日本IBMは、ハイパフォーマンスカルチャーという言葉を使用し、それを人件費抑制の手段として悪用し推し進めています。成果主義は労働者の賃金を会社の一方的な評価によって個別に決めようとし、労働者の分断をはかるものです。また職場では責任を労働者に押し付け、経営者は業績改善の努力を行わなくなります。更に恒常的にリストラを行う異常な状況です。
・・・成果主義の歪み・・・
社内では、成果主義の歪みが至る所ででています。それは成果主義の本当の目的は、従業員の賃金上昇を抑える為のもので、賃金抑制の効果を期待され導入されているからです。それなのに会社は、成果を評価して、それに応じた報酬を与えるから正当です、素晴らしい人事制度です、などと従業員を騙し続けています。
そのことは、従業員の半数が昇給しない給与制度からみても明白です。
成果を出せないのは、自己責任と主張する人がいますが、それはこの成果主義の本当の目的を分かっていないからです。成果主義を真に受けるような、結果的に偶然「優秀」になった人間が出世をしてリストラを実施して、社内の融和を乱しているのです。
・・・ボトム15%を作るPBCは廃止せよ・・・
日本IBMでの成果主義の評価方法はPBCです。そこで行われているのは、成果主義ではなく、低い評価対象者を作り出すための減点主義です。
成果は、「品質向上の度合い」や「社員の技術力」など、数値で表すことができず客観性を見い出せないものも多いのです。上司が人間である以上、その基準次第で貢献量に対して成果に食い違いが出ます。上司が社員に近いと、無意識に評価に先入観・偏見がかかってしまう可能性もあります。
また、査定基準の設定次第では「貢献したのに評価が下がった」「がんばっても評価が上がらない」という事態にもつながります。上司が個人的に気に入らない従業員に対し、主観的・恣意的に悪い評価をつけたりもします。
そのようにしてボトム15%の従業員が作られ、人員削減のための退職勧奨が実施されます。それに応じなければ、退職強要やPIP(業績改善プログラム)を実施するのです。
・・・会社の責任は雇用を守ること・・・
会社の責任である「雇用を守る」とは、人員削減をしないことのみでなく、家族とともに安心して働き続けられることや労働条件の維持・向上をはかることがあります。これらが実践されて初めて、「真の自由闊達な会社」が達成できるのです。