正当な情報を求める組合に対し事実を隠す会社 －12月24日団体交渉報告－
組合は２０１４年12月24日に会社と団体交渉を行い、ＩＳＣ―Ｊへの転籍強要問題、一時金(ボーナス)回答や賃上げ回答におけるデータ提供の問題、欠勤・休職・復職・退職に関するガイドなどについて協議しました。
ＩＳＣ―Ｊへの転籍強要隠しは違法
組 ＩＳＣ―Ｊへの出向者の転籍にあたり、組合に事前連絡がなかった。この点について会社に抗議する。組合に秘密にして社員に転籍の話をした。一般社員が組合に加入するのを妨げたことになる。不当労働行為である。
会 秘密でやったつもりはない。それに転籍は常にある。
組 個人の話ではなく、今回は組織的にやっている。このような場合は協議が必要である。
（組合解説：ＩＳＣ―Ｊへの出向者を転籍させる際、会社は当該の社員に対して「組合員には話さないように」と口止めをして転籍の話を進めていました。組合への事前連絡がなかったため、転籍を希望しない一般社員が組合に加入して会社と交渉を行うことが出来ませんでした。これは不当労働行為に該当します。）
賃上げ・一時金データ隠しは違法
組 前回の団交から言っている通り、全社の平均本給月額、平均勤続年数、対象人数などを開示いただく必要がある。夏期一時金など開示はどうか。
会 データの開示は検討したが、これ以上は出せない。
組 それでは労使慣行を破ることになると何度も言っている。
会 現段階ではこれ以上は出せない。
組 前任者の川崎さんは伝えてくれた。慣行を守ってほしい。これらのデータがないと会社と交渉できない。交渉させないための嫌がらせだ。
会 出せるデータは出している。機密性の問題がある。これまで出したものが回答である。
組 数年前までＷｅｂ上に掲載していた。それが経営上の秘密か。
会 秘密は経営判断でかわる。４月の時は口頭で平均年齢と平均昇給額については回答した。
組 平行線できりがない。支部としては次の行動を考える。
組 12月の昇給データについてはどうなのか。
会 これも同様の考え方だ。
組 改めて書面で要求する。
会 検討する。
（組合解説：昇給の時やボーナスの時、対象社員人数やその平均給与、平均年齢などは基本的な交渉データとなります。数年前までは普通に会社が開示していたデータですが、このデータの開示を拒むようになりました。これは交渉拒否にも等しいことで、労使が対等に賃金交渉を行うという労働法の基本的な考え方に反するものです。組合は法的な手段も含め、対応を検討していきます。)
欠勤・復職等のガイドについて
組 ガイドが12月１日版から修正版がでたようだが。
会 文言修正はあったが内容は変わっていない。
組 キーになってくるのが、診療情報提供書だと考えている。この総合判定でどこ以上なら良いのか。
会 あらかじめ設定された基準はない。総合的な判断だ。
組 総合判定はどのような意味か。
会 整合性を考える。それぞれの項目（数字）の足し算と掛け算ではない。医師が総合的に判断する。
組 ＧＡＦとはなにか。
会 医者が使う診断基準の名前の一つ。人間の行動や思考のファンクションをざっくり測るものだ。ＧはＧｅｎｅｒａｌのＧ。
組 その基準は。
会 業務によって異なる。総合判定であり自動的に判定はしない。
（組合解説：新就業規則になってから欠勤・休職・復職などの時の会社の権限が大幅に増えたように見えます。会社が暴走しないよう、組合は監視を続けてゆきます。）