「IBM中央団体交渉」報告

ボーナス妥結見送り、会社業績は限定開示
 5月15日・22日に団交を行いました。
 ボーナス支給では、妥結を見送りました。評価分布は開示しないままの一方、会社業績は限定開示に合意にしてきました。

◆返還応じず◆

 組合は、GDP財源として社員から取り上げたリファレンスサラリーの6.38%の返還を求め続けています。
 しかし、会社はグローバルの方針のため、日本だけ返還することは困難であると回答しました。
 また、組合は、年間賞与基準額の2分の1での仮払いを提案していますが、会社はこれを受け入れず、会社回答額に固執しています。
 組合は二次回答での歩み寄りを求めていますが、これに対し会社は「今後も交渉は進めるが、あくまでも一次回答額を受け入れさせるための交渉である」としています。このため、組合は今回も妥結を見送らざるを得ませんでした。

◆評価分布開示せず◆

 組合は、低評価者の所属部門の評価分布の詳細を再三求めていますが、会社は、評価分布はおろか、評価枠すら提供を拒否し続けています。
 組合は評価と賃金が直接連動していることによって「実生活そのものが評価の影響を強く受けてしまっている実態」について具体的に説明しています。
 しかし会社は「評価と賃金は別物ゆえに別に議論すべき」と主張しています。一方で、「連動させたのは会社の方針で変えることはない」としています。
 組合は評価の納得性・透明性のため、各人の評価の公表と評価の検証を提案しましたが会社は拒否し、「16000人分の評価の検証ができるものならその方法を見せてみろ」と、開き直る発言もありました。

◆会社業績限定開示◆

 組合は、個人評価と給与額の納得性を得るべく、社員の給与に反映する会社業績のデータの開示を求め続けてきました。
 会社はこれまで頑なに拒否してきましが、開示の範囲を支部組合と上部団体限定にとどめる事を条件に一部開示してきました。しかし、非表示にするような機密内容ではないため、協議を継続していきます。

◆退職目標数判明◆

  組合は、面談においてPIPと特別セカンドキャリア支援プログラムをセットにして実施するのは、社員に業務改善するか退職するかの二者択一を強要するものであり問題であると指摘しました。
 さらに、業務改善の意欲があるのに同時に退職を勧めることは社員を侮辱していることになると抗議しました。
 一方、会社は退職目標者数は2008年のときの3分の1程度(約400名)であることを明らかにしました。

◆労基署回答明示せず◆

 会社は裁量労働に関する労働法違反の疑いで労基署からの立入調査を受けました。組合は、会社が労基署に対してどのように回答したのかについて開示を求めましたが、会社はこれを拒否しました。このため、組合は労基署に直接確認することを伝えました。
 組合は、今後も社員の労働条件や生活を脅かし、人権を侵害する、不当な低評価、減給・降格・退職のための業績改善プログラム、退職を強要する特別セカンドキャリア支援プログラム等について断固反対し、闘い続けます。

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