IJDS発足説明会で残る疑問
7月1日に発足した日本アイ・ビー・エムデジタルサービス(IJDS)は、資本金1億円、組合推定で4100人の従業員を擁し、箱崎本社をはじめ全国で16事業所、すなわち北海道5・大阪2・沖縄2・幕張・横浜北・仙台・名古屋・京都・福岡がある巨大子会社です。
合併前のISCーJは、主に製造系システムの管轄、ISOLは、金融系システムの管轄、IBITは、金融系データセンターの運用・保守を強みにしてきました。
今後、会社が言う「コンソリデーション」により人員削減があるのか、要注意です。
IJDS発足説明会
新会社発足と同日に説明会が開催されました。オープニングスピーチでは、旧会社のなりわいや強み、デジタル変革(DX)についての説明があり、次にIJDS井上裕美社長のスピーチ、続けてゲストとして日本IBM山口明夫社長のスピーチが行われました。
抽象的な会社説明に終始
井上社長から、3社統合の背景説明があり、昨今、デジタルテクノロジーの進化や動き(業界変革、企業変革、IT変革)は早い。3社一丸となり、強みを活かしたシナジー効果を推し進めるとの話の後、目指す姿・ミッションとして、最高のナレッジを持ったクライアントのパートナーとして顧客の持続的なデジタル変革の実践・実現・支援を行うためとしました。
また、事業内容ごとに、「金融事業部」「社会・産業事業部」「イノベーション開発センター事業部」「基盤・サービス事業部」「デジタル事業部」「ISV事業部」の6つの事業部に分割されるとの説明がありました。
従業員の不安な声
説明会での内容は、IJDSのホームページに公開されている一般的な内容と同じです。そのため、説明会に参加した社員からは、「実質的な変化点が見えない」「3社の強みを活かしたシナジー効果やデジタル変革などのフレーズばかりが飛び交い、新会社が行うことが不明」「もっと具体的に、過去こうだったが、これからはこうなる、等の前向きなビフォー・アフターについての説明がほしかった」などの声が寄せられています。
人員枠があるのか
日本IBMでは、従来から、新しい縦割り組織を作り、その度にリストラが繰り返し行われてきました。事業部をまたぐ異動は難しいため、例えば、その事業部の仕事が少なくなれば「あなたにやってもらう仕事はありません」などと退職強要が行われきたのです。6事業部制が発表されましたが、これらをベースにして策定した計画に、4100人の社員を吸収できるだけの人員枠が果たしてあるのか、今後注目する必要があります。