理不尽な行いを続ける会社に断罪を

理不尽な行いを続ける会社に断罪を

-第二次賃金減額裁判で意見陳述-

 6月28日、東京地裁で第二次賃金減額裁判の審理が行われ、原告が意見陳述しました。
 以下にその内容を掲載します。

意見陳述書

2016年6月28日

1 社歴と会社への貢献

 私は1986年に日本アイ・ビー・エムに入社し、社歴30年を越えたところです。所属部門は途中で変わっておりますが、入社時から一貫して社内外の情報システムに関連した仕事をしております。また、社内の経理関係システム担当の部署に所属した折、知識確認と自己啓発も兼ねて日商簿記一級を受験し合格しました。この時に得た知識は、その後の社内システム開発の上で大変役立ちました。特にアウトソーシングの財務評価システムの保守と刷新については、大変高い評価をいただきました。

2 賃金減額の結果もたらされたもの

 私の賃金の減額は、月収ベースで約4万円に及び、10年以上前の金額より少なくされてしまいました。私には大学生の娘と高校生の息子がおり、二人の教育費に住宅ローンが加わることによって、賃金減額されていない状況でも家計が苦しい中、生活設計をなんとか立てていた状況でした。賃金減額された結果その生活設計が崩され、妻は食費も削って節約料理の研究にいそしむ毎日ですし、衣服や靴は必要最小限の安いものしか買えません。私が自由に使えるお金などほとんどありません。
 私には、親として、子どもには好きな道へ進んでいってほしい、という思いがあります。妻の父親から多額の援助を得て、かろうじて教育費だけは最低限必要な資金が捻出できていますが、妻の父親は昨年逝去し、その援助も底をつきつつあります。息子は理系の大学への進学を希望しているのですが、私立大学に通わせる学費までは出ないので、学費が比較的少ない国公立大学にしか行かせられない、と息子には言っています。現状では最悪の場合、息子を大学に行かせられないかも知れません。この状況は、親としても非常につらいものです。

3 理不尽な行いを続ける会社に断罪を

 会社は「Pay for Performance」を唱え、従業員とその家族が満足に生活できる賃金の支給を保証しようとしていません。その上、たった一年間の相対評価の結果だけで賃金を一方的かつ永久的に大幅減額できる制度を作り、維持しようとしています。このような制度は労働契約法第10条に違反するばかりでなく、私企業(ミクロ)としての利潤の極大化を追求する一方、企業の社会的責任を果たさず、社会全体(マクロ)としての成長を阻害するものであると言わざるを得ません。
 私自身が賃金減額で被った被害が、このような会社の異常な制度のもとで行われたことを、私は決して許すことができません。そのような思いで、私はこの訴訟の原告団に加わりました。裁判官のみなさまにおかれましては、このような理不尽な行いを続ける会社を厳しく断罪するご判断をいだたけますよう、切にお願いするものです。

 

 

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