日本IBMでは、いわゆるサービス残業、サービスILC、あるいはサービス稼働の強要が重要な問題となっています。
2020年5月15日の秋闘要求に関する団体交渉において、「安全・衛星に関する統一要求書」に関連する協議にて、会社は「サービス残業を強要したらマネジャーは懲戒」との厳しい姿勢を示しました。これについて、以下に詳細な協議内容をお知らせします。
団体交渉でのやりとり
組合 過重労働の問題だが、人事のほうでは一生懸命取り組んでいるが、(自己申告の)ペーパーでは時間管理がおろそかになっていて、長時間労働が直されたりしているという。実態からは乖離しているかもしれない。ただ、絶対に80時間以下にするのだという会社の回答は、JMITUの中でも高いレベルだ。ぜひそれを実践して、人事の目を光らせ、現場で本当に無いようにしていただきたい。
会社 今、コロナだから、在宅が長いので、大変な事件がおきたらどうしようかと思っている。家で働きすぎて倒れたらどうしようかと思っている。客観的な(時間管理の)ところで、他社の事例も調べているが、どこも悩んでいる。箱もの(事業所)に来るときは、カードでわかるが、そうでないとき、例えば運輸会社でPOSを切った後に働いている分が問題になった。切られてしまうとシステム的に追いかけられない。
組 それは、背景には、「切れ」と上司が言っているからだ。
会 システム回りで全部補えるかといえば、すごく難しい。たった1人にそういうことがあったら、全部が疑われてしまう。
組 そういう事例が起こったときに、事後対処まで発表されれば、しっかりやられているということになる。おきないということはあり得ない。
原因は、その上司が勘違いをしていて、見た目の残業を少なくしなければいけないと思って、残業をつけるなと言ってしまったことにある。残業をつけるなという上司は多い。日本では。サービス残業のほとんどは、残業をつけるなということから始まる。そういう指示はするなと。実労働は実労働としてつけろと。
実働時間を少なくするための工夫をするのが上司の役割だから、どういうふうな整理をして実労働を短縮するのか、そういう指示をしろと。そういうことをやっているということなら、大した企業だなということになる。
会 そういう意味では、2年前から、携帯で業務スタート、業務中断の入力ができる。それはまだ自己申告の域を脱していないが、要は、法令の主旨は、職場ぐるみとか、管理者が「つけるな」とか、一番典型的なのは部下が「今月これだけ残業しました」と言ったら「ふざけるな、やり直し」といったらそれが一番やばい。そんなことIBMでやったら懲戒だ。
組 言い方としては、他のメンバーだったら8時間でできるのに、なんでおまえ12時間かかるのか、12時間もかかるということはそれだけ生産性が悪いということだから、成績に響くと言われたら、自ら8時間しかつけなくなる。
会 そういう問題が日本企業にはあるのか。
組 ここでもある。ここでもあるから問題になっている。
会 私は言われたことない。そんなこと。
組 それは、あなたが、はっきりものを言う人だから。
会 私が上司に対して、はっきりものを言う人だからか。
組 それで問題になったら、言っているほうは犯罪者だから。
会 そうです。