またパワハラ賃下げ発表

-裁判係争中に暴挙-

 

 パワハラ賃下げ裁判を係争中にもかかわらず、会社は2019年8月14日にまたもパワハラ賃下げを発表しました(発表骨子は右下表参照)。該当者にはすでに8月19日 の週から個別に通知されているはずです。

この賃下げは違法

 会社が根拠としている2010年3月付で改定された格付規定第6条3項には「業績が職務内容に対して著しく低いと判断された場合は、本給、賞与基準額、本俸および定期俸基準額を減額することがある」とあります。
 これでは客観的基準に関する定めが一切無いため、会社が一方的に不利益変更を強いることができます。さらに減額幅の規程も無いため、会社はフリーハンドで減額幅も決められます。実際、今年の3%、7%、10%の減額幅には何の根拠も示されていません。
 つまり、2010年3月に行われた格付規程の変更は合理的な変更ではなく、労働契約法10条違反です。
 また、この規定は賃下げ期間も定められておらず、定年まで賃下げ状態が続きます。しかも、毎年でもさらなる賃下げが可能な仕組みで、会社の権利濫用となります。

係争中の裁判でも同じ部分が問題点

 上記説明内容は現在係争中の裁判でも過去2回の裁判と同じく違法性が指摘されている点です。
 裁判で違法性が問われれば、社会的な配慮として普通は一旦様子を見て止めるものです。しかし平然とまたも賃下げを発表する会社の姿勢はまさに暴挙としか言いようがありません。

成長志向推進の嘘

 会社は個人成績評価の悪い人に対し賃下げをする理由として「成長志向のカルチャーを推進するため」などとしていますが、成績評価が高い社員に対する昇給水準はまったく明確にされていません。これらの言葉がまやかしにすぎないことは明らかです。

AIツール使用は問題

 今回から「給与調整の判断をサポートする」としてコグニティブ・エンジンのワトソンを使ったツールが導入されていますが、これも問題です。判断がブラックボックスとなり、労使対等決定原則、すなわち労働基準法2条の「労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである」という法律に違反することになるからです。

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