ロックアウト解雇「遺憾」
都労委、日本IBMに「勧告書」
近年の会社による不誠実団交や解雇・退職強要の実態を受け、東京都労働委員会(以下、都労委)は、2015年3月18日、会社に対し「格段の配慮を払え」、との「勧告書」を出しました。
二回の要望書を無視
2014年4月11日付で都労委より会社に配慮を求める「要望書」が出されました。それでも会社の不当労働行為が止まらないため、同年6月27日付で紛争の拡大を招くおそれのある行為を控えるよう2回目の「要望書」が出されました。しかし、会社はこれらの勧告を無視し、半年後の今四半期になって、再度退職勧奨・解雇通知を強行し、再び不当労働行為に及んだため、都労委から「勧告書」が出されたのです。「要望書」より一段高いレベルの「勧告書」による行政指導がだされたことは都労委がいかに会社を悪質と見ているかがわかります。
会社は「格段の配慮」を
「勧告書」では労使関係が不安定化の一途をたどっていることを「極めて遺憾」とした上で、解雇にあたって十分な協議・説明など「格段の配慮」を求めています。
都労委が「勧告書」を出したことについて、組合は23日、厚生労働省にて記者会見を行いました。記者会見には、3月に解雇予告された4名が参加しました。その一人は、通常の仕事について呼び出された面談にもかかわらず、その場でいきなり解雇を予告され、長年貢献してきた会社から追い出された憤りを訴えました。IBM支部の大岡委員長は、「ロックアウト解雇」が非道であることを指摘し、JMIU三木書記長は、ロックアウト解雇について「職場でリストラに反対する組合を弱体化させる不当労働行為だ」と語り、組合の顧問弁護士は、「この会社は、労働法や人間性を無視した会社である」と説明しました。
裁判の展開に影響も
この「勧告書」により、会社ぐるみの不当労働行為性がより明らかになり、現在係争中のロックアウト解雇撤回裁判、そして賃金減額撤回裁判の今後の展開に大きな影響を与えることは必至です。
社員のみなさん、退職勧奨があっても安易に会社を辞める必要はありません。また、本年4月の賃金減額はありませんでしたが、昨年の減額分を取り戻すため、組合に入って一緒にたたかいましょう。個々人が提訴し、勝訴しなければ、減額分を取り戻せません。
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