賃金減額事件
原告組合員の給与回復を回答
-団交報告-
12月21日号でお伝えしたとおり、会社の「認諾」を受け、組合は7つの要求を掲げて2015年12月7日・24日、さらに2016年1月14日に協議を重ねてきました。
この一連の団体交渉で会社は再三回答を引き延ばしてきましたが、ついに1月14日の回答で原告組合員の給与を原状復帰させるとの前向きな回答がありましたので、以下にお知らせします。
組合は引き続きすべての要求が実現するように協議を続けていきます。
給与は退職金や年金に影響します。社員の皆さんも一刻も早く組合に加入し、給与差額を取り返し、給与を元に戻すことをお勧めします。
要求内容とその回答
以下に組合が出した7つの要求を再掲し、その回答内容を紹介します。
要求1.原告の賃金減額を撤回しもとの額に戻すこと。
会社回答1.原告となった組合員のリファレンスサラリーの減額相当額を増額することを回答しました。
要求2.認諾で含まれなかった減額分も支払うこと。
会社回答2.2013年分の減額で、まだ支払われていない期間分についてのみ支払うことを回答しました。
要求3.残業代や社会保険等、賃金減額に伴うすべての不利益を回復すること。
会社回答3.今回支払った部分およびこれから支払う部分について、残業代・変則勤務手当・確定拠出年金についても不利益分の差額を支払うことを回答しました。
要求4.原告以外の組合員についても同様の措置を行うこと。
要求5.組合に謝罪と謝罪金を支払うこと。
要求6.賃金制度を安易に減額できない制度に戻すこと。
要求7.今後、労働条件の変更については事前協議を行い、合意の上で実施すること。
会社回答4~7.要求4~7についてはゼロ回答でした。
あるべき会社回答とは
会社が賃金を原状復帰させ、不利益分の差額を支払う回答をしたことは一定の評価ができます。
その一方で、そもそも組合が賃金減額裁判で提訴した内容は、①現在の賃金制度がおかしいこと、②賃金制度を変更する過程で違法行為があったことでした。
「認諾」とは提訴内容をすべて認めることです。とすれば、今回の提訴対象期間以外や、原告以外の組合員についても差額賃金を支払うのは当然ですし、制度をもとに戻すことも当然のことです。
さらに、制度変更の際の違法行為についても認めたことになりますので、組合への謝罪や謝罪金についても当然のことですし、今後の歯止めとして、事前協議・合意の上で労働条件変更を確約することが会社としての真摯な対応になります。
組合はこれらについても粘り強く交渉を続けます。
一刻も早く組合加入を
この裁判の完全勝利については大きな反響を社員のみなさんからいただきました。
2013年からの2年間で賃金減額された人は2000人はいるはずです。どうか我慢しないですぐに組合に相談してください。被害は毎月毎月続いているのですから。
賃金は労働者の基本的な労働条件です。そのままにしておいては年金や退職金に影響してきます。組合に入るのは何も特別なことではありません。まずは加入して団体交渉に加わることから始めてはいかがでしょうか。多くの人が団体交渉に加わるだけで組合の交渉力は強まり、解決力が強くなります。