解雇自由化への道許すな !!
ロックアウト解雇裁判で意見陳述

 2012年12月21日10時から東京地方裁判所103号法廷でIBMロックアウト解雇裁判の第1回口頭弁論が開かれました。100人程度が入る大法廷が満員になり、10人ほどの人が入廷できませんでした。世間の関心の深さを伺わせました。
 ここで原告3人と組合側弁護士が意見陳述を行いました。

▼理不尽な解雇▼

 最初にAさんは2008年に当時の所属部門の月間最優秀賞を受賞し、2009年にはチームリーダから感謝状と盾を授与されるほど評価されてきたことを話しました。
 それにもかかわらず、2012年7月に具体的な理由を告げられることなく解雇された理不尽さ、異様な長時間労働のために患っていたうつ病がさらに悪化したこと、収入を断たれたため食費を一食300円以内に切詰めていること、同居して面倒をみている両親に心配をかけていることを訴えました。

▼人員削減へ偽装解雇▼

 続いてBさんは自ら経験したロックアウト解雇の乱暴さを訴えました。さらに業務能力不足を口実にして解雇予告通知を出しながら、退職加算金と再就職支援を用意して自己都合退職に誘導する手法に疑問を呈し、人員削減のための偽装解雇の可能性を示唆しました。またBさんが以前から、「同じ課で働いている請負社員が偽装請負ではないか」など、社内の不正を追求してきたことが解雇の原因ではないかと指摘しました。

▼不当労働行為発言▼

 Cさんは、当時の上司が「組合に入っていると不利な査定がなされるという事実を知っていますか?」「何か(組合)活動をしていますか?」など、不当労働行為に当たる発言を繰返したことを暴露しました。

▼解雇自由化への道▼

 最後に組合側弁護士が意見陳述を行いました。弁護士は一連の解雇の特徴として、「解雇理由が皆共通であり、抽象的であること」「Aさんを除く原告が、極めて短い期間で、自己都合退職か解雇かを選択させられたこと」の二点をあげました。
 そして本件解雇の本質として、2011年に940億円という莫大な経常利益をあげているために社員を整理解雇できない会社が、大量の社員を自由に削減するために画策した解雇であること、リストラの「毒見役」を自認している会社が行った、「解雇権乱用法理」に対する挑戦であり、解雇自由化への道を開こうとするものであることを指摘しました。
 第2回期日は2月18日10時から、同じく103号法廷で開かれ、会社側の反論準備書面が提出されます。

▼解雇自由化の防波堤▼

 組合はこの裁判を、解雇自由化を食い止めるための防波堤と考えています。いつ皆さんも同様の解雇通知を受取らないとも限りません。他人事と考えずに、組合に結集してみんなの雇用を守りましょう。そのためにも多くの社員の皆様に裁判の傍聴をお願いします。

第 2 回 期 日
日時:2月18日(月)10時
場所:東京地裁103号法廷

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