9月1日付で会社分割が実施され、キンドリルジャパン、KJTS、KSOKができました。これらの会社の従業員の皆さんは引き続きJMITU日本アイビーエム支部に加入することができます。ご安心ください。
さて、賃上げについては、会社分割で日本IBMの就業規則がそのまま承継されます。従って給与規程第16条に毎年「原則として9月1日とする」と定められている部分は、日本IBM、キンドリルジャパン双方に有効です。
ところが、前日の8月31日の土壇場になって「実施を見送る」と発表がありました。理由については「IBMグループのビジネス環境を考慮」とあるのみです。あまりに乱暴な発表ではないでしょうか。
一方で、組合は今年分の賃上げについて、この発表に先立つ8月23日の団体交渉で協議していました。以下にその内容をご紹介します。
賃上げについての協議
組合 9月1日の賃上げだが、どうするつもりなのか。
会社 グローバルと連携して考えている。今年は去年からのアービンドCEOからのレターもあったが、5月にやった。
組 就業規則では9月1日に賃上げすると書いてある。会社分割も賃上げも会社が決めたことだ。どちらも会社がコントロールできることだ。
会 その給与調整のタイミング検討が続いているということだ。
組 何がネックになっているのか。
会 今年はすでに5月にやっているのと、キンドリルという大きな動きがある。就業規則もあるからマネジメントから通知していく。
組 今日はもう23日だ。就業規則に書いてあることだから、事前に発表すべきところだ。
会 そうしたいと思っている。遅くとも9月に入ってすぐとか、会社として社員へステートメントする方法で考えている。
組 時期をずらすことを考えているのか。
会 それも含めて考えている。また同じサイクルにするのか、キンドリルはどうするのか。複雑だ。
組 グローバルの意向も複雑という意味か。
会 そうだ。日本だけでは決められない。
組 5月にやって9月だから4ヶ月程度しか空いていないということだが、社員から見ればその前に一昨年9月の賃上げが無かったわけだから、19ヶ月も賃上げ無しでやりくりせざるを得なかった。この間に消費税も増税された。それでやっと今年5月の賃上げだった。我慢を強いられたのだから、この9月にやるか分からないというのは、社員は納得しないと思う。
会 グローバルでは35万人のうち9万人が分社化するので。CEOはコロナの状況で他社とベンチマークしている。
組 コロナ禍であっても他社ではしっかり賃上げしている。なぜIBMは賃上げしないのか。意気込みはないのか。
会 どう社員にコンペンセートしていくかはある。
組 アービンドCEOから何らかの発表はあるのか。
会 昨年同様、それも含めて今やっている。
組 9月に賃上げできないなら、日本独自にでも山口社長が従業員へメッセージすべきだ。
会 社員に対し経営陣が向き合う姿勢ということだな。
組 例えば就業規則通りにキンドリルで賃上げ発表があれば、社員のモチベーションは上がるだろう。
会 IBMとキンドリル含めて検討する。
組 どっちかが上がってどっちかが上がらないということはないだろうな。
会 片方だけだと、もう片方が不満だという思いもある。継続してグローバルの考え方を探る。