8月25日(月)は、「開発・製造部門」の「健康保険組合互選議員選挙」の投票日です。
……と言われても、皆さんの生活にどう影響するのかわからない、とおっしゃる方もいらっしゃるかも知れません。そこで、「健康保険組合互選議員選挙」の意義と、なぜ労働組合は立候補者の推薦をするのか、を簡単に解説します。
「健康保険組合互選議員選挙」の意義
日本アイビーエム健康保険組合は、「健康保険法」に基づいて設立された、日本アイ・ビー・エムならびにその子会社・関連会社の一部を対象範囲とする健康保険組合です。給与支給額に対して事業主(会社)負担:34.8/1000、被保険者(社員)負担:23.2/1000、合計58/1000の健康保険料率により、会社ならびに社員が出資したお金で運営され、保険給付金(医療機関にかかったときの「健保負担分」)、保険事業費(外部医療機関での検診費用や健康づくり事業など)、高齢者医療への拠出金[注1参照]などに支出されています。
この健康保険組合の事業計画、予算、健康保険料率などを決定するのが「健保組合会」の場です。「健保組合会」は事業主(会社)側の代表としての「選定議員」16名と、被保険者(従業員)側の代表としての「互選議員」16名の計32名から構成されており、今回の選挙は、被保険者(従業員)側の代表としての「互選議員」のうち、1名出た欠員を補充するために行われるものです。
したがって、健康保険組合の互選議員選挙は、健康保険組合の事業計画や従業員の負担などを決めるにあたって、従業員側の意見を反映するための重要な選挙である、ということができます。
なぜ労働組合は立候補者の推薦をするのか
IBM健保のホームページ(「健保の運営」http://www.ibmjapankenpo.jp/shiori/shiori04.html)を見ると、
健康保険組合は、健康保険の運営を政府に代わって行う公法人です。その運営は事業主の代表と、従業員の代表である同数ずつの議員によって、健康保険法に規定される範囲の中で自主的、民主的に行われています。
と書かれていますが、その最高決定機関である「健保組合会」の議事録は公開されていません。これは、一般の被保険者にとって「自主的、民主的な運営」がきちんとなされているかどうかについてのチェック機能がないに等しいことを示しています。また、議員の出欠状況もわからないため、互選議員が会議に出席して従業員側からの意見を代表したかについてもわからない、というのが実態です。
それに加えて、互選議員選挙については、昨年も「かいな」で指摘しているとおり、
- 選挙区の範囲が3年ごとの選挙の度に変わりわかりにくい。選挙区は組織コード等で決められているようだが、今回の第9区だけでも5つ以上の事業所に選挙人(=投票資格者)が散らばっており、しかも選挙人名簿もオープンになっていないため、趣意書の配布も容易なものではない。
- 公示から立候補締め切りまでのおよそ1週間という短期間に、選挙区内の被保険者から推薦者を20名以上集めないといけない、という立候補へのハードルの高さ。
- 郵便投票という名の「早期投票」によって、労働組合推薦候補の趣意書が行き渡る前に、労働組合推薦でない候補への投票行為が行われてしまうこともある。
という大きな問題点が存在しています。
労働組合では、これらの問題を解消させるとともに多くの被保険者の要求を実現可能にする、真に民主的で開かれた(ガラス張りの)健康保険組合運営を求めて、立候補者を擁立しています。ぜひ皆さまからの絶大なるご支援をお願い申し上げます。
[注1]高齢者医療に対する負担については、後期高齢者[75歳以上]医療制度への拠出に加え、前期高齢者[65~74歳]の多くが国民健康保険に加入しているため、被用者保険(=健康保険組合等)との間で負担が不均衡になっており、これを是正するための負担金もある。