今年も全社員がBCGへの同意を求められる時期になりました。多くの社員が「早くBCGに同意するよう」にと所属長から迫られているでしょう。しかし自らの雇用を守ることを考えると、安易にBCGに同意してはいけません。
組合では以下の4点を留保することを、会社に伝えてあります。
▲チャネルの選択▲
「2.1 問題点の提起と違反の報告」では、社員が社内の非倫理的行為やその可能性に気づいた場合は、会社が指定するチャネル(所属長や人事、弁護士など)を通じて、会社に知らせることを求めています。しかし大歳元社長の盗撮事件で分かるように、会社はすでに自浄能力を失っています。
また4000億円の申告漏れに代表されるように、会社ぐるみの不正行為が疑われる場合には、会社が指定するチャネルを通じて報告すると報復を受ける可能性があります。組合は、会社が指定するチャネルを通さず、第三者機関に直接訴ええることがあり得ることを通知しました。
▲録音・録画で証拠保全を▲
「3.1 職場環境」では、マネージメントやIBMの弁護士の許可を受けずに、録音・録画することを禁止しています。しかし社内で退職強要・パワハラが相次ぐなか、これらの証拠を取得しないことには、自分の身を守れません。
JAL契約社員雇止裁判でも、退職強要発言の録音が損害賠償請求の証拠になりました。また組合との交渉のなかで、会社は証拠がないものについては、「そのような事実はあるとは聞いていません」「確認できていません」と一方的に否定してきます。組合は退職強要・パワハラその他の不法行為の証拠を残すために、社内で録音・録画することがあることを通知しました。
▲盗聴・検閲や所持品検査▲
「3.2 IBMの情報と財産 アクセスおよび使用に関するIBMの権利」では、社内施設への私物の持込を一切禁止していることを建前にして、社員のカバンや携帯電話へのアクセスを認めています。またE-MailやPC、USBへの検閲も許しています。
大和事業所内で自殺した社員は、荷物で膨れたカバンで出社していましたと遺族から話がありました。しかし、返却されたカバンの中身はペン一本、紙一枚でした。
組合は会社による盗聴・検閲行為を一切認めないことおよび、合理的な条件が満たされない場合の所持品検査を認めないことを通知しました。
▲報告の正確さ▲
「3.5 情報の報告、記録、および保管」では、社員に対して、正確な報告を求め、不正確・不完全な報告を行うことを禁止しています。
一見、正しいことに思えますが、IBMでは、組合員以外で正しく時間外労働手当を請求できる社員はどの程度いるでしょうか。
残業代裁判では、組合加入前に長時間残業を行った人が、所属長の圧力でe-Attendanceに定時に出社・退社したと入力したことをとがめてきました。
組合は社員が勤務時間を正確に記録しなかったことを以てBCG違反とすることに反対することを通知しました。
このようにBCGは一見、素晴らしい倫理的な項目が並んでいますが、実は社員の雇用を脅かす内容が隠されています。社員の皆さんはBCGの恐ろしさを自覚したうえで行動してください。