お手盛り賞与さらに不透明に (団交報告)
-チェックポイント評価は無関係-
社員のみなさん、2016年12月27日付で会社が社内Webに発表した「2016年度(2017年支払)賞与・定期俸プログラムについて」はご覧になっていますでしょうか。支給方法は一見、従来と同じような計算方法に見えますが、その内容を詳しく分析してみると驚くべき事実が隠されていました。
以下にその発表内容の分析と、会社と団体交渉で協議した内容をお知らせし、みなさんに注意喚起させていただきます。
発表内容の分析
まず2017年度支払賞与・定期俸プログラムの発表内容を見てみます。支給方法は従来と同じく「(A)日本IBMの会社業績達成度反映部分」と、「(B)その他」からなることがわかります。さらに(A)の内容は「リファレンスサラリーX 6% X 会社業績達成度X 個人業績率」の掛け算で、これも従来と同じです。
問題はここからです。従来「個人業績率」はPBC評価によって決まり、自分で計算できるものでした。例えばPBC評価1であれば個人業績率は160%ということが分かり、(A)の部分は自分で計算することができました。
しかし、今回の発表では個人業績率については「個人業績率は社員一人ひとりの貢献度を勘案しライン専門職がこれを決定します」とあるのみです。
これでは自分の個人業績率がいくつなのか分かりませんし、どのような基準で決まるのか分かりません。まるでラインによる「お手盛り賞与」です。
これについて団体交渉で協議しましたので、その内容を以下にお知らせします。
個人業績率について
組合 今回からチェックポイント評価制度になったが、個人業績率はどのように計算すればいいのか。
会社 マネジャーが決める。今までのようにPBCが1だったら自動的に160%とか、そういった形ではなく、マネジャーが個人の貢献度を元に支給率を定める。
組 それは範囲があるのか。
会 原資があることなので、相対的にそれぞれのマネジメントにおいて決める。
組 どれぐらいの幅で決まるのか。
会 今までのようにPBC1だったら160%とか、PBC2だったら80%とか、これしかダメといった形で決める考えは無い。あくまでも相対的なパフォーマンスの位置付けによってそれぞれのライン専門職が決めていく。
組 そのパフォーマンスは何段階で決まるのか。
会 特に何段階というのは決めていない。
組 無段階ということか。
会 例えばGDPを比較にすると、あくまでも個人の貢献度に照らしてライン専門職が相対的に個人業績率を決めた中で金額が決まっている。それと同じように個人業績率をライン専門職が決める。
組 チェックポイント評価とは関係ないのか。
会 チェックポイントで例えばEXCEEDが5個あるから何%という形にする考えはない。逆にEXPECTS MOREが何個だとゼロにしなくてはいけないということも考えていない。
組 1stラインと2ndラインで話し合って決めるのか。
会 実際はそうなることが多いと思う。
組 2月22日がJMITUの春闘統一要求日になる。賃金・一時金の要求もする。賞与も賃金の一部であり、賃金は労働者の生活を土台にして決定されるべきだという考えで交渉に臨みたい。春闘交渉では労働組合の要求に沿った形で改めて協議をして決定していただきたい。
会 主旨は理解した。
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社員のみなさん、ご紹介したように賞与支給額が更に不透明になります。個人で所属長と交渉するのは難しいのは明らかです。今こそ組合に加入して団体交渉の力で交渉しましょう。団体交渉は憲法で保障された権利です。