日本IBMがまたも賃金減額を発表

日本IBMがまたも賃金減額を発表

― 労働組合はこの賃金減額に反対 ―

 

2016年8月18日、会社は9月1日付給与調整の際、賃金減額も行うと一方的に発表しました。賃金減額幅はReference Salary(年収相当額)の7%。これは一時的な減額ではなく恒久的なものです。一般社員の場合、減額分をボーナスから差し引くと発表しました。

労働組合はこの賃金減額に反対
JMITU日本アイビーエム支部(日本IBM及び関連会社で働く従業員の労働組合)はこの賃金減額に反対します。そもそも日本IBMの2015年度決算では約950億円の経常利益があり、従業員の賃金を減額しなければならないほどの業績ではありません。しかも、会社は賃金減額の対象者は「2015年の業績評価により、その業績が期待値に届かなかったと評価された社員」と発表していますが、これには客観的な基準が無く、どういう社員を指すのか不明で、恣意的な運用の危険性があります。

さらに、今回の賃金減額はボーナスから差し引くと発表されていますが、日本IBMの場合、業績評価が低いとされた社員のボーナスはすでに懲罰的な減額がされており、この上さらに恒久的な減額をすれば2重の懲罰となります。

組合は今回の賃金減額発表について8月26日に予定されている団体交渉で撤回を求め協議する予定です。

賃金減額裁判と今回の発表の位置づけ
今回の賃金減額発表は、組合が提訴した賃金減額裁判がたたかわれている中で行われました。今回の会社発表の位置づけについて以下に解説します。

会社は賃金減額1次裁判で請求認諾
組合は2013年9月に賃金減額が不当だとして会社を東京地裁にて提訴。会社は2015年11月に組合側の請求をすべて認める「認諾」を行い、減額差額分を原告にすべて支払いました。しかし、法的には訴えた原告にだけに請求分が支払われるだけで、賃金減額された全社員に支払われたわけではありませんでした。

現在の賃金減額裁判の状況
会社は第1次賃金減額裁判で請求認諾をしたにもかかわらず、減額制度そのものを撤回しなかったため、現在は組合が2016年2月に東京地裁に提訴した第2次賃金減額裁判がたたかわれています。この中ではさらに期間が経過した分の減額分と、給与を元に戻すことを請求しています。この中で発表された今回の会社の賃金減額発表は日本の司法に対する冒とくです。さらなる労使紛争の拡大につながります。

労働組合への加入を呼びかけます
今こそ社員一人一人の行動によって会社を変えるときです。他人事ではなく、自分が何ができるかを考えてください。労働組合に団結し、労使関係の中でたたかえば、全社員に恩恵が行き渡ります。数百人、数千人単位で組合に入れば労使関係を変えることができます。今、あなたの行動が必要です。すぐに「なんでも相談窓口」に連絡してください。

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