バンド7以下(一般職)推定昨年上回る
日本IBM 平均92万6千円
キンドリルジャパン平均90万円
6月9日は夏ボーナスの支給日です。日本IBM、キンドリルジャパンから組合に一次回答が出ましたので、下表の全社推計をお知らせします。
昨年よりアップも不十分
日本IBM本体のバンド7以下(一般職)の全社推定平均支給額は92万6千円、昨年より5万7千円のアップ、月数では2.06ヶ月でした。5月1日付の賃上げを反映しています。
一方、キンドリルジャパン本体のバンド7以下(一般職)の全社推定平均支給額は90万円、昨年より5万円のアップ、月数では2.05ヶ月でした。7月1日付の賃上げは6月のボーナスには反映されません。
両社とも年額換算のボーナスは昨年より10万円程度のアップですが、この10万円程度という金額は多くの従業員にとって年収の1%台に過ぎず、現在も続く物価高騰を補うにはまだまだ不十分な水準です。
ボーナスの計算方法
両社では下図の通り、従業員の年収相当額をリファレンス・サラリー(以下、RS)と呼び、RSの計算式は「本給×12カ月+賞与基準額」となっています。
そして、このRSを元に、固定部分と変動部分から成る賞与支給額が計算されます。固定部分の計算式は「賞与基準額?RS×6%」、前年度の業績が反映される変動部分の計算式は「RS×6%×会社業績達成度×個人業績率」となっています。
したがって、実際の年収額がRSと同額になるには、会社業績達成度、個人業績率ともに100%でなければなりませんが、会社業績達成度が100%になることはまずないので、実際の年収額はRSより低いのが通常です。つまりRSは満額受け取ることのできない計算上の金額なのです。
ボーナス減のからくり
以上の計算式を見るとわかるように、会社業績達成度が下がれば、賞与支給額が下がる仕組みになっています。
例えば、RSを1000万円(RSの6%は60万円)、個人業績率を100%と仮定したケースでは、会社業績達成度「45」の2017年支払時には、賞与支給額の変動部分は27万円となり、RSの6%との差額33万円はもらえません。
さらに、個人業績率というもう一つの業績値があり、賞与支給額の変動部分の計算式では会社業績達成度と個人業績率を掛け合わせていますので、どちらかの業績値がゼロ%になると、賞与支給額の変動部分はゼロ円になります。
このように会社業績達成度と個人業績率が賞与支給額にいかに大きく影響しているかがおわかりいただけたと思います。
会社は会社業績達成度の判断基準を開示せよ
会社業績達成度は賞与支給額に大きく影響し、また下表のように毎年変動しますので、会社業績達成度の判断基準は検証を要します。
日本IBMでは2016年度には税引前利益が前年の2倍以上である1996億円もあったにもかかわらず、会社業績達成度「45」という発表に大きな疑念が生じました。
この時、団体交渉で組合が会社業績達成度の判断基準をただしたのに対し、会社は、会社業績達成度の基準はUS?GAAPに基づく決算資料であると説明しましたが、その資料を労使協議で未だに開示しません。一方で、会社は都労委では「必ずUS?GAAPが判断の要素になるということではない」と違う主張を始め資料開示を免れようとしています。
会社は会社業績達成度の判断基準を開示すべきです。