2008年4Qに実施されたリストラに伴う退職強要・人権侵害事件で、5/29東京地方裁判所に3名が提訴しました。9/11午前、支部代表および原告団代表が、原告を救済する判決が一日も早く下されるよう、東京地方裁判所に要請行動を行いました。当日は他にも四団体が東京地裁に、また別途四団体が東京高裁への要請行動を行いましたが、担当官が真剣に話を聞き、メモを取っている姿が印象的でした。以下、要請内容です。
2009年9月11日
平成21年(ワ)第17789号事件
上告人兼申立人 木村 剛外2名
被上告人兼相手方 日本アイ・ビー・エム株式会社
東京地方裁判所民事19部 御中
JMIU日本IBM支部
中央執行委員長 橋本 雄二
要 請 書
日本アイ・ビー・エム株式会社(以降 会社)は、ハードディスク部門だけでなく、半導体部門、PC部門、プリンター部門、物流部門をことごとく会社分割により、社員ごと売却をしましたが、昨年秋、今度は業績悪化を理由に約1500名の社員をリストラしました。会社業績は、前年と変わらない960億円の利益を上げているにもかかわらずです。
このリストラは、ノミネートした社員を退職へ追い込むために、マニュアルを作成し、休日に管理職を集めて、実践トレーニングをするという用意周到で、悪質なものです。
そして、管理職により、面談と称して、何回にもわたる執拗な退職強要をおこなわれ、多くの人がプライドを傷つけられ、身体も心もズタズタになって退職を余儀なくされました。
このリストラで辞めずになんとか残った人も、退職強要により、心身の病気や体調不良で満足に仕事や生活ができない人もでてきています。
さらに、会社は、辞めずに残った人に対して、成績を不当に評価して、降格に追い込むとともに、さらには、成績が悪いことを理由に普通解雇に追い込むことを検討しています。
組合は、このような会社の人権を無視した、退職強要に対して5月29日に東京地裁に損害賠償をもとめて提訴しました。
会社は、利益を得るためには、たとえ十分な利益を上げ、社員を雇用できる十分な体力があるにもかかわらず、本社の高い売り上げ、利益などの目標に届かなかったというだけで、日本の雇用環境に悪影響を与えることも省みず、平気で会社売却や大規模な人員削減をおこなっています。
会社は昨年のリーマンショック以降も、このような企業の社会的責任を無視した利益至上主義を推し進めており、このまま米国系外資企業の行動を放置すれば、他の会社にも蔓延し、日本社会は今以上に混乱しかねません。余力のある大企業が雇用を確保することによって失業者の増加を抑え、安心して働ける社会実現に向けたひとつのきっかけになるよう、原告を救済する判決を一日も早く下されますよう要請いたします。
以上