在宅勤務手当未だ支給せず

 元々、報酬に含まれていた? それは無茶すぎる!

 会社は、組合のこれまでの度重なる要求に応じず、在宅勤務手当を未だに支給していません。
 組合は、在宅勤務手当について9月29日の団体交渉で協議し、会社が命じている在宅勤務の必要経費である在宅勤務手当は、ペイ・フォー・パフォーマンスの範囲外だと主張しました。これに対し会社は、報酬は社員のパフォーマンスに対して支払っているので一律の手当は支払わない、報酬は光熱費も含めた報酬だ、と主張し、平行線でした。
 従業員の皆さん、こういう会社では組合にぜひご加入ください。以下に協議内容をご紹介します。

在宅勤務手当についての協議

組合 在宅勤務手当についてコロナ禍の間ずっと要求している。「ご要求に応じる考えはない」とのことだが、もう少し詳細を説明してほしい。コロナ禍の影響は大きい。組合サイトへも要望が多い。一番何がネックになっているのか?
会社 会社はこのような状況下でみんな同じ環境下におりサポートが必要なことはわかっている。しかし一律光熱費いくらといった考えには至っていない。コロナの前から38万人中、約4割がオフィスに通勤していない。そういう人に出していない。欧米的には。グローバルな会社なので、一律支給するという考えはない。欧米では在宅で手当は出していない。日本だけ支給するのも難しい話だ。報酬は社員のパフォーマンスに対して支払いをしている。これが根底だ。
 IBMの払い方にそういう考え方があると。
 貢献度が高い人には昇給したり昇進していただき、賄っていただく発想はある。個人に委ねている。昔は寒冷地手当とか、そういった手当を支給していた。それらをなくしてきたような会社だ。「ペイ・フォー・パフォーマンス、ペイ・フォー・ジョブ、ペイ・ディファレンシェイション、以上」みたいな感じだ。光熱費を一律払うという発想にはなっていない。
 光熱費は社員の能力に関わらず発生している。業務に必要な経費を会社が負担するという考えはアメリカにはないのか?
 私もアメリカで働いたことはない。光熱費も含めた報酬だ。
 でも検証を細かくやる事務的コストを考えれば、例えば月いくら一日いくらというような、会社として妥当な金額を算定して支払う方法もある。
 そこまで考えが積みあがっていかないのだ。コロナは不可抗力の環境かもしれないが。
 それは社員側だって不可抗力だ。
 誰が在宅を強いているかだ。
 そういう場合に歩み寄りの余地が全くないところに違和感を覚える。
 そこは会社のキャラクターと思っていただくしかない。特性。とはいえ、経営陣、グローバルにも掛け合っている。検討中だ。
 グローバルに掛け合った時の反応とは、どういったものか。
 昨年頃はいつまで続くのかという反応だった。長くなってきたので、これは負担すべきかどうか考えは変わる可能性もあるが、基本的なポリシーは変わらない。
 日本という意味では厚労省からも一定の毎月の手当を支払うことが望ましいと言っている。世の中そういう流れだ。全社員一律支給すべきだ。在宅勤務のデメリットの部分、つまり会社に来ていれば無かったはずの支出を補填してもらわないと、毎月賃金を減額されているのといっしょなんですよ。
 ネットするとね。そうお感じになる方もいるだろう。
 今回は、多くの会社が制度を新設している。社員のモチベーションをあげている。
 それは各社のご判断だ。IBMはビフォー・コロナからパフォーマンス中心の考えだ。報酬の中で報いていこうと。例えば業績の良い人にだけ光熱費を払うなんてことはやっていなかった。
 そういう意味ではない。ペイ・フォー・パフォーマンスの範囲外だと言っている。会社にはペイ・フォー・パフォーマンスと同時にペイ・コンペティティブネスという考えもある。そうすると他社と比較してIBMでは在宅勤務手当が出ないからその部分では落ちるね、という判断がされかねないなと。
 もしキャリア採用の人に「なにこの会社、在宅手当ないの?じゃあ辞めた」という人がたくさん出てきたら、会社は危機感を感じると思いますよ。中途入社の方たちが何に魅力を感じて入社するか。ペイ、働き甲斐、キャリア、色々あると思うが、その中に光熱費があるとは考えていない。それがペイ・コンペティティブネス。ここで長く時間を使うべきではない。継続的に検討する。
 そこが本質なのか。在宅手当がなくて会社を辞める人が多ければ会社も考えるとは、組合が多数派の組合でそう考える人が多数だったら支給を検討するということか?
 すべての要素って、そうなんですよ、処遇は。

 

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