ロックアウト解雇の際、組合との団体交渉を会社が拒否したとして、組合が東京都労働委員会に救済申し立てを行っていた事件で、同委員会は8月28日、昨年9月に組合員を解雇した際、不当労働行為があったと認定し、命令書を交付しました。
これは組合の主張を認めたものです。
理由なき団交拒否
東京都労働委員会は、解雇予告を受けた組合員の自主退職期限までに団体交渉を行う緊急の必要性があり、会社は可能な限り自主退職期限までの団体交渉に応ずべきであったところ、実際解雇予告の件を9月21日の団体交渉の議題とするよう調整することは十分可能であったにもかかわらず、合理的な理由もなく自主退職期限前の団体交渉に応じなかったことから、このような日本IBMの対応は正当な理由のない団体交渉拒否に当たると判断をしました。
会社の主張を一蹴
また「会社が組合員に対して解雇予告を行う場合、可能な限り自主退職期限までに組合との団体交渉に応ずるように努めるのは当然のことといえる」としました。
さらに命令書の中で「議題としなかった正当な理由とは、到底認められない」「このような会社の対応は、正当な理由のない団体交渉拒否に当たるといわざるを得ない」「労働条件については、一切交渉されていないことが認められる」と会社の主張を一蹴しています。
第三者機関初の判断
この命令は、一連のロックアウト解雇に関する初の第三者機関の判断となります。
また「ちょっと」と呼び出して解雇通告を行いすぐに荷物をまとめさせ犯罪者のように追い出すロックアウト解雇に歯止めになるとともに現在、東京地裁、大阪地裁に提訴しているロックアウト解雇裁判に大きな影響を与えるものです。
参考:都労委命令書全文