GBSで脳出血死亡者 PIPが原因か

 GBS事業部所属のAさんが先月3月3日に脳出血で倒れ、翌4日に亡くなりました。組合の調査によると、Aさんは2019年末にPIP(業績改善プログラム)を提示されていました。大きな精神的圧力の下、無理な働き方を続けていたことがうかがわれます。年を超えた2020年3月に悲劇となりました。そればかりか、Aさんはここに至るまでに会社から数々の不利益扱いを受けていたことも分かってきました。以下に詳しくご紹介します。

50代前半の若さで

 Aさんは50歳代前半の若さでした。上図はバイオウェザーサービスのサイトにある年齢別脳出血患者数のグラフですが、ピークは60~69歳。50代前半の脳出血は早すぎると言えます。何がこうさせたのか。以下に年を追って振り返ってみます。

2012年に始まった

 Aさんはあるソリューションの専門家として高く評価され、キーパーソンとして活躍していました。ところが、稼働率を理由に2012年に始まったパワハラ賃下げの標的にされました。PIPに合格したにもかかわらず5%の賃下げ。所属長が賃下げの必要性が無いと会社に具申しましたが、強引に賃下げされました。

2014年にまた

 2013年のPBC評価の結果によってまたもAさんは賃下げされました。PIPは合格だったにもかかわらず、PBC評価をもって一律に10%賃下げの対象となりました。

2018年に降格

 2017年はAさんが専門とするソリューション関係のプロジェクトが減少。そのため稼働率が下がったところ、PIPの標的になりました。チェックポイント制度での曖昧な基準のもと、9月に降格、同時に10%の賃下げをされました。AさんはこのPIPはでっち上げだと感じていました。

2019年のPIPへ

 2018年も当該ソリューション関係のプロジェクトが少ないままで推移。稼働率が上がらないことがAさんの悩みでした。第4四半期になって、所属長から、3ヶ月間は現給与を維持するが4ヶ月目から降格及び賃下げ10%をほのめかされ、さらに退職まで勧められていました。
 Aさんは稼働率を上げるため必死でした。2019年はあらゆる手段で稼働率を稼ごうとしていました。ところが、第4四半期になってまたPIPが提示され、その目標が「稼働率を上げること」でした。それがAさんの無理につながり、脳出血に至りました。

稼働率至上主義の弊害

 Aさんは当該ソリューションの専門家として業界でも高く評価されていました。ところが当該ソリューションの国内プロジェクト数には波があり、稼働率が高いときもあれば低いときもあります。
 稼働率のみをもって評価し、PIPで追い詰めればこのような悲劇が起こってしまいます。人材を失ってしまうことは、日本国内の当該ソリューション業界として見ても大きな損失になります。
 会社は稼働率至上主義を見直し、PIPで社員を追い詰めるのを直ちに止めるべきです。

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