プロジェクト現場への浸透も視野に
会社が2017年10月24日に発表した「適正な勤務・健康管理の徹底」については、春闘アンケートで多くの皆さんから「しっかりやってないと思う。プロジェクトベースでそれが徹底的に管理されているとは思わない」とか「形式上できているが、運用はひどい」など、多くの批判的な意見が寄せられました。
そこで組合は春闘要求において、特にプロジェクト現場で本当の意味で適正な勤務と健康管理ができるようにするために、以下のような要求を出しました。
【組合要求(抜粋)】
1.適正な勤務管理をしているかどうか、ラインマネジャーは部下が参加しているプロジェクト運営にも責任を持ち、業務遂行状況を管理すること。
2.オーバーランを起こすプロジェクトには会社として補填をすること。
3.プロジェクトのコスト配分を見直し、適正なGPと人員コストにすること。
4.客観的な勤怠管理ができるシステムを導入すること。
【会社回答(抜粋)】
1.について
必要に応じてライン専門職およびプロジェクト・マネージャーへの説明会を実施し、さらに全ライン専門職には裁量勤務適用者を含め所属社員の勤務時間管理により一層のマネージメントアテンションを払うよう指導しています。
2.について
会社は、プロジェクトの運営の確認をし、適宜適切な対応を行っていく考えです。
3.について
会社は、今後も適正なGPと人員コストを適切に管理していく考えです。
4.について
システム導入を含め様々な方策を検討しており、今後も継続して検討を重ねています。
団交でのやりとり
組合 まず、1番について「より一層のマネージメントアテンションを払うよう指導しています」とあるが、どういうガイドをして、どういう指示をしたのか?
会社 全社向けeラーニングコンテンツをライン向けにして、ラインあるいはPMに対して説明会を実施した。また、裁量勤務の適用条件についてもチェックリストを見て確認するようガイドした。
組 裁量勤務がはずされた人は出ているのか。
会 出ている。
組 何名ぐらいか。
会 そこまでは把握していない。
組 人事としても把握してほしい。
会 考える。
組 裁量勤務のチェックリストはどういうものか。
会 厚労省が出している適用条件と基本的には同じものだ。
組 先ほどの適正な勤務についてのeラーニングは、eアテンダンスについての学習が主だが、プロジェクトの場合はeアテンダンスのみならず、ILCも切実だ。プロジェクトが火を噴いたような場合、当初の予定以上に働くことを依頼する場合はどのようなガイドになっているのか。
会 基本的にはフル・レイバー・クレームが原則で、eアテンダンスと一致しないような場合はオーディットで問題になる。
組 ガイドが厳しくなればなるほど、末端では「eアテンダンスとILCが合うようにすればよい。あとはダマテン(サービス残業)で働け」という圧力が相当かかる。会 GBS、GTSではシニアのリーダーが相当入っている。稼働率のところではただ合わせるのではなく、実態とかけ離れて働かなくてはいけないようなら、プロジェクト予算取りを別途するとか、遅延もお客様に了解を得るなどの会話になっている。
組 プロジェクトによっては「ILCをつけすぎだからつけないでくれ」というガイドが出ているところもあるようだが。
会 それは問題だ。そういうことがあったらぜひ教えてほしい。ILCを適切につけないのは問題だ。
組 オーバーラン・プロジェクトについては適宜適切な対応を行っていくとのことだが。
会 オーバーランとか、納期通りに行かない、お客様の要求がきつすぎるといった場合には手だてをするというふうにトップレベルとやっている。
組合HPに投稿を
現場で会社発言と違う実態があれば、組合ホームページへ投稿ください。