祝いの言葉で勝訴実感
ロックアウト解雇裁判原告の声
3月28日、13時10分、緊張が高まる中で開廷し、裁判長が第一次3人と第二次2人の判決骨子を順番に淡々と読み上げていきました。「原告が被告に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることを確認する」。一瞬、判決の意味が理解できませんでした。しかし頭の中で反芻すると勝訴したんだということが理解できました。他の4人についても同じ文面だったので、全員勝訴ということがわかりました。
閉廷と同時に、支援者の方々からお祝いの言葉をかけていただき、握手を求められ、実感が湧いてきました。
米国流解雇
日本はダメ
提訴から3年間の苦労が報われた瞬間で、会社の権利濫用が認められたことは非常にうれしいです。また、後続の三次~五次提訴の裁判にも好影響を及ぼす判決で、日本では米国流の解雇は通用しないことを示した点でも大きな意味があると思います。もしも今回の解雇が適法と認定されていたなら、この手法が日本中に広がり、労働者は安心して働けなくなります。ただ、原告の主張が完全に認定されなかった点は非常に残念です。
裁判所前には、関西から傍聴に来られた人もいて、うれしくなりました。判決後の記者会見では多くのメディアが取材のために出席し、提訴時よりも大きく取り上げられたことは、この裁判に対する社会的関心が高いことを示していると思います。
支援の皆さんに感謝
今回の一審判決に対して、原告・被告共に控訴したため、裁判は法廷を高裁に移して続きますが、引き続き、みなさんのご支援をお願いします。
最後に、この場をお借りして、組合や弁護団、支援者のみなさんにお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。(酒)
ロックアウト解雇裁判 会社資産差押え報告
絵画4千万円相当差押え
ロックアウト解雇第1次2次裁判の判決が3月28日に東京地裁から出され、原告の会社への復帰とともに、解雇時から判決確定日までの賃金支払が命令されました。そして賃金支払いの原資を確保するため、組合は会社資産の差し押さえを行いました。
当日16時半に東京地裁の執行官らが箱崎本社に立入り、絵画4点・評価総額3905万円を差し押さえました。この間、箱崎本社前で20人の組合員と支援者が、通行する人にチラシ配布とスピーカーによる宣伝をする中で、「執行官、頑張れ!」と声援を送りました。声援の甲斐もあって、高価な絵画を見つけることができ、差し押さえは成功裡に終了しました。
高額な絵画を差し押さえることができて良かったと思う一方、不愉快な気持ちが起こりました。評価額は購入額の八掛けのため、差し押さえた絵画の購入額は4800万円を超えます。しかも、差し押えた4点のうち3点は倉庫で差し押さえられました。つまり役員フロアには平均購入額1200万円以上の絵画が飾られており、定期的に架け替えるための絵画が倉庫に眠っていることになります。
売上げや利益につながらないものを容赦なく切り捨てている会社が、役員のためには、絵画に、多額の費用をかけるという身勝手なことをしています。そんな余裕があるなら、頑張って働いている従業員に給与や賞与の増額で報いるべきです。会社はお金の使い方を間違えています。