しかし今年もパワハラ賃下げを実施
組合の重点要求の回答状況をご紹介します。
勤務間のインターバル時間をガイドするという前進回答があった一方で、シニア契約社員の処遇改善や、CEの緊急呼び出し当番手当についてはゼロ回答。それどころか、今年もパワハラ賃下げを行うとしました。
10時間の勤務間インターバルをガイド
健康に配慮した働き方の要求が実現しました。既にラインマネジャー向けガイドに勤務間インターバルを10時間もうけるように指示が出ています。
例えば深夜2時まで業務を行った場合、次の勤務開始時間は昼の12時以降が社内ルールになります。
Wоrkdayはいつになったら直るのか
Wоrkday@IBMの品質改善や、正確な給与計算、そしてHR@IBMの対応改善をするように要求した件では、会社は次のように文書回答しました。
会社回答全文(一部カタカナ表記に直しています)「IBMでは、グローバリー・インテグレーテッド・エンタープライズとしてグローバルレベルで効率的な効果的なオペレーションを構築し運用しています。オペレーション上、何らかの不具合が生じた場合は、会社は関連部門と連携し、必要に応じて適切に対応してまいります」
会社は「給与人事データの移行中にミスが出ているが、タスクチームにおいて優先順位をつけ対応している。現在は収束してきている」と説明しましたが、問題収束へのロードマップは示されていません。これでもITの会社でしょうか。
世の中では通用しないパワハラ賃下げ
会社は今年もパワハラ賃下げを実施すると答えました。以下に団交でのやりとりをご紹介します。
組合 今年の賃金減額は行うのか?
会社 給与調整の下がる方も行う。
組 もし賃下げをすれば新たな争議が起こる。会社は(裁判で)認諾している。請求を認める和解もしている。もうやめてはどうか。
会 ペイ・ディファレンシエイトが会社の方針だ。
組 世の中でそれは通用しない。
賞与基準額の引き上げは考えていない
賞与基準額の平均が2005年当時の6割程度になっているため、1・6倍の補正を要求していました。この問題について、会社は、「こういった事実はとらえていない」とし、「1・6倍の修正は考えてない」、その理由として「パフォーマンスと関係のないところでの調整は考えていない」としました。
他社に比べて現在の賞与水準が見劣りするのは事実です。会社は賞与水準を引き上げるべきです。
また、ボーナスの重要な指標である「USーGAAPに基づく日本IBMの財務諸表は開示しない」「個人業績率の根拠を示さない」「バンドごとの平均支給額を示さない」などデータ開示を正当な理由なく拒否しました。これでは、賃金に関する労働協議を拒否することになるため、労働委員会への申し立てにつながります。
今年もGDPを支給
会社は「IBMコーポレーション全体の収益と純利益が前年度対比で成長しなかったが、重点分野での成長が見えている」として、今年もGDPを支給すると回答。組合の要求は、導入時の約束である6%の支給です。
シニア契約社員にボーナス支給なし
会社は、「シニア契約社員にボーナスを支給する考えはない」続けて、「不合理なことにならないように、法律を遵守することが基本」その上で「支給する方向では検討していない」としました。
支給日まで3ヵ月と迫り、このままでは、厚労省の同一労働・同一賃金のガイドラインを破ると言っているのと同じです。司法の場で均等待遇は、時代の流れになっているのにもかかわらずです。
CE緊急呼び出し当番手当は支給しない
緊急呼び出し当番手当の1回あたり1万円支給について、会社は要求に応じないと回答。当番のせいで家族旅行もできないCEの働き方についてもっと真剣に考え、会社として手当を支払う判断をするべきです。CEのみなさん、要求実現のために団結しましょう。