5次回答
誠実な集団的労使交渉を行い
賃上げ・ボーナス回答を上積みせよ
労働組合がある企業では、賃上げ額(および賃上げ率)、ボーナス支給額は通常、以下の賃金交渉の過程を経て決定されます。
①労働組合が春闘では全従業員の平均賃上げ要求額(および平均賃上げ要求率)を、夏季・年末一時金闘争では従業員平均のボーナス要求額を使用者(会社)に提示します。
②労働組合の要求額を元に、労働組合と会社との団体交渉が行われ、会社が労働組合に賃上げ・ボーナス回答を提示します。
③労働組合は会社の賃上げ・ボーナス回答に不服な場合、会社に上積み回答を要求してストライキを決行することがあります。会社はストライキを受けて上積み回答するかどうか決定し、その結果を労働組合に提示します。
④一連の団体交渉とストライキの結果、労働組合が賃上げ・ボーナス回答を了承した時は会社にその旨を通知し、賃金交渉が妥結します。
両社との集団的労使交渉は不成立
以上の賃金交渉の形態は集団的労使交渉ですが、日本IBM、キンドリルジャパン両社には他の企業と決定的に違う点があります。それは、上記②の過程で会社が提示する賃上げ・ボーナス回答が、全従業員の平均賃上げ額、平均ボーナス支給額ではなく、組合員個別の賃上げ額、ボーナス支給額である点です。そのため、組合と両社との間では全従業員の賃上げ・ボーナスに関する集団的労使交渉は成立しないのです。
そもそも集団的労使関係とは、従業員を個人ではなく1つの集団とみなし、企業と対等な関係を構築する考え方であり、労働者は労働組合を組織することで、従業員に対して圧倒的に立場が強い企業と対等の交渉、つまり集団的労使交渉を行うことができるのです。このことは日本国憲法第28条が定める労働三権(団結権、団体交渉権、団体行動権)で保障されています。
したがって、労働組合に加入している労働者は「会社対個人」の関係を「会社対労働組合」の関係に持ってゆくことができますから、当労働組合の組合員は「会社対個人」の関係の中では言いにくい賃上げ・ボーナスに対する不満や要望を、「会社対労働組合」の関係の中で堂々と主張することができるのです。
今23春闘の最新情勢
組合は、両社と全従業員の賃上げ・ボーナスに関する集団的労使交渉を行うため、今23春闘要求書でも例年通り、集団的労使交渉に必要な情報として全従業員の賃上げ・賞与データ(平均賃上げ額、平均賃上げ率、平均ボーナス支給額など)を回答することを両社に要求しています。
今23春闘の最新情勢は、組合が6月29日に5次ストを構えて、5次回答指定日を6月27日として両社に要求を出し、回答待ちの状況ですが、その要求項目の中にも、全従業員の平均賃上げ額、平均賃上げ率などの回答要求を入れています。
従業員の生活を直撃している物価高騰が収束するどころか、いまだに高い水準にとどまるなか、両社は全従業員の平均賃上げ額、平均ボーナス支給額を回答することで誠実な集団的労使交渉を行い、賃上げ・ボーナス回答を上積みすべきです。
組合に加入しよう
従業員の皆さん、今からでも遅くありません、ぜひ、あなたも組合に加入して賃金を上げましょう。ストライキ、賃金交渉に参加しましょう。組合員数の拡大は、賃上げ、労働条件改善を実現する交渉力の拡大となり、さらに雇用をまもる力、労働条件の不利益変更の抑止力ともなります。
組合加入申込書は、組合ホームページ「当支部の紹介」の「組合加入申込書」からPDFでダウンロードできます。必要事項を記入し組合メールアドレスに送付して下さい。