解雇自由化もくろむIBM

厚生労働省で記者会見

 JMIU(全日本金属情報機器労働組合)とJMIU日本IBM支部は9月3日厚生労働省記者クラブで記者会見を開き、日本IBMで起こっている普通解雇事件と部門解散にともなう整理解雇問題に関して状況を報告し、企業の横暴を許さない組合の意思を表明しました。

◆日本IBMの状況◆

まず大岡委員長が日本IBMの状況を説明しました。部門売却を繰り返し、労働者を物として扱っていること、成果主義を悪用し相対評価のボトム10%を作り出し退職勧奨を行っている実態、その結果格差から差別化につながっていることなどを報告し、今回の普通解雇と整理解雇の二つの問題を説明しました。

◆解雇自由化の毒見役◆

続いてJMIU三木書記長が次のように報告しました。「日本では、IBMのような大企業が解雇を行うことは極めてまれです。電気関係の企業で大規模なリストラが行われていますが、そのほとんどは配置転換と希望退職の募集による人員削減です。しかし日本IBMはいきなり解雇を通告するという乱暴な手法に変えてきました。これは、解雇自由化の毒見役を果たそうとしているのではないかと分析しています」

◆ロックアウト解雇◆

普通解雇をされた鈴木裕治さんが解雇の状況を説明しました。7月20日(金)17時に上長に呼び出されました。会議室に行くと書類を入れた封筒を渡され「中身を見てください」と言われ確認すると、解雇予告通知および解雇理由証明書が入っていました。この直前まで、上司と翌週の仕事の打ち合わせをしていましたので、それを見て呆然としました。
会議室を出るときに「上司が付き添うので、17時36分に会社を出てください」と一方的に通告をされました。翌週出勤すると入館できなくなっていました。受付で上司を呼び出してもらったところ「上司、その他におつなぎできないことになっています」と回答されました。
この私の体験を、他の従業員の退職勧奨面談で脅し文句に使っています。「ロックアウト解雇された人を知っているよね、あなたも同じようにならないように退職しなさい」と。提訴の準備をしています。

◆部門解散型整理解雇◆

テクノロジー開発部門所属の社員は次のようにいきさつを説明をしました。5月23日に突然部門の閉鎖を告げられました。我々に辞めろといっているのかと確認をしたところ「そのようなことは言っていない」と返答がきました。しかし8月3日には「9月24日までに退職届けを提出すれば加算金を支払います。そうでなければ9月30日に解雇します」と。
どちらにしても会社を退職する選択をさせられています。成績がトップであっても会社に残れません。部門閉鎖の理由は、上位の責任であるのにその責任を末端社員に負わせています。それどころか会社の説明は言い逃ればかりで納得できません。

◆整理解雇撤回を◆

組合は団体交渉で整理解雇撤回を求めて交渉中です。
会社は、社内公募案件を使って自分で仕事を探し自分で折衝するように求めています。実際には営業の実務経験の条件がついているなど異動は簡単ではありません。
また再教育の場をまったく与えられていません。これでは整理解雇を回避しているとは言えません。会社の回避義務として、こちらの職種に異動してくれないかというのが普通です。
わたしたち組合はこのような解雇を絶対に許しません。

 

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