24秋闘支部一次要求に会社回答 物価高騰の中、従業員の生活にいっそうの配慮をせよ

組合が9月18日に日本IBM、キンドリルジャパンに提出した2024年のJMITU日本IBM支部秋闘一次要求書への回答が、回答指定日の10月2日と8日にありました。以下は主要な要求と会社回答の要旨です。・(IBM・キンドリル向け共通)少ない1回分の賃上げとして2024年中の賃上げの実施を要求。会社回答は、実施予定はない、でした。・(IBM向けのみ)シニア契約社員をバンド3に位置付け、シニア契約社員の給与が生活できない低賃金(月額18万5千円・年収222万円)である理由の回答を要求。会社回答は、創出することができたシニア契約社員の業務はバンド3相当のサポート業務だったので、「バンド3相当のサポート業務」に関するマーケット調査を行って給与額を決定している、でした。先にバンド3相当という結論ありきで、それに導く調査だけを行っているとも取れる実態が明らかになりました。両社とも物価高騰の中、従業員の生活にいっそうの配慮をすべきです。以下に支部秋闘一次要求と会社回答を抜粋して紹介します。

賃上げ要求(IBM・キンドリル向け共通)

(1)本来、就業規則通りに賃上げが実施されていれば、2020年から現在までの間に5回賃上げがされていなければなりませんが、4回(日本IBMは2021年~2024年の毎年5月、キンドリルジャパンは2021年5月、2022年~2024年の毎年7月)しかされておらず、賃上げが1回分少ない状況です。その一方、2021年からの物価高騰で従業員の生活は厳しさを増しています。これを受け、少ない1回分の賃上げとして2024年中に賃上げを実施すること要求します。

■IBM回答

2024年中に(給与調整を)もう一度実施する予定はありません。

■キンドリル回答

更なる給与調整は2024年中に予定していない旨回答いたします。

都労委事件命令書の履行要求(IBM向けのみ)

都労委令和2年不第98号事件(定年後再雇用事件)の命令書の主文および理由に基づき、以下を要求します。(1)会社がシニア契約社員をバンド3に位置付けて給与額を決定した理由を具体的に回答すること。(2)シニア契約社員と正社員との待遇の相違の理由を具体的に回答すること。(3)会社がシニア契約社員の給与を、制度導入当初は月額17万円(年収204万円)、2023年10月からは月額18万5千円(年収222万円)という低水準に据え置いている理由を具体的に回答すること。

■IBM回答

(1)について、IBMにおける顧客からの受注件数・受注額自体に大きな変化がない中で、新規採用等の会社全体の運営や従業員の年齢分布に影響が出ないようにするためには、定年再雇用者向けの新たな仕事を創出する必要がありました。このため、IBMは、シニア契約社員の業務内容について、これまで社外に委託していた仕事や部門で発生するサポート業務などを切り出して、新たにシニア契約社員の業務を創出することにしましたが、かかる方法によって十分な分量の業務を確保できると見込めた業務がバンド3相当のサポート業務でした。このため、シニア契約社員をバンド3に位置付けております。また、具体的な給与額は、「バンド3相当のサポート業務」に関するマーケット調査を行って決定しています。但し、IT業界で単純なサポート業務のみを行っている従業員がいる会社はあまりいないため、調査の対象には、単純なサポート業務のみを行っている派遣社員やアルバイトの給与水準も含まれています。(2)について、上記(1)のとおり基本的にバンドの相違に起因するものです。(3)について、具体的な給与額は、「バンド3相当のサポート業務」に関するマーケット調査を行って検討しており、月額18万5千円という水準はかかるマーケット調査の範囲内の金額です。

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