2012年11月1日衆議院本会議で日本共産党委員長の志位和夫氏が代表質問に立ち、電機・情報産業の大企業が13万人もの首切り・リストラを強行しようとしている問題と共に、日本アイ・ビー・エムの「ロックアウト解雇」について質問し、違法・非道な解雇は許されないと政府を追及しました。
野田首相は無法をただす姿勢はいっさいみせず「関係法令や裁判例に基づく啓発指導などを実施している」と述べるにとどまりました。
志位和夫氏の質問の該当部分は以下のとおり。
▲違法行為を根絶せよ▼
電機・情報産業の大企業が13万人もの首切り・リストラを強行していることは、きわめて重大です。
この大リストラは、繰り返しの面談による退職強要によって強行されています。NECでは一人の労働者に11回も面談し、退職を強要したという訴えが寄せられました。会話が外に漏れないように通気口を鉄板でふさいだ面談室で、繰り返し繰り返し退職を迫りました。疲れ果てた男性は病気になりましたが、退職強要は続きました。11回目の面談で上役に「残れると思った?残れないよ。」と追いつめられた男性は思わず涙があふれ「病気にまでさせておいて、さらに追い打ちをかけるんですか。もう自殺するしかない」と叫んだとのことです。
労働者をここまで追い詰める退職強要が横行しているのです。繰り返しの面談による退職強要は違法行為です。総理、直ちに違法行為の実態をつかみ、それを根絶するために断固たる措置をとるべきではありませんか。
▲認められぬ解雇権乱用▼
日本IBMでは、ある日突然正当な理由なく解雇を通告し、そのまま労働者を職場から締め出す「ロックアウト解雇」というやり方がとられています。ある男性の労働者は、ある日終業時刻のわずか15分前に人事担当者からいきなり解雇通告が読み上げられ「今日の終業時刻までに私物をまとめて帰れ。明日からは出社禁止だ」と告げられ同僚がまだ仕事を続ける中、上司の監視を受けながら私物の整理をさせられそれ以来一歩も職場に入れない状態となりました。解雇通知書には「業績不良」が理由として書かれていましたが、その根拠を会社に求めても何の説明もされていません。
労働者に考える暇さえ与えず有無を言わせず解雇に追い込む。これは明らかに解雇権の乱用であり、絶対に認められるものではありません。総理はこのような非道な解雇が許されると考えますか。
生きた人間を人間扱いせず、力づくで解雇に追い込む、このような恐るべき無法の横行を放置していて、日本経済の再生はないと考えますが、いかがですか。
電機・情報産業の大企業の内部留保は26兆円にも及びます。雇用や地域経済に責任を負わない身勝手なリストラに際しては、政府が乗り出してリストラをやめさせ、企業に社会的責任を果たさせる、これはヨーロッパでは当たり前に行われていることです。政府は、そうした姿勢で望むべきではありませんか。