以上の社員の無料必須検診項目として追加すること。8.インフルエンザの無料予防接種を以下の内容で実施すること。(1)従業員が接種しやすい場所(例:箱崎ならば箱崎健康増進センター)で、最初から無料で(自己負担後に補助金を支給する方法ではなく)、予防接種を実施すること。(2)上記の無料予防接種の適用者に、被扶養者を含めること。(3)また、外部医療機関で受けた予防接種については全額を補助対象とすること。(4)平日のインフルエンザ予防接種にかかる時間を業務時間扱いとすること。

(キンドリル向け)労働条件の改善に関する要求

1.社員食堂が無い事業所に出勤している従業員には食費補助金を出すこと。2.物価高騰を受け、各種出張手当を一律1000円増額すること。3.2時間以上の時間外労働をした際に支給される食事手当を500円にすること。

福利厚生に関する要求

2.借り上げ社宅制度を創設すること。3.住宅費補助を創設すること。

健康及び安全衛生に関する要求

1.定期健康診断において眼圧・眼底検査を40歳以上の社員の無料必須検診項目として追加すること。2.インフルエンザの無料予防接種を以下の内容で実施すること。(1)従業員が接種しやすい場所(例:箱崎健康増進センター)で、最初から無料で(自己負担後に補助金を支給する方法ではなく)、予防接種を実施すること。(2)上記の無料予防接種の適用者に、被扶養者を含めること。(3)また、外部医療機関で受けた予防接種については全額を補助対象とすること。

日本IBM・シニア契約社員の賃金 本当に年収222万円でいいのか(連載③)

再雇用制度であるシニア契約社員の賃金があまりにも低い状態(月額給与18万5千円・年収222万円)が続いており、会社の社会的責任やモラルが問われています。10月からの一年契約も同額の月額18万5千円で更新されました。前々号から、日本IBMのシニア契約社員の賃金に関する問題点や労使交渉の模様などをシリーズで連載しています。今号では、今年3月に日本IBMシニア契約社員の労働条件交渉事件に関して、日本IBMの対応が誠実団体交渉義務に違反する不当労働行為に該当するとして、都労委から全部救済命令が出ました。会社はこの命令を不服として再審査申し立てを中労委に行っています。中労委に会社が提出した準備書面(令和6年8月20日)の内容と8月21日団体交渉でのやり取りを以下に紹介します。

会社の中労委宛・再審査申立人準備書面(1)(抜粋)

・(シニア契約社員の給与について)一度引き上げた賃金の引き下げは困難であるため、短期的な社会情勢の変化に応じて直ちに賃金を引き上げることはできず、中長期的な情勢を踏まえて内容を検討せざるを得ないからである。なお再審査申立人はその後の情勢も踏まえて昨年シニア契約社員の給与を一度引き上げているが、昨年末以来の情勢を踏まえてさがさらなる引き上げの必要性を検討しているところである。・別件訴訟で詳細に説明している通り、シニア契約社員の職務は外注していた業務などを一部中止して新たに創出したものである。

8月21日の団体交渉でのやり取り(抜粋)
組合 ここで言う(賃金引き上げの)必要性について、何をもって必要性があると判断しているのかということと、その必要性の今の検討状況はどうなっているか、ということ、二点お伺いますがどうでしょうか。

会社 世の中の動向です。賃金動向というのは必ず入れるようにしています。それから、定年再雇用制度は、希望した人を65歳まで雇用をする。仮に極端な話、定年を迎えられる方々みなさんが残った場合に賃金の支払い続けられるのか、というのは当然検討しているところです。(全員が残ることは)可能性としては考慮しなければいけない。

組合 「みなさん」というのは、100%シニア契約社員での雇用を希望したということですか。。

会社 100%希望されたら雇用する義務があるわけです。賃金の支払い続けられるのかっていうのは当然かもしれない。それから、その人口ピラミッドですよね。その高齢者層、いわゆるシニアなベテランの方々の層が厚くなればなるほど、この先10年、15年というところで、事業継続性のリスクも当然高まっていくわけですから、継続的に若年層の採用というのをしっかりしていかなければいけない。そういった全体の人口ピラミッドに対する影響というのも当然考慮しなければいけないところであって、その経営の継続性とかそういうところも見ていただいて、などですね。

組合 それが必要性の判断か。

会社 引き上げをすべきであるか否かっていうのを決定する一つの要因になっています。

組合 現在のこの引き上げの必要性の検討の状況とはいかがでしょうか。

会社 引き上げするしないという結果についてはまだ何も結論ないという状況です。全員がもし(再雇用を)希望されたらどうなるのだろうかっていう観点で、どうしても賃上げいうのは、ある程度、保守的にならざるをえない。

組合 全員と言ってるけど、全員再雇用したところで18万5千円のレベルの稼ぎ(業務)かと言えば、全然違うじゃないかと言いたくなります。日本IBMの年間利益いくらですか。生活できる賃金が必要です。それが社会的責任。

組合(外注していた業務などを一部中止して新たに創出したものという会社の主張について)シニア契約社員の職務は外注していた業務などを一部中止して新たに創出したものであるというこの表現なんですけど、現実、シニア契約社員というのは59歳までにやっていた業務を60歳・シニア契約社員になっても継続。新たに創出という表現は当たらないのではないかと思います。この事実があるとすれば、どの業務の何をやめて、誰に当てがったか言えますか。

会社 これまで派遣やアルバイトでお願いしていた業務をシニア契約社員用に契約社員として雇用した場合にアサインする業務として作ったということをここで感じる。

組合 これは調査された結果をここに書かれているのか。調査しないで書いているなら極めて悪質な書面。これは、ほとんどこういう業務をアサインしてますよ、っていうふうに印象づける文章です。逆に、今この例を言ってくださいって言えないんですよ。だから(創出したものは)稀なケースと思います。派遣社員の方ももっとレベルが高い仕事をされたのではないか。事実があるとすればぜひ紹介していただきたい。(次回につづく)

24秋闘支部一次要求に会社回答 物価高騰の中、従業員の生活にいっそうの配慮をせよ

組合が9月18日に日本IBM、キンドリルジャパンに提出した2024年のJMITU日本IBM支部秋闘一次要求書への回答が、回答指定日の10月2日と8日にありました。以下は主要な要求と会社回答の要旨です。・(IBM・キンドリル向け共通)少ない1回分の賃上げとして2024年中の賃上げの実施を要求。会社回答は、実施予定はない、でした。・(IBM向けのみ)シニア契約社員をバンド3に位置付け、シニア契約社員の給与が生活できない低賃金(月額18万5千円・年収222万円)である理由の回答を要求。会社回答は、創出することができたシニア契約社員の業務はバンド3相当のサポート業務だったので、「バンド3相当のサポート業務」に関するマーケット調査を行って給与額を決定している、でした。先にバンド3相当という結論ありきで、それに導く調査だけを行っているとも取れる実態が明らかになりました。両社とも物価高騰の中、従業員の生活にいっそうの配慮をすべきです。以下に支部秋闘一次要求と会社回答を抜粋して紹介します。

賃上げ要求(IBM・キンドリル向け共通)

(1)本来、就業規則通りに賃上げが実施されていれば、2020年から現在までの間に5回賃上げがされていなければなりませんが、4回(日本IBMは2021年~2024年の毎年5月、キンドリルジャパンは2021年5月、2022年~2024年の毎年7月)しかされておらず、賃上げが1回分少ない状況です。その一方、2021年からの物価高騰で従業員の生活は厳しさを増しています。これを受け、少ない1回分の賃上げとして2024年中に賃上げを実施すること要求します。

■IBM回答

2024年中に(給与調整を)もう一度実施する予定はありません。

■キンドリル回答

更なる給与調整は2024年中に予定していない旨回答いたします。

都労委事件命令書の履行要求(IBM向けのみ)

都労委令和2年不第98号事件(定年後再雇用事件)の命令書の主文および理由に基づき、以下を要求します。(1)会社がシニア契約社員をバンド3に位置付けて給与額を決定した理由を具体的に回答すること。(2)シニア契約社員と正社員との待遇の相違の理由を具体的に回答すること。(3)会社がシニア契約社員の給与を、制度導入当初は月額17万円(年収204万円)、2023年10月からは月額18万5千円(年収222万円)という低水準に据え置いている理由を具体的に回答すること。

■IBM回答

(1)について、IBMにおける顧客からの受注件数・受注額自体に大きな変化がない中で、新規採用等の会社全体の運営や従業員の年齢分布に影響が出ないようにするためには、定年再雇用者向けの新たな仕事を創出する必要がありました。このため、IBMは、シニア契約社員の業務内容について、これまで社外に委託していた仕事や部門で発生するサポート業務などを切り出して、新たにシニア契約社員の業務を創出することにしましたが、かかる方法によって十分な分量の業務を確保できると見込めた業務がバンド3相当のサポート業務でした。このため、シニア契約社員をバンド3に位置付けております。また、具体的な給与額は、「バンド3相当のサポート業務」に関するマーケット調査を行って決定しています。但し、IT業界で単純なサポート業務のみを行っている従業員がいる会社はあまりいないため、調査の対象には、単純なサポート業務のみを行っている派遣社員やアルバイトの給与水準も含まれています。(2)について、上記(1)のとおり基本的にバンドの相違に起因するものです。(3)について、具体的な給与額は、「バンド3相当のサポート業務」に関するマーケット調査を行って検討しており、月額18万5千円という水準はかかるマーケット調査の範囲内の金額です。

日本IBM・シニア契約社員の賃金 本当に年収222万円でいいのか(連載②)

再雇用制度であるシニア契約社員の賃金があまりにも低い状態が続いており、会社の社会的責任やモラルが問われています。10月からの一年契約も同額の月額18万5千円で更新され、問題が続いています。前号から、日本IBMのシニア契約社員の賃金に関する問題点や労使交渉の模様などをシリーズで連載しています。今号では、シニア契約社員の月額給与18万5千円・年収222万円のマーケット調査方法について会社を追及した内容です。会社の8月21日の文書回答と、同日の団体交渉でのやり取りを以下に紹介します。

会社の8月21日の文書回答(抜粋)

当社は守秘義務を負っているため、マーケット調査の方法、内容、結果等に関する具体的な情報・資料を開示することはできません。説明可能な範囲でシニア契約社員に関するマーケット調査の特徴を説明すると、以下のとおりです。シニア契約社員の給与を決定するにあたって行っている「バンド3相当のサポート業務」に関するマーケット調査においては、IT業界においてバンド3相当のサポート業務を主たる業務としている正社員がいる会社はほとんど存在しないため、マーケット調査の対象は、主に有期雇用社員であり、その中には、単純なサポート業務のみを行っている派遣社員やアルバイトの給与水準が含まれています。

8月21日の団体交渉でのやり取り(抜粋)

組合 マーケット調査というのはいつ行われるのですか。
会社 それは常に出てくるニュースを注視しながらやっておりますし、その都度、得られた情報を持って検討している。特に毎年決まったサイクルとかやっているっていうことではない。

組合 毎年やられているのか、毎年やってるんだけど、1月や10月にやるときもあるよ、ということか。例えばニュースで最賃のニュースが出たから、やらなきゃいけないとか。
会社 情報は、毎年取るようにしています。
組合 国家公務員が、定年再雇用の制度ではなく、定年延長に切り替えていきましょうということで既に始まっており、65歳まで最終的には延長する。(延長された後の)その時の賃金のレベルがいくらかご存知ですか。正社員と比べて、どのくらいの賃金が支払われるか。再雇用の人がどれくらいの賃金を支払われるか。
会社 すみません。その情報は。
組合 国家公務員の正社員と比べて再雇用の人たちが、最初いくらぐらいか、そういう情報を取ってなくて、なぜIBMの再雇用の賃金が決められるんですか。いただいた回答を読む限りは、とにかくバンド3だということで、バンド3相当のマーケット調査をしています、としか書いていません。さっき質問した他社が定年後再雇用あるいは定年延長、つまり60歳から65歳の雇用についてどういう動向にあるかという点のマーケット調査をされていますか。つまり、どれぐらいの企業が定年延長65歳定年であるとか、定年をなくすとか、IBMのように再雇用契約社員とか、あると思いますけど、どれぐらいの会社がどういう制度をとって、バンド3みたいなこういう落とし方をするのか、同じような処遇で再雇用されているのかって、そういう観点の調査ってされてますか。
会社 同業他社か、定年再雇用制度を持っているか否かとか、それがどういう制度で作られているかっていうのを絞って調査しているかというご質問ですか。
組合 賃金水準を含めてですけど。
会社 賃金水準、そこに絞った調査は特に行っていないです。あくまで賃金水準のマーケット調査という形です。
組合 東京南部地区で私は見ている職場、20職場くらいあるんです。日本IBMは再雇用賃金が最低です。一時金もなし、それから各種手当を含むと本当に差がでます。しかも、(日本IBM以外の職場は)日本IBMのように売上・利益を持ってる企業か、とんでもないです。超零細企業ですよ。それでも上回っていますよ。どういう調査をすると、18万5千円が妥当になるのですか。回答でマーケット調査の内容について言えないって書いてあるけど、言えないと思います。まともにやって、この金額が出てくると思えないです。本当にバンド3ありきで、単純業務の市場調査をすれば、それは最低賃金のギリギリの金額になるのは当り前なので、それ以上のことが読み取れないです。問題なのは、シニア制度の調査は、バンド3相当との業務でのマーケット調査しかしてないんです。今、IBMの再雇用の人たちがやってる業務で調べてみてくださいよ。絶対この数字にならないから。日本IBMには、シニア契約社員の方は何名ぐらいおられるかお聞きしていいですか。
会社 人数については申し上げていない。(次回につづく。ご期待ください。

9・19東京地評争議支援総行動&第300回金属反合共同行動

9月19日、東京地評は争議支援総行動を展開しました。またこの行動は金属機械反合闘争委員会が主催する第300回金属反合共同行動としても実施されました。3つのコースに分かれ朝から都内各所で展開された今回の行動には当支部(JMITU日本IBM支部)も参加しました。以下に当支部が参加したコースの主な3箇所の行動を紹介します。

キンドリルジャパン本社前

行動午前の2番目の行動として、キンドリルジャパン本社前行動が行われました。行動では、月額25万円・年収300万円というキンドリルジャパンのシニア契約社員の給与は生活できない水準だ、これを満足に生活ができる水準に改善し、会社として社会的責任を果たすべきだと訴えました。さらに、賃上げが1回分少ない状況(本来、就業規則通りに賃上げが実施されていれば、賃上げは2020年から2024年までに5回あるべきところ4回)を受けて、年内にもう一度賃上げを実施するよう訴えました。

日本IBM箱崎事業所前行動

続いて午後の1番目の行動として、昼休みに日本IBM箱崎事業所前行動が行われました。行動では、最低賃金よりわずかに高いだけの月額18万5千円・年収222万円という日本IBMのシニア契約社員の給与は生活できない水準だ、これを満足に生活ができる水準に改善し、会社として社会的責任を果たすべきだと訴えました。

ノバ・バイオメディカル本社前行動

昼休みの箱崎での行動の後、午後の3番目の行動として、ノバ・バイオメディカル本社前行動が行われました。ノバ・バイオメディカルは、2019年にJMITUノバ・バイオメディカル支部を結成し、会社から労働者への横暴をやめさせてきた射場執行委員長に対し、不当評価、退職強要、福岡営業所から東京本社さらに豊洲物流センターへの不当配転、営業職の取り上げによる大幅な賃金減額を仕掛け、労使紛争になりました。福岡事業所では営業として第一線で働いてきた射場委員長は、これら一連のいやがらせ、組合つぶしとも言える会社の攻撃に対し、こんな不当で非常識な行為には絶対に負けない、最後までたたかう、と決意表明を行いました。

日本IBM・シニア契約社員の賃金 本当に年収222万円でいいのか(連載①)

日本IBMの定年後再雇用制度であるシニア契約社員の賃金があまりにも低い状態が続いており、会社の社会的責任やモラルが問われています。そこで今回から、日本IBMのシニア契約社員の賃金に関する問題点や労使交渉の模様などをシリーズで連載します。

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会社は、2023年10月にシニア契約社員の月額給与(週5日)を17万円から18万5千円に引き上げた根拠について、8月21日に文書回答しました。しかし会社はこの文書回答でその根拠を明らかにしませんでしたので、組合は同日の団体交渉でその根拠を改めてただしましたが、会社は文書回答の内容を繰り返し、依然としてその根拠を回答しませんでした。結局、8月21日の文書回答と団体交渉では、会社はシニア契約社員の賃金を決定するにあたりマーケット調査を実施していることがわかっただけで、

シニア契約社員の月額給与18万5千円・年収222万円の根拠は全くわかりませんでした。

以下に、会社の8月21日の文書回答と、同日の団体交渉でのやり取りを紹介します。

会社の8月21日の文書回答(抜粋)

・当社がシニア契約社員の給与を決定するにあたっては、マーケット調査の結果をベースとしつつ、今後の景気動向、当社の業績予測、関係する業界における人材確保の可否等の諸般の事情を総合考慮して決定しております。なお景気や業績が悪化しても一度上げた賃金を下げることは困難であるため、当社が考慮しているのは短期的な景気動向や短期的な業績ではなく、中長期的な動向を考慮していることにご留意いただけると幸いです。しかし上記のような諸般の事情は補足的に考慮するものであってマーケット調査の結果が基本となっていることに変わりありません。これ以外にも最低賃金等の法令遵守に関する事項は、当然ながら考慮要素に含まれています。・当社は守秘義務を負っているため、マーケット調査の方法、内容、結果等に関する具体的な情報・資料開示することは、申し訳ありませんができません。

8月21日の団体交渉でのやり取り(抜粋)

組合
マーケット調査を実施されていますと。その結果、18万5千円になったとしている。その根拠がわからないです。2012年ですか、65歳まで雇用しなくてはいけなくなったから、経営に多分一番インパクトの少ない形の制度を考えましたと言うことだと理解しました。それが本当に一番低い水準で最低賃金よりちょっとだけ高いバンド3だということになったんだと理解しました。でも、12年も経ってるわけです。ずっとその状態が続いています。マーケット調査では、他のIT業界だとバンド3相当の社員がいないと、事実上おっしゃっていますけど、本当にマーケット調査するのであれば、バンド3相当の正社員がどういう処遇なのかではなくて、他社のIT業界で定年後再雇用の水準がどの程度かというところを調査すべきなんじゃないですか。いきなり最低賃金レベルになる会社がどれくらいあるのですか。

会社
賃金からこの議論が、当時スタートしたというよりは、なかなか読めない業績予測の中でいかに雇用を確保するか、その責任をまっとうするかというところから始まっていますので、その十何年の間変わってないというのは確かに事実としてあるんですけれど、もともと、その賃金からスタートした話ではございません。

組合
同じ会社で同じ部門の中で働いている人たちの内で、59歳までの人はペイ・フォー・パフォーマンスです。スキルに応じた賃金ですと言われて一生懸命やってる。60歳になった途端に、それ全然関係ありません、一律にバンド3の仕事しかありませんと言うことがモラルとしてどうなのか、人間のですよ、従業員の扱いとしてどうなのかっていう観点で人事としてどうお考えなのか。本当に本質的に経営だけの観点ではなく考えていただきたい。つまり会社は、再雇用制度という制度を作っているけども、決して、労働者が望まない制度を作っておいて、望まないから辞めていってくれるだろうと、再雇用されない制度を作る、再雇用を希望されない制度を作ることによって、2012年の法律を逃れている、と言わざる得ないような(賃金の)低い制度ですよ。ここを本当に反省しないとまずいし、それを改定して、本当にいわゆる儲けを出してくれるための再雇用社員を目指してもらうことによって、私は、会社が損することなんてありえないと思うんです。年内に見直しをすることを検討されている状態なのか、何も今進んでないのか、どういう状態と考えていいですか。会社見直しの可能性はあります。現時点で変えるも変えないも結論は出ておりませんけれども、毎年、マーケット調査を行っていますし、今年もそれを行う予定なので、それを踏まえてどう設定するべきかというのは検討します。(次回につづく。ご期待ください。)

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