会社は、ロックアウト解雇をただちに中止せよ 4月9日、第3次ロックアウト解雇裁判の口頭弁論が東京地裁823号法廷で開かれ、原告の意見陳述が行われました。以下に、原告の意見陳述書を掲載します。(一部省略) |
意見陳述書
2015年4月9日
東京地方裁判所民事第11部 御中
1.ロックアウト解雇が社員に与える屈辱
2013年5月21日から組合の中心メンバーに対するロックアウト解雇が始まっていました。5月27日に上長から今後のキャリアについてという1対1の面談を設定されました。退職勧奨に違いないと思い、上長に「退職勧奨の件でしたら私には退職の意思はないのでお断りします。」とメールすると次のような返信がきました。「社外でのキャリアを支援する期間限定のプログラムをご紹介しようと思ったのですが、特にご利用の意向がないのであれば、ミーティングはキャンセルします。もし、ご興味があればお知らせください。」
6月20日の夜に母親に相談しました。「今の状況だと俺もロックアウト解雇されるかもしれない。こんな不当なことは許しておけないから、もし解雇されたら裁判をしたい。生活は苦しくなると思うけど。」当時80歳の母は「そうだね。いざとなったら今の家を売って小さなところに引っ越すかねえ。」と応えてくれました。
その翌日、私はロックアウト解雇されました。解雇予告通知書にはお決まりの就業規則による業務不良による解雇の旨を記述しただけのもので具体的な解雇理由の説明はありませんでした。即時退館を促されたのを無視して仕事を続けていると「警備員を呼びましょうか。」と上長が言うのが聞こえました。証拠になるパソコンを取り上げられるとまずいと思い「裁判です。」と告げて、パソコンをカバンにしまい込みました。荷物を整理していると後ろから「そうそう、大事なことを伝えなきゃ。自主退職を選択すれば退職加算金は一千万ですよ」と上長の言う言葉が聞こえてきました。私の胸には怒りがこみ上げてきました。金で頬つらを叩けば人は何でも言うことを聞くものだというように聞こえたからです。退館するまで私に貼りついてまるで犯罪者扱いのように私を追い出した会社を許すことはできないと改めて誓いました。
2.繰り返される屈辱的なロックアウト解雇と組合軽視の姿勢
しかし、その後も私に行われたのと同じようなロックアウト解雇が強行され、今年の3月にも行われてしまいました。解雇予告通知書を見せてもらいましたが、解雇理由の記載は、私に対する解雇予告通知書に書かれていた内容と、句読点の打ち方に至るまで同じでした。解雇予告と同時に即時退館を命じ、次の日からの出社禁止を命じる点も同じです。解雇予告と同時に、短い期限を設けて、加算金をちらつかせて自主退職をせまる手法も同じです。
社員に対する人間としての最低限の敬意すら感じられません。なぜこんなやり方を繰り返すのか。私は本当に悔しいです。
しかも、東京都労働委員会の三者委員の連名で、2014年4月11日に「労使双方は、紛争の拡大を招くような行為を控えるなど格段の配慮を払われたい。」との要望書がだされ、6月27日にも、会社に対して、「被申立人においても紛争の拡大を招くような行為を控えるなど格段の配慮を払われることを強く要望する。」との要望書が出されていました。
会社はこれすらも無視し、2015年3月にもロックアウト解雇を強行しました。その結果、2015年3月18日に東京都労働委員会の三者委員が「上記要望にかかわらず、その後においても、支部組合員に対する退職勧奨や解雇予告等が繰り返し行われるなど、労使関係は不安定化の一途をたどっていると解さざるを得ず、極めて遺憾である。被申立人においては、申立人らの立場を尊重し、円満な集団的労使関係の構築、維持に向け、支部組合員らの解雇等に当たっては、申立人らへの協議、説明を十分に行うなど、格段の配慮を払うよう勧告する。」との勧告書を出されました。
会社の態度は組合の存在そのものを否定する行為にしか思えません。
3.最後に
一体、解雇訴訟をいつまで続ければ、被告は普通の人が普通に働いて普通に生活できるような会社になるのでしょうか。
上記の事態も考慮いただき、裁判所におかれましては本件解雇の真の目的を明らかにされたうえで、公正な判決を言い渡していただけますようお願い致します。
以上