【団交報告】過半数の社員に昇給なし

【団交報告】 過半数の社員に昇給なし 
 退職強要実施を認める 

 組合は、3月7日、3月13日、3月19日、3月24日の4回にわたって、会社と春闘要求や解雇撤回等について団体交渉を行いました。組合は4月1日付昇給や退職強要の中止、GPS部門、Xサーバー売却、都労委命令の履行などについて質問をしましたが、会社はいずれも「まだ決まっていない」「答えられない」という回答を繰り返しました。組合は「不誠実団交だ」と抗議をしました。

過半数の社員は昇給なし

 今年は、消費税増税ならびに政府が景気浮揚策として企業に対して賃上げを要求しています。
 またトヨタをはじめ、多くの企業でベースアップが実施されました。
 しかしながら会社側の回答は「Pay for Performance」の一言だけです。これでは過半数の社員の給与が上がりません。可処分所得は前年比マイナスです。今までのIBMであれば、率先して賃上げしたのではないかと質問しても、「グローバルに従って対処している。今まで日本の業績が悪かったときもグローバルに助けられていたのだから、日本の業績が上がったからと言って、賃上げできるものではない」という回答でした。

臨時昇給の要求に無回答

 組合はさらに就業規則には「臨時昇給」という条項があるので、これを使えば4月1日付で全社員に対して昇給ができるではないかと指摘しましたが、会社は「持ち帰る」というだけで回答しませんでした。

賞与でも社員に報いず

 賞与については、グローバルで計算式が決まっているので、金額について交渉の余地がありませんとの会社回答でした。
 そこで組合は、賞与計算式の中に今あるA(加算分)、B(控除分)に加え、C(全社員一律加算)というのを足したらどうかと提案しました。これについても会社側は「持ち帰ります」というだけでした。

人員削減はしていない

 「セカンドキャリア・プログラム」を実施しているのか質問すると、「加算金などをお支払いしています」という回答でした。しかしながらその対象者の選定基準や目標人数について質問すると、部門ごとに行っているため、人事では把握していないとの回答でした。
 「人員削減・整理解雇ではないか」とたたみかけると、キャリア入社や4月には新入社員も入るとの会社回答でした。それはまさに「新陳代謝」ではないかと質問すると、「活性化」だと回答しました。退職強要が横行する社内でどのようにして活性化されるのかについては、回答がありませんでした。

解雇は部門で、と逃げ

 7日の団交では、「来週の月火にロックアウト解雇が行われるのではないか」と確認しましたが、「解雇を決めるのは各部門であるが、そのようなことは聞いていない」との回答でした。「では解雇はいつ決まるのか」という質問に対して、「解雇予告通知を渡したときだ」と回答しました。
 この回答は都労委で、会社側証人が「手続きの問題で解雇の2~3日前には決まっている」と証言した内容と明らかに矛盾します。組合は再度追求しましたが、「知らない」「聞いていない」と繰返すばかりでした。

ロックアウト解雇と賃金減額発表

 また昨年の事例では、ロックアウト解雇と同時に賃金減額が発表されたため、「今年も賃金減額を行うのか」と確認したところ、「まだ何も決まっていない」と回答しました。
 しかしながら、会社は翌労働日の3月10日にイントラネットに賃金減額の発表をしました。
 また3月10日から11日にかけて、4名の組合員に解雇予告を通知しました。内容はみな同じく抽象的で、去年までと同様、個人の能力不足を理由にした普通解雇とはとても言えないものでした。

条件、解雇日も検討する

 組合はロックアウト解雇と賃金減額を撤回させるため、三度の団交を行いました。まず7日の団交で、ロックアウト解雇と賃金減額の事前協議がなかったことに抗議しました。会社は「解雇と賃金減額が決まったのは3月10日だ」とその場逃れをしようとしました。組合は「第三者機関でそのような嘘が通ると思いますか?」と第三者機関への提訴を示唆しました。
 具体的な解雇理由の提示を要求しましたが、会社はまともな解雇理由を示さなかったため、厳重に抗議し、三度、自己都合退職期限を延長させるとともに、解雇期限の延長も検討させています。
 組合はあくまでも解雇撤回を求めると共に、解雇が強行された場合は、第四次提訴も視野に入れて闘っていきます。また賃金減額についても、裁判・労働委員会などあらゆる手段で会社に対抗していく所存です。

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