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相談窓口

日本IBM・キンドリルジャパン 2022年度分賃上げは実施済と回答

22春闘
1回少ない賃上げの正当化を許すな
両社は9・1賃上げを実施せよ

 かいな前号(2409号)でお伝えしましたように、日本IBM従業員、および、日本IBMから移籍したキンドリルジャパン従業員の賃上げ回数は、2019年から2021年までの間に本来は3回であるべきところ、実際には上図の通り、2020年、2021年の2年連続で9月1日賃上げが延期され、2回になっています。
 この問題について、組合は両社との団体交渉で、2022年は就業規則(給与規程)で決められている賃上げ日の9月1日に賃上げを実施するかどうかをただしました。
 以下に日本IBMとの団体交渉(7月27日、8月29日)、キンドリルジャパンとの団体交渉(8月23日)での両社の回答要旨を紹介します。

両社の回答要旨

 日本IBMは「4月28日に発表したが、アービンド・クリシュナのブロードキャストで発表された通り、2022年の給与調整は5月1日に行う、というのが会社の方針だ。2022年度分の給与調整は5月1日に実施した」と回答しました。
 キンドリルジャパンは「2022年度分の給与調整は2022年7月に実施した」と回答しました。

1回少ない賃上げは会社による就業規則違反

 2020年には、日本IBMは8月7日に「2020年の給与調整は9月には行わず、来年の上半期に行う予定となる」と発表しましたが、この発表によると2021年5月賃上げが2020年度分の賃上げであるにもかかわらず、両社はこれを2021年度分の賃上げと言っています。
 また、2021年には、日本IBMは前日の8月31日の土壇場になって「2021年9月1日付給与調整については実施を見送る」と発表しましたが、見送り後の実施予定時期は発表しませんでした。そのため、日本IBMは2022年5月賃上げを2022年度分の賃上げと、キンドリルジャパンは2022年7月賃上げを2022年度分の賃上げと言っています。
 しかし、就業規則には従業員だけではなく会社も縛られています。
 従って、2020年からの賃上げを1回少なくしたことは、会社による就業規則違反であり、その正当化は理由はどうあれ許してはなりません。両社は就業規則を遵守し、2022年の9月1日賃上げを実施すべきです。

日本IBM支部全国大会開催

組合に団結し大幅賃上げを勝ち取ろう

 JMITU日本IBM支部の第69回全国大会が、7月30日に開催されました。新型コロナウイルス感染症対策のため、一昨年から3回連続のリモート会議システムを活用した全国大会(写真左)となり、来賓の方々にもオンラインにてご参加いただきました。
 全国大会は、これまで1年間の活動総括を行い、今後1年間の運動方針を議論し決定する組合の最高の意思決定機関です。
 まず、2022年度の活動総括として、および裁判と東京都労働委員会申し立てという両輪での争議の状況を報告しました。引き続いて、22春闘では6次ストまで実施、組合推定で日本IBMは1.5%、キンドリルジャパンは1.6%の賃上げを達成しましたが、今般の諸物価高騰を補うには、極めて不十分な水準であることを報告しました。
 午後からは2023年度の運動方針を討議し、組織拡大のための行動やアピール方法、コロナ禍でのホームページやSNSの活用などの運動方針を採択しました。
 最後に、今年の大会スローガンである「組合に団結し大幅賃上げを勝ち取ろう」を満場一致で採択し、全国大会は閉幕しました。

新役員の抱負
 全国大会から組合は2023年度に入り、新しい役員体制で取り組んで参ります。ここに各人の今年度の活動に向けた抱負をご紹介します。

委員長 大岡義久
 従業員の労働条件の改善に努めます。安心して働きやすい職場環境、人材が離れない良い風土を作っていきたいと思います。

副委員長 藤井克己
 従業員の雇用と労働条件を守るため、会社との闘いを続けていきます。

副委員長 河本公彦
 年金支給に合わせた定年延長要求、定期的な大幅賃金UP要求等を勝ち取るために団結して頑張りましょう。

書記長 神谷昌平
 今年度から新書記長として、争議解決、賃上げ実現のために頑張ります。

書記次長 笹目芳太郎
 今般の諸物価高騰に見合った賃上げ、業務経費としての在宅勤務手当を勝ち取るため、従業員の生活に配慮しない給与施策とたたかいます。

中央執行委員 森谷俊之
 パワハラ降格原告として、パワハラのない安心して働ける会社にしたいと思います。

中央執行委員 石原隆行
 大幅賃上げと低賃金者・シニア契約社員の待遇向上、争議の勝利解決のために頑張ります。

中央執行委員 西尾光平
 あまリにも酷過ぎるシニアの労働条件の改善の為、がんばります。

中央執行委員 安田和
 新型コロナ対応で分断され働きにくい職場環境の改善、デリバリー部門の社員と女性社員の支援にも力を入れたいと思っています。

中央執行委員 三浦裕之
 私が入社した40年近く前は、日本IBMはもっとかっこいい会社であった。みんなで昔のようによい会社にしていきましょう。

中央執行委員 西郡正彦
 初めて中央執行委員となり先輩の方々から色々学びながら会社と積極的な交渉を行います。よろしくお願いします。

中央執行委員 佐久間康晴
 物価高騰でも賃金が上がらない、賃金抑制のため中途採用の給料を異常に低く設定して採用するなど新たな問題が発生しています。黙っていては何も変わらないので声をあげて共に闘いましょう。

中央執行委員 中川賢
 職場には切実な不満・不安が渦巻いています。表面化しない嫌がらせや過重労働など、すべてのハラスメントと闘います。

9月1日 スト決行

日本IBM・キンドリルジャパンは
就業規則通り9月1日賃上げを実施せよ

YouTube中継リンク:https://www.youtube.com/channel/UCuVkXviVKdgKkBIJYRZiEeQ
(中継時間:17:30~18:30)

日本IBM従業員、および、日本IBMから移籍したキンドリルジャパン従業員の賃上げ回数は、

2019年から2021年までの間に本来は3回であるべきところ、実際には右図の通り、2020年、2021年の2年連続で9月1日賃上げが延期され、2回になっています。
にもかかわらず、日本IBMは2022年5月の賃上げを、キンドリルジャパンは2022年7月の賃上げを2022年度分の賃上げと言い切り、1 回少ない賃上げを正当化しようとしています。
さらに、日本IBMおよびキンドリルジャパンの5月と7月の組合推定平均賃上げ率はそれぞれわずか1.5%と1.6%でしたが、これではこの間の諸物価高騰を吸収できず、事実上の賃下げです。このような低い賃上げ水準のなか、賃上げ回数を1回減らすということは、あまりにも従業員の生活への配慮が欠けています。会社は2022年の9月1日賃上げを実施すべきです。

日本IBM・キンドリルジャパン 9月1日賃上げあるのか

22春闘
賃上げ交渉を引き続き継続
両社は生活を守る賃上げをせよ

 日本IBM、キンドリルジャパン両社の給与規程では賃上げ日は9月1日と決められています。今年ももうすぐ9月1日になりますが、はたして規定通りに賃上げが実施されるのでしょうか。

9・1賃上げを実施せよ

 上図は日本IBM、キンドリルジャパン両社の直近3年間の賃上げ実施状況を示したものですが、給与規程通りに9月1日賃上げが実施されたのは3年前となる2019年のみで、その後は2020年、2021年の2年連続で9月1日賃上げが延期されてきました。
 キンドリルジャパンの従業員も、元は日本IBMの従業員です。そのため、両社従業員の賃上げ回数は、2019年から2021年までの間に本来は3回であるべきところ、実際には2020年分がスキップされ、2回になっています。
 その上、日本IBMの今年5月の組合推定平均賃上げ率はわずか1.5%であり、この間の消費増税、諸物価高騰を補うには極めて不十分な水準です。
 また、キンドリルジャパンについても今年7月の組合推定平均賃上げ率はわずか1.6%であり、同様に極めて不十分な水準です。
 両社ともこの5月、7月の賃上げに加えて給与規程通りに9月1日賃上げを実施し、従業員の生活水準を下げないように守るべきです。

従業員よ団結せよ

 今年のこれまでの日本IBMの5月1日賃上げと、キンドリルジャパンの7月1日賃上げは、すんなりと行なわれたわけではありません。当初、両社は「2021年9月1日賃上げは見送った」としか発表せず、2021年分の賃上げは極めて危機的な状況でした。
 組合はこのような両社の態度を許さず、この間の諸物価高騰やJMITUにおける同業他社の動向、そして経団連等の動向を会社に伝え交渉すると同時に、これまでに6回のストライキを実施し、強力に春闘を押し進めてきました。その結果、5月と7月の賃上げが実現しました。
 しかし、この5月と7月の賃上げは、あくまでも昨年9月分の賃上げです。今年分の賃上げはこの9月の賃上げです。
 賃上げはおとなしく黙っていては実現しません。一人でも多くの皆さんが組合に加入し会社に強く働きかけることで賃上げを実現させましょう。

 

キンドリルジャパン・グループ 職場を良くしよう

 キンドリルジャパン・グループが2021年9月1日に会社分割されてから、もうすぐ1年が経とうとしています。
 しかし、まだまだ会社はスタートアップの状態であり、依然として職場は様々な面で不足な点が多々あります。キンドリルジャパン・グループにとって最も重要な、事故の無い安定したシステム運用を提供するためには、職場が落ち着くことが何より重要です。
 そんなときに頼りになるのが労働組合です。従業員に本音で話し合えるオープンなコミュニティを提供し、多様な従業員に共通する課題を見つけ、皆で協力して会社も巻き込んで解決していくのは労働組合が一番適しています。団体交渉という会社との窓口も開かれていますので、問題解決にもすぐに取り掛かることができます。この機会に一人でも多くの方が労働組合に加入いただくことをお勧めします。
 以下にいくつかの職場の問題をご紹介しますが、他にも問題がありましたら、当労働組合にお知らせください。

設備の問題

 コロナ禍もいずれ終焉し、多くの従業員が事業所に出社するようになるのがだんだん見えてきましたが、各事業所の設備はどうでしょうか。
●本社LAN環境の問題
 意外に思われるかもしれませんが、箱崎本社に入館するとまず困るのがLAN環境です。キンドリル専用WiFiが無いのです。日本IBMが箱崎で提供しているオープンWiFiに接続し、トンネル接続経由でキンドリル・イントラネットに接続しても、オープンWiFiは不安定です。そこで有線LANに接続しようとすると、有線は無効になっています。
 現在は多くの従業員が会社支給スマホのテザリング機能を使ってイントラネットに接続しています。しかし、そもそも本社に自社ネットワークが無いのはリスクがあります。先日も携帯電話会社の大規模な回線トラブルがありましたが、このような場合に本社で作業している従業員のネットワークが止まってしまうのは大きなリスクと言わざるを得ません。
●オフィスプリンタ問題
 自由に高性能プリンタを使えるのは事業所に出勤するメリットのひとつですが、現在のオフィスプリンタに複数の人から印刷指示が同時に出されると、印刷出力に他の人の印刷物が挟まってしまいます。
 また、PDFに変換する機能では、毎回自分の送付先メールアドレスを手入力しなければなりません。
●給茶機の問題
 日本IBMから会社分割されてオフィスフロアが分かれた際、給茶機が日本IBM側に行ってしまい、キンドリル側に給茶機が無いフロアができてしまうことがあります。このようなフロアに給茶機がまだ整備されていません。
●施設管理の問題
 施設に不具合があった場合の連絡先が不明で、例えば蛍光灯が切れてもそのままになっています。また、掃除がされておらず、机の上がザラザラの状態になっているところがあります。
 事務用品についても、どこにあるか分からず、また、調達方法のガイドもありません。

システムの問題

●事業所入館申請の問題
 入館申請とハイセキュリティエリアの入室申請は頻度が高くこれまでシステム化されていましたが、メール申請になってしまいました。
 また、社員証も箱崎本社ではその場で作ることができず、写真撮影の機材さえ用意されていません。
●ワークフロー管理問題
 多くの業務やプロジェクトでワークフロー管理に使われていたノーツDBの使用が終了となりましたが、これに代わるソフトウェア環境の提示が会社からありません。これでは手作業に戻れと言っているようなもので、IT化を逆行しているのと同じです。

労務政策の問題

●減点主義の問題
 日本IBMから会社分割された段階では減点主義を引き継いだままになっていますが、事故の無い安定したシステム運用のためには加点主義への転換が必要です。減点主義では都合の悪いことを隠すようになるため、安定運用にとって大敵となるからです。加点主義に転換することで、従業員の間に運用を改善しようというモチベーションが働くようになるのではないでしょうか。
 そうした意味で、在宅勤務の事業経費を従業員に押し付けている現在の態度も転換が必要です。自宅で運用している従業員に一刻も早く水道光熱費等の事業経費の相当分を支払うべきです。

 

キンドリルジャパン賃上げ 1次回答は実質賃下げ

22春闘
 キンドリルは賃上げ額を上積みせよ
 諸物価高騰に配慮した2次回答をせよ

 キンドリルジャパンは、今春闘で確約していた7月1日付賃上げの組合員個別回答(1次回答)を行い、6月29日の団体交渉で協議しましたが、日本IBMと同様に大変低レベルな回答であり、しかも賃上げが6月賞与に間に合わなかったことの救済策の発表もありませんでした。

賃上げ推定平均1.6%の実質賃下げを許すな

 キンドリルジャパンの7月1日付平均賃上げ率は、春闘要求書で要求した全従業員平均賃上げ率の回答が現時点で無いため分かりませんが、組合による推定平均賃上げ率はわずか1.6%で、日本IBMの5月1日付賃上げの1.5%とほぼ同じ水準です。これでは今般の諸物価高騰の中、実質的な賃下げですので、団体交渉では1次回答への賃上げ額上積み(2次回答)を要求しました。

他社は高水準な賃上げ

 5月20日に経団連が発表した今年の大手企業賃上全業種平均は2.27%、金額では7430円です。さらに、下表のJMITU主要企業の水準はそれを上回り、賃上げ率が2%台後半から3%台後半という昨年を上回る高水準に達しています。
 そもそも、低水準の賃上げの長期化は、日本IBMが2006年に給与規程の「昇給」を「給与調整」に変更し、定期昇給を廃止したことが本源です。以来、会社がハイパフォーマンス・カルチャーの方針の下で実施してきた人件費総額削減、賃上げ抑制によって、15年以上、賃上げがほとんど無かったうえに、今般の諸物価高騰が従業員の生活を苦しめている中、キンドリルジャパンの1次回答の賃上げ率の低さは、我々従業員として到底受け入れられません。
 組合は、賃上げが今般の諸物価高騰を補うのに十分な水準であることを重視しており、2次回答についてキンドリルジャパンとして第1回の単独団交となる7月13日の団 体交渉で協議します。

無責任なAIの運用実態 都労委証人尋問報告


 組合が日本IBMとキンドリルジャパンを相手取って東京都労働委員会に申し立てているAI不当労働行為事件の証人尋問が2022年5月16日に行われました。これにより、会社によって無責任な状態で賃金査定に使われているワトソンAIの危険な運用実態が明らかになりました。
 会社側証人として証言した元人事のラインですらワトソンAIが扱っているデータの全貌を知らず、さらにワトソンAIが提示する内容は日本の就業規則や格付規程と合っていないことも明らかになりました。

AIの問題点

 改めて賃金査定にAIを使う際の問題点を以下にまとめます。
①プライバシー侵害問題
 AIが収集する情報の中に人事考課において考慮すべきでない情報(プライバシー情報)が含まれるのか。GDPR(EU一般データ保護規則)の観点では当該個人がコントロールできなければなりません。
②公平性・差別の問題
 AIが学習の段階で用いられるデータにバイアスが含まれ、それがAIのアウトプットに反映され、結果として不当に差別される恐れがあります。
③ブラックボックス問題
 ビッグデータとディープラーニングの結果生成された結果は説明できないため、査定結果の説明ができなくなります。
④自動化バイアスの問題
 コンピュータが出す結果に人間の判断が意図せず左右される傾向があります。

AIを用いた査定実態

 この会社には賃金テーブルのような規定が無いため、個別従業員の賃上げ額は直接の上司が決定します。上図は上司が部下の賃上げ金額を決定する際に入力する実際の画面です。
 一番左上にこの上司が持っている賃上げ予算額が表示されています。その下に部下のリストが表示されています。部下の表示順序は、ワトソンAIの提案する賃上げ率に応じて3つのランク、HIGH、MID、LOWが勝手に決められ、その順番で表示されます。
 上司がそれぞれの部下の昇給率を決定し入力すると、自動的に昇給額が計算されて表示され、その上司の持ち予算が減っていく仕組みです。
 ここに重要なカラクリがあります。自動化バイアスにより、上司が意図せずにリストの上位に表示される部下から順番に賃上げ額を決定していってしまうことは容易に想像できます。しかも、会社が付与する予算は限られているため、AIが提案する賃上げ率通りに賃上げしてしまうとすぐに予算が尽きてしまいます。
 この会社では一人の上司が30人の部下を持つこともめずらしくありません。そうなれば、リストの下位に表示された部下の昇給は無くなると考えたほうが自然です。しかし、部下の側から見れば、自分がリストのどの位置に表示されるかは、まったく知らされないですし、その決定方法すら日本の就業規則や格付規定と合っていない実態が明らかとなりました。

違法な状態を変えよう

 現状ではAIが収集しているデータ項目が何であるか不明で、仮に間違っていてもそれを検証する手段がありません。しかも大前提となっている各部署への予算配分はブラックボックスのままとなっています。これでは、労働基準法第二条に定める労働条件の労使対等決定原則に反しています。組合に結集し、違法な状態を変えましょう。

6月30日午後半日スト決行

日本IBMは従業員の生活を守れ
キンドリルジャパンは2次回答せよ

YouTube中継リンク:https://www.youtube.com/channel/UCuVkXviVKdgKkBIJYRZiEeQ
(中継時間:17:00~18:00)

 日本IBMは依然として2次有額回答をせず、「従業員の処遇は給与のみならず福利厚生や良いオフィス環境、健保等を含めて考えている」などと回答。在宅勤務手当すら支払わない現状を棚に上げ、従業員の生活を顧みないあきれた態度を取り続けています。第1次回答の賃上げ率1.5%では、現在の物価上昇率を吸収できず、事実上の賃下げです。
 キンドリルジャパンの第1次回答は組合推定平均賃上げ率1.6%にとどまり、こちらも、現在の物価上昇率の中、これでは実質的に賃下げになってしまいます。さらに、賃上げが6月賞与に間に合わなかった点についての救済策も回答がありませんでした。
 両社の賃金は多くの従業員が組合の提唱する年齢別最低本給をクリアできず、さらに東京都の最低賃金を下回るシニア契約社員の処遇改善も進んでいません。
 私たち日本IBM支部は第6次となる6月30日午後の半日ストライキを実施します。日本IBMとキンドリルジャパンは、従業員の生活を守る賃上げをするべきです。

以上

日本IBM・キンドリルジャパン 十分な賃上げ回答をせよ

第6次回答
 両社とも従業員の生活に配慮せよ
 不当回答なら30日半日スト(第6次スト)

 かいな2405号1面の通り、今春闘ではJMITU主要企業の賃上げ回答は、賃上げ率が2%台後半から3%台後半という昨年を上回る高水準に達していますが、その一方、日本IBMの5月1日付賃上げの組合推定平均賃上げ率はわずか1.5%です。これでは今般の諸物価高騰の中、実質的な賃下げです。
 このような状況下で、組合は日本IBMに対し、5月1日付賃上げの第2次有額回答を要求していますが、日本IBMは未だに行っていないため、5月20日に第4次スト(午後半日)、6月3日に第5次スト(午後半日)を決行しました。
 この第2次有額回答は、労働組合として求めている年齢別企業内最低賃金(下表)を踏まえ、さらに諸物価高騰を考慮した、組合員個別の第1次有額回答への上積み回答であり、不可欠なものです。
 一方、組合はキンドリルジャパンに対しても、労働組合として求めている年齢別企業内最低賃金を踏まえた、7月1日付賃上げの組合員個別の有額回答(6月下旬の見込み)を要求しています。
 組合は、賃上げが今般の諸物価高騰を補うのに十分な水準であることを重視しており、両社の上記の有額回答について、6月29日の次回団体交渉で協議します。次回団交での会社回答が不当回答であれば、組合は6月30日に第6次スト(午後半日)を実施します。

不誠実際立つ日本IBM 不利益変更するなキンドリルジャパン

第5次ストライキ実施

 組合は日本IBMの賃上げ再回答内容とキンドリルジャパンのボーナス回答内容を不服として6月3日午後半日、雨を押して第5次ストライキを決行しました。(写真上)
 日本IBMの賃上げ規模は第1次有額回答の平均賃上げ率1.5%のままに止まっています。本来、賃上げ交渉は賃上げ規模の交渉がまずあるべきで、この交渉に応じようとしない会社の姿勢は不誠実さが際立っています。会社は諸物価高騰を考慮し従業員の生活に配慮した賃上げ予算そのものの増額を図るべきです。
 キンドリルジャパンは賃上げが6月賞与に間に合わなかった点についての救済策について、何ら具体的な説明をしませんでした。会社分割の結果、日本IBMの労働条件から不利益な変更が生じてはなりません。組合は7月賃上げと同時に不利益救済策を発表することを引き続き求めていきます。
 さらに、両社とも在宅勤務手当についても回答せず、事業経費負担を従業員に強いたままです。
 その上、東京都の最低賃金を下回るシニア契約社員の給与改善についても回答が無く、依然として法令違反の状態が続いています。
 
賞与はランキング圏外

 JMITU主要各社の夏ボーナス回答速報を右下表にまとめます。諸物価高騰を受けて各社とも高水準の回答を出しています。
 残念ながら日本IBMとキンドリルジャパンはランキング圏外となっています。もはや2ヶ月のボーナス回答ではランキングに入ることもできません。同業のNTTデータにも大きく引き離されています。

組合員は交渉継続

 5月給与や夏ボーナスは支給されましたが、組合員の場合は依然として交渉継続中です。私たちは賃上げ額についても賞与額についてもまだ妥結していないからです。
 賞与額については会社業績達成度と個人業績率の両面で交渉を継続しています。
 キンドリルジャパンの場合はGDPも支払われますので、これについての交渉も行っています。
 ご自身の賃上げ額や個人業績率について不満のある方は組合にご相談ください。日本IBMとキンドリルジャパンともに所属長の独断で賃金が決定できてしまうため、そこにパワハラなどが入り込む可能性があるからです。黙っていては手遅れになる恐れがあります。

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