ジェームズ・カヴァノーIBM最高財務責任者は、今年の第1四半期に人員再調整費用を6億ドル使ったと決算発表で述べています。これはリストラ費用のことで、大規模な人員削減が行われたことを意味します。
第2四半期になってもリストラが止まりません。特に重要戦略部門であるワトソン・ヘルス部門で行われています。
「今朝、解雇された」
「RAされた」
日本では取り上げられていませんが、海外では多くの情報がニュースやソーシャル・メディアで取り上げられており、ワトソン・ヘルス部門のレイオフについて発信しています。IBMは公式発表をしていませんが、メディアの問い合わせに対し、レイオフの事実を認めています。
ネットには、「今朝、解雇された」「RAされた」など社員の悲痛な声があふれています。大規模なリストラが世界規模で行われています。
事業展開の失敗か?
IBMは「ワトソン」を医療分野へ積極的に展開してきました。2015年にワトソン・ヘルス事業を立ち上げ、表にあるようにExplorys、Phytel、Merge、Truvenの医療データ会社を買収しました。わかっているだけで2年でトータル4500億円にものぼる投資です(左上表参照)。
今回のリストラにより、ワトソン・ヘルス・クラウド部門がIBMクラウド部門に統合され、メンテナンス以外の開発はグローバルで大きく削減されるとの観測が出ています。
日本のワトソン・ヘルス開発部門もクローズ
日本の開発拠点であるワトソン・ヘルス・クラウド部門も、90日以内にクローズすると発表されました。この部門は、およそ50人が在籍し、新入社員も毎年数名が配属されている戦略部門です。
ワトソン・ヘルス・クラウド部門に所属している皆さん、会社から「自分で次の仕事を探せ」と言われたり、退職勧奨されたら、少しでも早く組合に相談してください。