JMITUは11月25日と26日の2日間、24国民春闘討論集会・第8回組織建設全国会議を静岡県熱海市で開催しました。オンライン参加も含め全国から約百名が参加し、24春闘の意思統一をしました。春闘方針案として、生計費原則に立ち生活を土台にした要求づくりの徹底や全国統一闘争で春闘をたたかい抜くことなどを確認しました。
チャレンジ春闘
まず一日目は、参加者がJMITUの24春闘の指針である「24春闘パンフ」を読み合わせた後、JMITUの三木委員長が方針提起を行いました。三木委員長は冒頭、「たたかう労働組合とストライキへの注目と期待が広がっている。アメリカではハリウッドやビッグ3と呼ばれるGMやフォード、クライスラーで大規模なストライキが行われた。日本でもそごう・西武労組が大手百貨店として61年ぶりのストライキに立ち上がった。日本のマスコミも大きく報道した」と参加者を鼓舞し、「24春闘は23春闘で明らかになった課題に取り組む『チャレンジ春闘』だ」と呼びかけました。
24春闘を取り巻く情勢
続けて三木委員長は、24春闘を取り巻く情勢について「23春闘以降も、異常な物価高騰が続いている。23年8月の生活必需品の物価は、22年8月から1年間で3・4%プラス、20年8月から9・6%も上昇しているにもかかわらず、日本の賃金上昇はこの間の物価上昇に追いついていない。その結果、実質賃金が下がり続けている」と述べた上で、「24春闘では、23春闘に引き続き、物価高騰から暮らしを守る大幅賃上げを目指す」という方針を強調しました。24春闘パンフから、JMITUが目指す大幅賃上げ実現の条件を抜粋して紹介します。****
大幅賃上げは可能だ!
24春闘では、何としても大幅賃上げを勝ち取らなければならないし、がんばれば大幅賃上げは必ず実現できます。要求実現の条件は次のとおりです第。一は、異常な物価高騰のもと、職場にも地域にも大幅賃上げを願う切実な思いが充満していることです。こうした職場・地域の思いに依拠をしてたたかうことができれば、大幅賃上げをはじめとする要求を実現する大きな力になります。第二は、人手不足が引き続き深刻であり、規模や産業にかかわりなく人材獲得に積極的な企業が増えていることです。また、中小・中堅企業では、将来に展望を見いだせず退職する若者が増えています。いまや若者の確保・定着はどの企業にとっても重要な課題です。中堅・中小企業が優秀な人材を確保するためには、若者にとって魅力のある賃金・労働条件が求められています。第三は、日本の賃金の異常な低さが日本社会のさまざまな歪みやゆきづまりをつくりだしていることです。異常な低賃金によって国内の消費購買力は弱まり、経済成長の足かせとなっています。悪影響はそれだけではありません。低賃金や労働者使い捨ての人事政策により多くの企業では人材の流出が止まらず技術・技能が継承できず、国際競争力が急速に低下しています。地方では都市部との賃金格差により若者を中心に人口流出が深刻となっています。急速にすすむ少子化も、若者が出産や子育てに希望を持つことができないことに根本的な原因があります。日本の低賃金が生み出すこうした社会のひずみが問題となり、賃上げを求める国民世論が大きくひろがっています。第四は、賃上げを求める国民世論のひろがりとあわせて、労働組合やストライキへの国民の意識に大きな変化が生まれていることです。国内外でのストライキがマスコミで紹介されることで労働組合やストライキへの認識に変化が生まれています。9月27日付朝日新聞の社説がストライキを正面からとりあげ、「労働組合はストライキで存在感を示せ」と主張するなどマスコミの論調も変化しています。こうした世論の変化を追い風にして、ストライキを軸にした攻勢的な春闘に打って出れば大幅賃上げは可能です