会社は賃金を元に戻せ
―団交報告―
賃金減額裁判において会社が11月25日に認諾したことを受け、組合は12月7日に団体交渉を持ち、左記の内容を要求しました。
会社は団交の席上、「真摯に受け止め、検討を行っている。12月24日の次回団交までに文書回答し協議する」と約束しました。
組合要求の内容:
①原告の賃金減額を撤回し、もとの額に戻すこと
賃金減額裁判では今までに支払われた本給および賞与の減額分を請求していました。請求分については12月1日に全額が支払われましたが、それだけでは十分ではありません。原告の賃金(リファレンス・サラリー)が減額される前の額に戻されてこそ真の解決と言えます。
②今回の認諾で含まれなかった賃金減額分を支払うこと
裁判では未来に発生する損害の請求はしていないため、賃金が元の額に戻らない限り、毎月新たな損害が発生します。また、今回の裁判では2013年に行われた減額を争点としていたため、原告に対する2014年の賃金減額および2012年以前の賃金減額による損害についても認諾には含まれていません。これらの損害についてもすべて支払うことを要求しました。
③残業代・社会保険・401K等、賃金減額に伴うすべての不利益を回復すること
認諾による支払い対象は本給および賞与の減額分のみですが、これらが元に戻ることによって残業代や厚生年金保険、確定拠出年金の拠出金の不足までもが顕在化することになります。これらを含む不利益分の回復も要求しました。
④原告以外の組合員について①~③同様の措置を行うこと
裁判で取り戻せたのは原告の損害のみでしたが、裁判に加わらなかった組合員についても上記①~③の措置を行うことを要求しました。
⑤組合に謝罪と謝罪金の支払いをすること
認諾は、会社が全面的に非を認めたことを意味します。したがって、組合に謝罪するとともに、裁判に伴う弁護士費用やもろもろの活動費用を弁済するのが当然です。このことを要求しました。
⑥賃金制度を安易に減額できない制度に戻すこと
会社がフリーハンドで賃金減額をできるような現行の違法な就業規則や格付規程がそのままになっていては、今後も不当な賃金減額を会社が実施する可能性があります。安易に減額できない制度に戻すことが根本的な解決になります。このことを要求しました。
⑦今後、組合員の労働条件変更は組合と事前協議を行い、合意の上で実施すること。
労働基準法の第2条では、給与等の労働条件は従業員と会社が対等の立場で協議し決めることが定められています。
今回のようなことを繰り返さないためにも、このことを明文化しておくことが必要です。