パワハラ低評価・パワハラPIP・パワハラ賃下げ
日本IBM本体やISCーJなどの子会社でパワハラが蔓延しています。「個人成績評価」「改善指示」「賃下げ」を巧みに使って人員削減や人件費の圧縮に利用されています。
前号でご紹介したパワハラの定義を振り返りながら以下に解説します。
パワハラ低評価
チェックポイント評価制度になって一層、何をもって評価されているかがわかりにくくなりました。まさに会社のパワハラ管理体質のベースになっています。そもそも評価というのは「業務命令と勤務評価」が対応している必要があります。つまり、目標・結果・評価が本人の納得する形で明示・説明されてこそまともな評価だと言えます。
例えば、合意していない目標や、勝手に目標をすり変えて低評価にされたらパワハラです。
また、合意した目標を全て達成しても「バンド要件に達していない」だとか「君にはもっと期待している」などと言って低評価にされるのもパワハラです。そもそも目標を合意していたのに後から「バンド要件」を持ち出すのはおかしな話です。「君に期待」も同様です。Expects Moreというのは結果に対してのものであって、将来に対するものではありません。
稼働率が不足していることのみをもって低評価とするのもパワハラです。本来、業務のアサイン責任は会社にあるからです。
客観的に見て誰からも納得のいく形で評価されているのでない限り、所属長という優越的な地位を背景にした労務管理型パワハラです。
パワハラPIP
これは「業績改善プログラム」という名のリストラ・プログラムであることはもはや有名です。
そもそも開始前に目標に達しなかった場合の処置として「職務の変更」や「所属変更」「降格とそれに伴う減給」「減額給与調整」を最初に示す時点でこのプログラムが組織的パワハラだと宣言しているようなものです。このような形で進められる「改善」は所属長と本人の人間的な信頼関係を損ねるばかりか、信頼関係の無い下での「指導」は本人の成長には一切役立ちません。
会社の制度という形を取り、所属長という優越的な地位を背景にして強引に押し進めるこのプログラムは業務型と労務管理型を組み合わせたパワハラです。
パワハラ賃下げ
「業績が期待に達しなかった」という理由で賃下げされる、道理も何も無い賃下げです。賃下げされるまでに「パワハラ低評価」↓「パワハラPIP」↓「パワハラ賃下げ」という順で狙った人を囲い込みます。これまでの2度の裁判で、このパワハラ賃下げが違法であることは会社も認めています。
賃下げの恐怖から社員は毎年「賃下げされなくて良かった」という心理になり、賃上げに関心が向かなくなりました。これにより会社は12年間で200万円も社員の年収水準を引き下げ、利益をかさ上げしたのです。
パワハラに対抗するには公の場に引きずり出すのが有効です。団体交渉や、場合によっては裁判がその手段となります。
裁判を通じ掴んだ幸せ
裁判の結果、差額賃金を取り返し、さらに給料も元の額に戻った人は幸せな会社生活を送っています。給料が元に戻るということは現在のみならず、厚生年金の積み立て額にも影響しますので、老後の安心にもつながっています。さらに50才代で昇給した人もいますし、すでに定年を迎えてシニア契約社員として再雇用されている人もいます。