空前のPTIはどこへ行った 【春闘報告】
――超低額GDP、会社業績達成度の説明つかず――
先日、日本IBMの昨年度業績が発表されましたが、驚くべきことがわかりました。なんと、昨年度のPTI(税引前純利益)が一昨年度の倍以上である一千九百九十六億円もあるのです。左図はこの5年間のPTIの推移をグラフにしたものですが、昨年度のPTIがいかに突出しているかがわかります。この原因は一千百二十七億円の特別利益が計上されていることにありますが、これについての会社説明は一切ありません。
超低額のGDPと会社業績達成度45はなぜか
すでに今年度のGDP額が各社員に通知されていますが、あまりにも低額のGDPに驚いている人も多いのではないでしょうか。GDPはその性質からしてもPTIのウェイトが一番高いと思われるので、このPTIの値からしても今年度のGDPがこのように低い説明がつきません。
また、今年の会社業績達成度45についても疑問です。日本IBMとグローバルIBMの業績が勘案されるにしても、日本IBMのこれだけ突出したPTIであれば少なくとも会社業績達成度は75以上でなければ説明がつきません。
会社はGDPと会社業績達成度についてもう一度社員に対して誠実に説明する責任がありますし、場合によっては見直すべきです。
賃金決定の不透明さ露呈
そもそも組合は今年の春闘の一環で会社が回答したGDP額の根拠について次のように求めていました。まず、会社の説明では、昨年から始まったチェックポイント制度と賃金決定は直接の関係は無いとの説明を受け、その点から説明を求めました。
組合要求1
1.各人のGDP回答額を算定した根拠を各所属長に調査し、個別に回答すること。
2.GDP算定にあたって会社から各所属長にガイドした内容を示すこと。
会社回答1
1.2016年のパフォーマンスは、社員とその上司との間で行われたCheckpoint Processにおいて明らかにされており、それを反映してGDP支給額が決定されています。Checkpointの5つのディメンジョンとGDP支給額を関連づける機械的な関連性はありません。
2.社内の管理資料またはガイドを開示する考えはありません。
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組合はこれに対し次のように説明を求めました。
組合要求2
Checkpoint Processによって明らかにされたパフォーマンスは何か。何によって示されたのか。具体的に個人別に示すこと。
会社回答2
2016年のパフォーマンスは、社員とその上司との間で行われたCheckpoint Processにおいて明らかにされており、それを反映してGDP支給額が決定されています。
~ ~ ~
そもそも所属長とまともにCheckpoint Processをやった人がどれだけいるでしょうか。「あなたのパフォーマンスはxxだった」と明確な答えをもらった人はどれだけいるでしょうか。皆さんのご意見をお待ちしています。