実質賃下げをやめよ
かいな2391号でお知らせした秋闘1次要求に続き、10月20日に秋闘2次要求を日本IBMとキンドリルジャパン双方に提出しました。
秋闘2次要求は1次要求から継続する重点要求に加え、人事制度の改善やパワハラを無くす要求など、職場のあらゆる労働条件の改善を求める全15章32ページからなる要求文書です。回答指定日は11月4日です。以下に関心の高い要求のいくつかをご紹介します。
実質賃下げをやめよ
まずは、コロナ禍でがんばっている従業員に報いる要求です。10月の感染状況は改善しましたが、世界の状況を見ていると第6波が懸念されます。
コロナ禍での在宅勤務手当は従業員の当然の要求であり、在宅勤務手当が支払われていない現状では、自宅での業務にかかる水道光熱費分がそのまま実質的な賃下げとなっています。
厚生労働省はこの点について「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」を発表しており、その「4ー(2) テレワークに要する費用負担の取扱い」において、「テレワークを行うことによって労働者に過度の負担が生じることは望ましくない」とガイドし、さらに、労使で十分に話し合うようにガイドしています。
ところが、現在の日本IBMとキンドリルジャパンの現状はどうでしょうか。会社が一方的に負担を社員に押し付けているだけで、十分な話し合いもできていないのではないでしょうか。そこで組合は厚生労働省のガイドラインに対する会社の見解を回答することを要求しました。
在宅勤務手当の実現に向けては、この要求に加え、全従業員の強い思いが必要です。4面のハンマー記事にあるような力強い交渉のため、今この記事を読んでいるあなたも参加しましょう。
業務実態を把握せよ
感染爆発の最中にも出勤もしくは外出せざるを得ない従業員が依然として存在し、リスクにさらされていることを組合は1次要求で指摘し、それに対する補償をすることを要求しました。
ところが、会社は社員が危険にさらされることはないと断言し「適宜適切に衛生管理など社員の働く環境を継続的に整備」しており要求に応じる考えは無いと回答しました。
実際のみなさんのプロジェクト・ルーム環境はどうでしょうか。また、契約処理のため本社に出てこなくてはならないことはないでしょうか。
組合は一例としてTSS部門の修理業務でのお客様個人宅訪問の現状を指摘し、感染爆発の最中に、あろうことか、ホテルに隔離中の人の機械修理を防護服も無くさせられていた事実があったことを指摘しました。
組合は改めて感染の危険がある業務を点検し実態を把握することを要求するとともに、従業員が出勤もしくは外出によって新型コロナウィルスに感染した場合は、当該従業員が感染前の健康状態に戻るまでに、本人とその家族が自己負担した隔離、自宅待機、入院、検査、治療などの一切の費用(公費負担分を除く)を会社が補償することを要求しました。
賃上げと賞与の要求
賃上げ見送りの発表に対し、組合は就業規則違反だとして賃上げ日の再設定を求めています。秋闘2次要求では、さらに具体的な要求として12月までの期日を設定することを要求しました。
また、年末ボーナスについては、このままでは夏ボーナスと同じ会社業績達成度37が適用されてしまい、IT企業として大変恥ずかしい支給水準となってしまいます。改めて会社業績達成度の具体的説明を要求しました。