夏ボーナス回答出る バンド7以下一般職推定昨年上回る 日本IBM 平均100万5千円

夏ボーナス回答出る バンド7以下一般職推定昨年上回る 日本IBM 平均100万5千円

6月10日は夏ボーナスの支給日です。日本IBMから組合に夏ボーナス回答が出ましたので、全社推計をお知らせします。(キンドリルジャパンからの夏ボーナス回答は近日の見込みです。)

昨年よりアップも不十分

日本IBMの2024年夏ボーナスの組合推定平均支給額(本体・バンド7以下一般職)は、100万5千円(2.22ヶ月)、昨夏より7万9千円アップでした。(下表参照)24年夏ボーナスの支給額がこのような高水準になったのは、日本IBMの24年のボーナス支払に使われた会社業績達成度が「106」と異例の高水準になったためですが、これはけして喜べません。なぜなら、賃上げは本来、年収ベース(本給+ボーナス)で行われるべきですが、日本IBMの24年の本給の組合推定平均賃上げ率は1.1%と低水準で、ボーナス込みの年収ベースの賃上げが物価高騰に追い付いていないからです。組合は引き続き年収ベースの賃上げを実現するため、本給とボーナスの上積み回答を要求していきます。

会社は会社業績達成度の判断基準を開示せよ

24年のボーナス支払に使われた会社業績達成度は高水準でしたが、会社業績達成度は左表のように毎年変動しますので、会社業績達成度の判断基準は検証を要します。日本IBMでは2016年度には税引前利益が前年の2倍以上である1996億円もあったにもかかわらず、会社業績達成度「45」という発表に大きな疑念が生じました。この時、団体交渉で組合が会社業績達成度の判断基準をただしたのに対し、会社は、会社業績達成度の基準はUS❘GAAPに基づく決算資料であると説明しましたが、その資料を労使協議で未だに開示しません。一方で、会社は都労委では「必ずUS❘GAAPが判断の要素になるということではない」と違う主張を始め資料開示を逃れようとしました。会社は会社業績達成度の判断基準を開示すべきです。* * * * *以下は参照情報です。

ボーナスの計算方法

日本IBM、キンドリルジャパンでは左図の通り、従業員の年収相当額をリファレンス・サラリー(以下、RS)と呼び、RSの計算式は「本給×12カ月+賞与基準額」です。そして、このRSを元に、固定部分と変動部分から成る賞与支給額が計算されます。固定部分の計算式は「賞与基準額❘RS×6%」、前年度の業績が反映される変動部分の計算式は「RS×6%×会社業績達成度×個人業績率」です。したがって、RSと同額の年収を得るには、会社業績達成度、個人業績率ともに100%でなければなりませんが、会社業績達成度が100%になることはめったにないので、RSはまず満額受け取ることのできない計算上の金額なのです。

ボーナス抑制の仕組み

以上の計算式は、会社業績達成度、個人業績率が低ければ、賞与支給額が低くなる仕組みです。例えば、日本IBM従業員、RSが1000万円(RSの6%は60万円)、個人業績率が100%のケースでは、会社業績達成度「69」の2023年支払時には、100%に足りない31%相当の18万6千円はもらえません。加えて個人業績率も下がれば、もらえない額はさらに増えるのです。

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