2月12日、東京地裁、第619号法廷にて、日本IBM退職強要・人権侵害裁判の第五回口頭弁論が行われました。 これまでに、原告側(組合)と被告側(会社)との間で準備書面や証拠の提出のやりとりが行われてきました。
前回までに、被告側が準備書面の2回目を提出したところです。この間、原告側はさらに追加提訴を行い、原告人数が1人増えて4人になりました。今回は、追加提訴の人を同じ裁判事件として裁判所が扱うかどうかが焦点でした。
もし裁判所が、今回の人権侵害を単なる個別の人権侵害事件として考えれば、別の裁判官が担当することになりますし、原告側が主張しているように、これは会社が組織的な違法行為を働いた結果だというように裁判所が考えれば、追加提訴の人は同じ事件として併合されることになります。
組織的違法行為追及か
いよいよ裁判が始まると、原告(組合側)が当初から主張している、人権侵害は会社の組織ぐるみの違法行為である、という点について、手に汗握る答弁が展開されました。
原告が主張している会社の組織的違法行為ということに対して、被告(会社側)は、個々の原告個人の案件対応のみ審理したがっていましたが、裁判官は「個々の行為の審理がメインだが、それだけではない」「バックグラウンドがあるなら答えて欲しい」と発言し、会社側の組織的違法行為についても追求してゆく姿勢を示しました。
また、4人目の原告の裁判の併合についても決定し、今回の事件は単なる個別の人権侵害事件ではなく、会社の組織的違法行為の結果ととらえ、さらに大きな事件として取り扱ってゆく姿勢を示しました