まず、1月1日に発生した能登半島地震で亡くなられた方々にお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。昨年は、マスコミも大きく報道しましたように、たたかう労働組合とストライキへの注目と期待が広がった年でした。アメリカではハリウッドや自動車ビッグ3(GM、フォード、クライスラー)で大規模なストライキが行われ、日本でもそごう・西武労組が大手百貨店として61年ぶりのストライキに立ち上がりました。
24春闘を取り巻く情勢
電気、ガス、ガソリンなどのエネルギーや、食料品、様々な生活必需品の異常な値上がりが23春闘以降も続き、長期化しています。この物価高騰の主な要因は▼ロシアのウクライナ侵攻で原油や穀物の価格が供給不安から高騰していること▼異常な円安で輸入品価格が上昇し、高騰する原油や食料品などの輸入品がさらに値上がりしていること▼人手不足による人件費の高騰、原油価格の上昇によるガソリン価格の高騰などで物流費が上昇していること、です。加えてイスラエル・ハマス紛争で原油価格がさらに高騰するおそれもあります。消費者物価指数の総合指数は、昨年11月現在、前年同月比で27ヶ月連続で上昇、この27ヶ月で7.2%も上昇したにもかかわらず、日本の賃金上昇はこの間の物価上昇に追い付いておらず、実質賃金が下がり続けています。実質賃金指数は、昨年10月現在、前年同月比で19ヶ月連続で下落しています。
政府・財界頼みではだめ、組合に加入しよう
こうした情勢の中、24春闘は、労働者の賃金が持続的な上昇カーブに乗れるかどうかの分かれ目と言える重要な春闘です。24春闘では、組合は23春闘から引き続き、物価高騰からくらしをまもる大幅賃上げをめざします。政府が指針を発表した「三位一体の労働市場改革」は、ジョブ型人事(職務給)の導入を含み、ジョブ型人事の導入はPIPを含んでいます。政府はこの改革を行うことで「構造的賃上げ」の仕組みを作っていくと言っていますが、リストラを伴うこのような経済政策を推進する政府・財界頼みでは持続的な賃上げは実現しません。企業にも政府にも忖度なくはっきりと物を言えるのは労働組合だけです。日本IBMグループ、キンドリルジャパン・グループの従業員の皆さん、ぜひ組合に加入して24春闘でいっしょに大幅賃上げを勝ち取りましょう。組合員数の拡大は交渉力の拡大となります。