不安のトップは「企業の将来」
春闘アンケートのコメントに不透明な評価や過重労働への不安、会社の将来の不安ついて多くの意見が寄せられたことを前号で紹介しました。
今号では、アンケートの項目ごとの集計結果を報告します。
今年も、20代、30代の若手から多くの回答が寄せられ、全体の3割となりました。また職種では、SE系、営業系、コンサルなど多くの方からアンケートに回答をいただきました。
厳しい生活実感「苦しい」50代56%
まず、生活実感について聞きました。50代で56%の人が「かなり苦しい」「やや苦しい」と回答しています。
年齢が上がるにつれ、30代=36.7%、40代=47.5%、50代=55.7%と上昇していきます。これは、近年同じ傾向です。住宅や子供の教育費にお金がかかる年代の生活が苦しくなっている実態がわかります。
賃上要求額が過去最高
すべての年代で昨年の賃上げ要求額を大きく上回りました。特に20代と30代では、5万円以上の要求になっています。20代から50代の平均で4万3千641円になります。
その理由として、まず賃上げが抑制されていることがあります。加えて、物価上昇による支出の増加。さらに今年は、消費税10%への再増税が予定されていることもあるでしょう。また厚生年金保険料率をみても、2004年に13.934%だった負担(会社と本人が半分ずつ)が、昨年は18.300%まで上昇するなど、私たちの支出は毎年増え続けています。生計費原則に基づいた大幅賃上げが必要です。この声を会社は受け止めるべきです。
職場の不安・不満トップが「企業の将来」
職場の不安・不満に感じることは何かを聞きました。4割の方が「企業の将来」と回答があり、初めてこれがトップになりました。2017年=28%、2018年=33.8%、そして今年=40.6%に上昇し、会社の将来への不安が浮き彫りになりました。
続いて「雇用・リストラ」37.3 %、「賃金」27.6 %とトップ3は変わりません。次に「査定・評価」25.8%が続き、評価に対する不安は引き続き高止まりしています。
労働環境については「労働時間」17.5%、「過労・健康」16.1%、「ただ働き」5.1%と実態が数字に表れています。
「パワハラ」については、「雇用・リストラ」、「賃金」、「査定・評価」を合わせると、なんと95.8%となり、ほぼ全員がいずれかの不安を感じています。
みなさんから寄せられたアンケートをもとに、2月20日に春闘要求を会社に提出します。