日本IBM残業代裁判和解にあたっての声明

(1)日本IBMの社員2人が東京地裁に起こした未払い残業代の支払いを求めた平成24年(ワ)第11915号 未払賃金支払請求事件において、2013年1月に会社と和解が成立した。
(2)この事件は、JMIU日本IBM支部の組合員2名が、会社に対し実際に働いた時間数よりも少なく勤務時間を申告させられたとして、実際に働いた時間分の残業代の支払いを求めていたものである。和解内容は明らかにできないが、2人の社員にとって納得できる内容である。
(3)2人の社員は組合に加入する直前まで会社に過労死水準の残業をさせられていたにもかかわらず、e-Attendanceと呼ばれる勤務記録システムへの実態通りの申告が許されなかった。
(4)組合は2人の社員が組合に加入後、聞き取り調査を行った結果を受け、直ちに過労死水準の残業をやめさせるよう会社に申し入れるとともに、実態通りに請求できていなかった残業代を請求した。
(5)組合との団体交渉を経て会社は一部残業代を支払ったが、実際に働いた額よりも少ない額で、その一方的な計算方法にも疑問が残った。
(6)組合は再三に渡って会社に残金の支払いを求めたが、会社が支払いに応じなかったため、2人の社員は東京地裁に未払い残業代の支払いを求めて2012年4月に東京地裁に提訴するとともに、組合がバックアップしていた。
(7)わたしたちは、日本アイ・ビー・エム(株)に働く社員がサービス残業をさせられることがないように今後も監視を強めるとともに、e-Attendanceのような自己申告方式でなく、出退勤記録を客観的に記録できる環境を会社が整えることを強く要求するものである。

2013年3月

全日本金属情報機器労働組合(JMIU)
同         日本アイビーエム支部
日本IBM裁判弁護団 
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