組合の春闘アンケートから3万7千円から5万7千円の昇給を望む声や「雇用・リストラ」等を不安・不満に思う声が浮き彫りになりました。
ここでは春闘の歴史と意義を振り返り、2013年の要求へつなげます。
|春になると賃上げ|
春闘は1955年、金属や化学など8つの産業別労働組合が話し合い始まり、その後、60~70年代にかけて、全国的なたたかいへと大きく発展したのが始まりです。
労働組合が春闘でめざしたのは次の二つです。
第一は、それまでばらばらだった賃金交渉を全国の労働組合が春の時期に一緒にたたかうという統一闘争を組んだことです。
第二は、「賃金の生計費原則」を前面にかかげ、企業規模などにかかわらず、すべての仲間の賃上げをめざしたことです。
半世紀にわたる春闘によって、労働者・国民のくらしや職場は大きく改善しました。春闘が前進するなかで、「春になると賃金があがる」というルールがつくりあげられました。労働組合は、春闘をつうじて、すべての仲間に人間らしく生活する権利があり、経営者には労働者のくらしをまもる責任があることを明らかにしたのです。
春闘は、労働組合がかちとった賃上げを地域の賃金相場に反映させることによって、労働組合のない職場の仲間のくらしをまもる役割を果たしてきました。
また、中小企業での賃上げが全国で実現したときは、それを背景に下請単価も上がるなど中小企業の地位と発言力も高まりました。さらに、「国民春闘」をかかげ、最低賃金制度や年金・医療など社会保障制度を改善させてきました。
90年代以降、「春闘解体」の攻撃がつよまるなかで、賃金の生計費原則が否定され、「賃金は成果や業績で決まる」という考え方が押しつけられています。
それは、わたしたちが春闘をつうじてかちとってきた憲法25条の「生存権保障」(人間らしく生活する権利)や28条の「労働基本権」(賃金・労働条件は労働組合との協議をつうじて決定されるべき)の理念を真っ向から否定するものです。
|雇用を守れ|
|昇給を行え|
いま、日本IBMでは半数の従業員しか昇給しない制度になっています。昨年は、全員の昇給が停止されました。そのような中、組合は春闘アンケートを実施し、従業員がどのように考えているのかまとめました。
その結果、多くの従業員が3万7千円から5万7千円の昇給を望んでいます。これは、別表にあるように家計の負担が増えるため、ごく当然の要求です。また、不安・不満に思うことを3つ上げてもらったところ、ほぼ全員が「雇用・リストラ」を上げ、、2番目に「査定・評価」、3番目に「賃金」「企業の将来」を上げています。
このことから、会社の人事施策が崩壊している姿がみえてきました。今後組合は、従業員からの声を吸い上げ、2月21日、会社に対し要求書を提出します。