解雇者をゼロにせよ
TD&D整理解雇で団交
会社は、8月3日の中央団体交渉(以下「団交」という)の最後に、「次の職場が見つからない、TD&Dの社員は9月末付けで整理解雇する」と通知してきました。これを受け、組合は、8月24日に団交を開き、「会社は解雇回避に努力しているというが、組合は不十分と判断している」ことを伝えました。組合は、解雇者をゼロにするよう会社に要求しました。
組合の要求に回答できず
まず組合は、今回は解雇という重大案件なので団交に社長や役員の出席を要求しました。しかし会社は、「トップから人事が権限委譲を受けているので、人事が対応する」旨回答し、社長や役員を出席させませんでした。
また通常の組合側出席者は、中央執行委員15名に限定されています。しかし解雇という重大案件なので、9月末で整理解雇になりうる社員を中央執行委員とは別枠で出席させることを要求しました。同時に地方から来る当該社員の交通費を支払うことも要求しました。会社は持ち帰って検討することを約束しました。
解雇対象社員の悲痛な声
その後、対象社員が各自の想いを吐露しました。一人は「解雇をやっていることを、人事担当者本人はどう思っているのか?自分がやっていることを家族に話せるか?」と問いました。会社は「会社のために必要な業務だと考えている。」と回答しました。
また別の社員は「社長は『7月は業績が上がった。優秀な社員は夫婦で正装ディナーに招待する』と発表した。ふざけるな。そんな余裕があるなら、解雇対象の全社員を救え。」と抗議しました。
会社は「数年ぶりに数%成長したから、それに貢献した社員を表彰するものである。」と回答しました。組合は、再度「解雇される社員がいるのにギャップが大きすぎる。」ことを抗議しました。
社内異動先を確保せよ
組合は「時間がたつにつれて新しい職場が決まる社員が増えている。」として、解雇期日を延ばすよう要求しましたが、会社は拒絶しました。また、再教育も要求しましたが、こちらも拒絶しました。
組合は当該社員を解雇する場合は、「事前協議」するよう要求しました。
会社は「社内の配転先を探すために努力している」と回答したにすぎませんでした。
組合は「配転先リストをDBに登録してあるだけである。それも対象社員にそぐわない条件が付き、実際に応募できる案件が少ない。事実上の門前払いである。」ことを指摘しました。
会社は数名の組合員が採用案件に応募していないことを指摘しました。しかし組合は「これらの組合員は、前団交担当の堤さんが『配転先を探し報告する』と約束したから待っていただけである。」と反論しました。
組合は単に配転先リストをDBに登録するだけでなく、一人一人に個別具体的に異動先を提示するよう要求し、会社は検討することを約束しました。