会社公表2010年度労働時間と休暇取得状況

2010年は例年になく残業が多く
休暇取得が悪化

健康問題を労働時間との因果関係が明確でないことで放置

 会社が毎年この時期に公表している年間の「労働時間と休暇取得状況」について、2002年より2010年までを表にまとめました。
 それを分析すると、一般職の総労働時間と所定外労働時間(残業時間)は、急増しています。
 月当たりの所定外労働時間は2009年度12.9時間に対して2010年度は16時間と24%増加しています。また、休暇の取得状況は、一般職も専門職も、表のとおり、取得日数、年休取得率の低下、年休カット日数・人数の増加、年休カット人数率の上昇、などすべての項目で顕著に悪化しています。この傾向から、2010年は例年になく残業が多く、休暇がとれない状況が生まれ、2009年までと比較して悪化は歴然です。
 2010年春を中心に派遣などの有期雇用社員を切ったことや、2010年の1Qのリストラによる人減らしが労働強化につながったものと考えられます。残業代申請時間の増加と共にサービス残業が増加している恐れもあります。 
 2002年からの傾向を見ても着実に労働環境は悪化していますが、2010年は特にひどく、メンタル疾患を含めた健康への影響が非常に懸念されます。健康問題と労働時間の因果関係が明確でないことをいいことに放置されていると推測されます。
 会社発表の労働時間は、残業請求しづらい状況の中での増加であり、また、休暇を消化できない状況であることが分ります。

会社は休暇奨励期間とりやめも検討
 
 会社は、このような状況を改善するどころか、今夏の休暇奨励期間はとりやめることを一時は検討しました。
 会社は、今まで組合の要求「年次休暇取得率向上のために実効性ある施策を明確にすること」に対して「休暇は、心身のリフレッシュ、家族や友人とのふれあい、さらには自己啓発の機会となるなど、さまざまな意義があると考えています。ゴールデン・ウィーク期や夏季の「年次有給休暇取得奨励期間」を設定するなどより多くの社員がより多くの年次休暇を消化できるよう奨励していく考えです。」と回答していますが、まったく逆行する事態になっており、健康問題、エネルギー問題などからも改善が必須となっています。

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