IBM中央団交報告

昇給の詳細は発表せず、
残業前提の稼働率測定
追及に答えない会社

 11月6日、組合はIBMと団体交渉を行いました。今回は給与調整(以下、昇給)と稼働率の問題について追及しました。

▼全社発表されない昇給情報▼

 組合は、今までweb上で発表されてきた全社平均(ただしBand7以下)の人数、平均年齢、平均勤続年数、平均昇給額、昇給前本給額、昇給後本給額、最高昇給額等がなぜ発表されないのかと問いただしましたが、会社は「今年は発表する予定はないです」と答えるだけで、発表しない理由も明らかにしませんでした。
 また、昇給は対象者にだけ通知されるとのことなので、昇給対象者にならなければ、昇給があったかどうかもわかりません。
 給与という従業員にとって大切な情報を会社が開示しないことは、そこに何か従業員にとって不都合なことがあるのではないかと疑いたくなる会社の対応です。
 なお、今年はTCRの適用は無く、MBAの適用だけとのことでした。よって、給与が市場と比べて低く、かつPBC評価が2以上だった人だけが昇給の候補となります。しかしながら、この条件に当てはまる従業員でも、全員が昇給するわけではないようです。

▼稼働率100%は週40時間▼

 箱崎事業所は週38時間勤務の事業所ですが、ILCで稼働率100%を達成するためには、週40時間の稼働を求められます。有給休暇、教育、部門会議等は稼働率に算入されませんので、必ず残業をしなければ稼働率100%の達成ができません。残業を前提とした制度設計がそもそもおかしいのではないかと問いただしても、「残業をしなければならなくなっても、違法行為ではないでしょう」と答えるだけでした。
 また、会社は年間の残業時間の上限があるので、それを超えて残業させられている場合、調査をすると言っていますが、それに対して「現実的にはそのような調査依頼をしたらプロジェクトから外され、そうすると退職勧奨の対象になる」と抗議しましたが、会社は何も回答しませんでした。

▼GPS部門の売却については詳細未定▼

 GPS部門の売却が行われることについて、売却先の就業規則や、GPS部門に所属している従業員は出向になるのか、転籍になるのかなどの条件を聞きましたが、まだ決まっていないとの会社回答でした。
 来年1月に売却が実施される予定のため、年内には決まるだろうとのことでしたが、売却予定まで2ヶ月を切っており、対応が遅いといわざるを得ません。

▼納得できないことは組合に相談を▼

 昇給の問題、稼働率の問題、生活を破壊するような残業の問題など、納得できないことがありましたら、是非組合に相談ください。組合は今後も会社施策の不合理な点を問いただしていきます。

「稼働率」算出方法とその不条理
(2012年、GBSの例)
基準稼働時間(分母) 基準稼働時間(分子)
算出基準(年間)
週40時間X53週
=2,120時間
 
 
 
 
目標稼働率が
90.1%の場合
2120X0.901
1910.12時間  
年間実労働時間計
週38時間X253日
 =1,922.8時間
ここから研修7日/年と
有給休暇20日/年を
8時間/日で勘案
8時間X27日
=216時間
(差し引き)
1922.8-216
1706.8時間
この差:203.32時間(16.94時間/月)
年間実労働時間計の月平均160.23時間に対し、
1割強の残業時間が「有料稼動」にて必要となる。
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。