4月1日付で入社された新入社員の皆さん、そして中途入社の皆さん、この世界的に厳しい経済情勢を乗り越えての入社おめでとうございます。
しかし、入社の喜びの一方で、会社分割された日本IBMとキンドリルジャパンはこの先大丈夫なのか、外資系の両社はブラック企業なのではないか、職場でひどい目に会わないか、と不安の人もいらっしゃることでしょう 。
でも安心してください。日本IBMグループとキンドリルジャパングループには、頼れる労働組合があります。それが当労働組合「JMITU日本IBM支部」です。まずは両社の労務政策の特徴と、それに対する当労働組合の対応を紹介します。
両社の労務政策の特徴
両社の労務政策の特徴は「ラインによる人事管理」です。これは、昇給額や人事異動など、普通は人事部門が決めることをすべて皆さんの上司であるラインマネジャーが決定する人事管理です。
つまり会社から強大な権限を与えられたラインが配下の個々の従業員を「会社対個人」の関係で支配することがこの会社の労務政策の根幹をなしています。
パワハラ4点セット
この、あなたの評価・待遇をすべて握っているとも言えるラインとりわけ所属長の圧倒的な権限が、ラインのパワハラ体質を生み、職場はパワハラの温床になります。事実、会社分割前の日本IBMでは「パワハラ4点セット」が猛威をふるったことがあります。
①リストラのターゲットになった従業員に対して人事考課権限を濫用し、恣意的な低評価をつける「パワハラ低評価」▼②低評価をつけた従業員の賃金を下げる口実をつくるために行う「改善指導」(Performance Improvement Program)という名の「パワハラPIP」▼③会社から追い出す目的で賃金を下げる「パワハラ賃下げ」▼④賃下げされても会社を辞めないでがんばっていると待っている「パワハラ降格」。
また、会社分割で発足したキンドリルジャパンは日本IBMの人事・給与制度を受け継いでいます。したがって、パワハラ4点セットは両社でいつまた走り出すかわからず、常に警戒を要します。
皆さんも働きだしてみれば、所属長との関係をどう良好に保つかに異常なほど腐心しながら働く従業員がいることが分かってくるでしょう。それこそが、パワハラ体質の証明と言えるものです。
日本の労働法の考え方
外資系企業も、日本という国で事業をしている以上、日本の法律は守らなければなりません。特に大事なのが、会社と従業員との関係を規定している「労働法」です。
日本では労働三権(労働者の団結権、団体交渉権、団体行動権)を保証する日本国憲法第28条の下に、労働組合法、労働基準法、労働安全衛生法、労働契約法があります。このように最上位の憲法で労働者の団結権が認められていることから、日本の労働法は「会社対労働組合」、すなわち集団的労使関係という考え方が基本になっています。
ところが、両社の「ラインによる人事管理」という労務政策は会社対個人に押し込めるものですから、日本の労働法に真っ向から挑んでいるということが言えます。
当労働組合のメリット
パワハラ体質の職場で我慢して働かなくても良くなる方法が、当労働組合に入ることです。
当労働組合は「オープンショップ」、つまり、「入りたい」と思う人が入る制度を取っています。この点が全員自動加入の一般の大企業の労働組合とは異なり、団結力が格段に強いことが特徴です。
この団結力と労働三権の力で、ラインによる人事管理の壁を乗り越え、「会社対個人」の関係から「会社対労働組合」の関係に持ってゆくことができ、パワハラの恐怖から解放されるのです。
個の管理によって従業員一人一人が孤立する傾向がある中でも、当労働組合には皆でオープンに話し合うことができるコミュニティがあります。
また、当労働組合に入るとお得な保険である「全労連共済」に加入することができます。若い時から入ればさらにお得です。その上、当労働組合の組合員であれば「ろうきん」から有利な金利で住宅ローン等の借り入れをすることができます。
いかがでしょうか。この両社で当労働組合に入らない理由は無いのではないでしょうか。
今後のアドバイス
心身ともに健康を保つことを心がけてください。もし心折れそうだと感じたときは、左表の「なんでも相談窓口」に連絡してください。