全社員のボーナス減

会社業績達成度51 GDPゼロ

 2019年度の会社業績達成度の発表が春闘回答日の翌日にありました。

会社業績達成度「51」

 2019年度の日本IBMの会社業績達成度が「51」と発表されました。前年度の会社業績達成度「70」と比べてなんと19ポイントも下がったことになります。これが今年のボーナス計算に適用されることになります。
 それだけに留まりません。すでに発表されている通り、今年はGDPが支払われず、しかも日本はスペシャル・エクイティ・プログラムでさえ対象外になっています。
 これらのインパクトは甚大です。会社業績達成度は個人業績率とともにボーナス計算に掛け算でかかり、しかも今年はGDPも無いため、昨年比で全員のボーナス支給額が大幅に下がることになります。

会社業績達成度の根拠

 会社はこれまで会社業績達成度について50%を日本IBMの会社業績、50%をIBMコーポレーションの会社業績に基づいて算定するとし、日本IBMの業績については次のような量的指標と質的指標から決定するとしていました。
 量的指標とは、税引前利益、売上高伸び率、キャッシュフロー。質的指標とは、お客様満足度、マーケットシェア伸び率、ワークフォース・デベロップメント。なお、会社は量的指標の算定にあたってはUSーGAAPに基づく数値を基準にしていると回答しています。
 日本IBMの業績はまだ発表されていませんが、通年では3年連続の増収を達成したようです。しかし、肝心のUSーGAAPを公表していないため、会社業績達成度の根拠がわからず、何故51なのかが分かりません。

USーGAAPの公表を頑なに拒否する会社

 賃金交渉に必要なUSーGAAPに基づく決算資料を開示し、賞与額算定の基礎となる会社業績達成度の決定方法及び実際の決定過程等について具体的に説明することを要求していましたが、会社はUSーGAAPの公表を頑なに拒否しました。
 これは、2018年に東京都労働委員会で交わした誠実な交渉に関する協定に違反しています。

60歳以降の生活守れ

 60歳以降の生活を守る要求に対する会社回答をご紹介します。

シニア契約社員の処遇改善について

 パート有期雇用労働法が今年4月1日から施行されるのに伴い、シニア契約社員の労働条件と正社員の労働条件に不合理な待遇差が無いようにすることを要求しました。具体的には以下のような要求です。
①50才代の平均年収約850万円に対し、現行のシニア契約社員制度は年収約200万円。約75%減の給与はあまりに急激な減少のため、シニア契約社員に仕事相当の適正な賃金を支払うこと。
②シニア契約社員に60才未満の従業員と同等程度の支給率にて賞与を支払うこと。
③60才未満の従業員の最大有給休暇付与日数は29日だが、シニア契約社員になると、最大で20日になる。最大付与日数を29日に合わせること。
 以上の要求は不合理な待遇差を解消する要求ですが、いずれも会社は「要求にお応えする考えはありません」と回答しました。

定年延長について

 改正高年齢者雇用安定法の趣旨に基づき、65歳定年制を目指すとともに、現在の年金支給開始年齢までただちに定年を延長することを求めていましたが、会社は「定年の引き上げを行う考えはありません」と回答しました。
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 春闘回答についてはまだまだあります。団体交渉内容をはじめ、パワハラPIPやTSS部門の体質改善についての回答など、他の回答状況を次号以降で順次紹介します。

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