夏ボーナス

 JMITU主要各社は好調

 協議に必要なデータ隠す日本IBM

 

 日本IBMではすでに夏季賞与が支給されましたが、日本の多くの企業では今がまさに交渉の山場です。経団連が6月11日に発表した大手企業の平均回答額は97万1千円。昨年より下がったとはいえ高水準です。JMITU主要各社も下表の回答速報の通り、現在の平均は93万5千円と好調な出だしです。
 一方で日本IBMは労使協議に必要なデータを隠し、説明を避け、不誠実な協議態度に終始しています。

GDP平均0.4%

 今年からGDPがボーナスとは別に支払われるようになったため、影が薄くなっているGDPですが、リファレンスサラリーに対するバンド7以下の平均支給率は、組合推定でたったの0.4%でした。推定平均年間支給額は2万8千円程度しかありません。
 そもそも2007年にGDPが発表されたときはそれまでの「年収基準額」を5.5%減じてそれをGDPの原資とし、もとの年収基準額の94.5%をリファレンスサラリーとして定義しなおしたのです。6%程度の平均支給があって当然のものなのです。
 今年の0.4%は昨年の0.5%よりもさらに低くなっており、これでは社員の賃金を下げるために導入された仕組みだと言われても仕方ない制度になっています。
 今年から支給日がボーナスと分かれたため、うかうかしていると自然消滅しかねません。万が一にもこのようなことがあれば、労働条件の一方的不利益変更となり、労働契約法違反となります。

都労委での和解を無視し賞与交渉データを出さない会社

 今年の会社業績達成度「70」について、組合は正式な協議要求書を会社に出し、4月19日の団体交渉にて書面での回答を求めていました。W3での会社発表では「50%が日本IBM、残り50%がIBMコーポレーションの会社業績に基づいて算定されます」との説明があるのみで、一切その内容についての説明が無かったからです。しかし会社は4月中に開かれた団交はおろか、5月に開かれた団交でも書面を出して説明しませんでした。
 そもそも、昨年9月25日のバンド8組合員についての東京都労委での和解では労使関係に関する付帯条項として「会社は、労働条件・賃金交渉に当たっては、自らの主張の根拠となる資料を開示して説明するなどして、組合の質問に誠実に回答する」との条項が入っています。
 会社の態度はこの都労委で締結された和解条項を破るものです。組合は改めて6月に予定されている次回の団体交渉において必要な資料を開示し、誠実に説明するとともに、賃金交渉に応じることを要求しました。

個人業績率0%は不当

 今年の個人業績率平均が68%(既報)も低すぎます。低すぎる原因は0%の人がいるからです。これもおかしな話です。0%というのは、昨年度の働きがまったく無かったという意味でしょうか。
 PBC評価の時代に一律に決めるのならまだしも、チェックポイント制度になってからはフレキシビリティが増しており、自由な個人業績率の設定ができるようになっているはずです。
 組合は不当な0%になっている組合員について、所属長にまで立ち返って調査し、再評価することを要求しました。

組合員は交渉継続

 賞与は支給されましたが、組合員の場合はまだ交渉の継続が可能です。支給日以降に、会社提示案とは別の内容で会社と組合との間で合意形成がなされた場合は、会社が差額を支給することになっています。

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