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相談窓口

秋闘1次要求提出

株主第一から従業員を大切にする会社に

 

 JMITUの統一要求日である9月18日、組合は秋闘1次要求を提出しました。第1次要求では特に重要な当支部の重点要求に加え、安心して働きやすい職場を求める要求などJMITUの3つの統一要求書を提出しました。以下に代表的な要求内容をお伝えします。

賃上げの上積みで従業員を大切に

 ジニー・ロメッティも署名したビジネス・ラウンドテーブルの宣言では、株主第一主義の経営から従業員を配慮した経営に修正することが発表されました。
 これを受け、10月からの消費税2%引き上げを考慮し、従業員の生活レベルを下げないためにもそれを上回る平均賃上げ率となるよう上積み要求をしました。

賞与額の根拠となる会社業績達成度について

 賞与計算に使われる会社業績達成度について会社主張の会社業績達成度の根拠となる資料を提出し、客観性・合理性・透明性のある形で説明し、誠実な協議をすることを要求しました。

パワハラ賃下げ争議解決し労使関係の正常化を

 第1次・2次の訴訟を経てこの賃下げが違法であることは明白です。第3次パワハラ賃下げ裁判を速やかに解決することを要求しました。

TSS部門の働き方や就業環境を改善せよ

 TSS(テクノロジー・サポート・サービス)部門では働き方や就業環境に関する事件が頻発しています。これを受け、次のように要求しました。
①ハラスメントをしないようラインマネジャーを教育すること。
②従業員に正確な時間外勤務の申請を躊躇させることがないようラインマネジャーを教育すること。
③緊急呼び出し当番手当を新設すること。当番1回あたり1万円の手当を支払うこと。
④社用車(CEのリースカー)の運転時間を業務時間として徹底すること。社用車を自家用車に転換させないこと。
⑤小規模事業所の閉鎖に伴うホームオフィスの導入に際しては、労働関係法の遵守を徹底すること。

オフィス環境の劣化を食い止め、整備せよ

 総務部門運用会社の変更でオフィス環境の劣化が進み、業務に支障が出ています。管理・監督の強化を要求しました。
①総務部門が事業所各フロアの会議室・オフィスエリアを巡回し、テレビやプロジェクター、PCコネクションケーブルの故障が無いように整備すること。さらにОA用PCの電源アダプターについては全ての機種に対応できるように最新のものに交換または新たに設置すること。
②総務部門はアジャイルオフィスについてその運用形態を社員に周知させ、労働環境が劣化しないように適正運用すること。
③9月9日の台風の影響による首都圏の交通機関の乱れの際、箱崎事業所長名で荒天時・災害時の働き方をガイドする一斉メールが総務部門から発信されませんでした。タイムリーな発信の運用をすること。
④フリーアドレス・オフィスが拡大するとともに各部門のフロア配置が不明確になり、部門ごとの文房具の整備がおろそかになっています。さらに、業務で使用する周辺機器を社員個人で購入させて業務使用させる行為が横行しています。総務部門に文房具やPC周辺機器の整備を集中させ、総務部門が責任を持って周辺機器を整備すること。

シニア契約社員の処遇を来年4月から合法待遇とせよ

 2020年4月から施行されるパート有期労働法違反とならないよう、次年度向け契約締結からシニア契約社員の労働条件の是正を要求しました。
①週5日勤務の場合で月額給与を31万円とすること。
②賞与を正社員と同等の年間4ヶ月程度を支給すること。
③無給となっている特別休暇を正社員と同等に有給とすること。
④福利厚生としてリロクラブ等に正社員と同等に加入させること。

65歳までの定年延長ただちに目指せ

 改正高年齢者雇用安定法の趣旨に基づき、65歳定年制をめざすとともに、現在の年金支給開始年齢までただちに定年を延長することを要求しました。

PIP制度に関する要求

 これまでの団体交渉でPIP(業績改善プログラム)の対象者選定が不適切な例が数多く見られます。PIPの対象者を選定する際の会社のラインマネジャー向け選定ガイドを明らかにした上で、誠実に協議することを要求しました。
    ・・・
 秋闘ではさらに10月23日に職場の要求を総ざらいする二次要求を提出します。

パワハラ賃下げを許さない

実質賃下げも許さない

 会社が8月14日に発表したパワハラ賃下げは違法な賃下げです。今回も組合員の中に賃下げ対象者はいませんでしたが、組合は全社員を代表して9月最初の出勤日である9月2日(月)の始業開始から1時間にわたって抗議ストライキを実施しました。
 もし9月1日付で賃下げされたら、裁判をしてその賃下げ分を取り戻すことができます。

組合のメリットその1

 組合には実績のある最強の弁護団がついており、安心してまかせることができます。また、着手金を支払う必要はありません。賃金を取り戻した後、成功報酬の支払いで済みます。さらに集団訴訟になりますから、皆と一緒に安心して裁判を進めることができます。

組合のメリットその2

 組合員は労働組合法によって守られることもメリットです。労働組合法第7条では「労働組合の正当な行為をしたことの故をもつて、これに対して不利益な取扱いをすること」を会社に禁じています。従って勤務を続けながら安心して裁判をすることができます。

賃上げ推定平均0.5%

 組合推定による全社の9月1日付平均賃上げ率はたったの0.5%です。10月から消費税が2%引き上げられることを考慮すればこの平均賃上げ率では社員の平均生活水準を下げざるを得ず、これでは実質的な賃下げと言っても過言ではありません。
 労働基準法の第1条2項では労働条件について「その向上を図るように努めなければならない」としています。それを受け、会社は就業規則の第3条において「会社は正社員の人格および自主性を尊重し、その福祉を図り、健康で文化的な生活の向上に寄与するよう努力する」としています。
 さらに、今年8月19日にアメリカの経済団体であるビジネス・ラウンドテーブルは「株主第一主義」を見直し、「従業員配慮」を宣言しました。この宣言にはジニー・ロメッティも署名しています(3面参照)。
 こうした法律や社会情勢を踏まえ、経団連発表の大手企業の春闘賃上げ回答平均は2.46%でした。

組合員は交渉継続

 組合はまだ妥結をせず会社と協議を続けています。就業規則第3条でうたっている「健康で文化的な生活の向上に寄与する」ことを会社に守らせるためにも、JMITU主要企業並みの2%台後半の賃上げが必要です。

JMITU秋季闘争開始

今年の重点はハラスメントの撲滅

 

 19秋闘がいよいよ始まります。秋闘に臨むJMITUの方針を以下にご紹介します。
 今年は特にハラスメントをなくそうという要求が世界中で高まっており、ILОでもハラスメントを禁止する条約が採択される動きとなっています。

ハラスメントをなくす

 職場におけるさまざまなハラスメントの問題が大きな社会問題になっています。
 最も悪質なハラスメントは、経営者や管理職による優越的な地位を背景にしたハラスメントです。日本IBMで行われているパワハラ低評価、パワハラPIP、パワハラ賃下げの、パワハラ3点セットもそれに該当します。ハラスメントを発見した場合は、直ちに団交を申し入れ改善を要求する方針です。

安全配慮義務に加えハラスメント防止法も

 労働安全衛生法において、使用者には「安全配慮義務」が課せられており、経営者には職場のハラスメントをなくし、その予防と被害者に対処する責任が課せられています。さらに、今回成立した「ハラスメント防止法」により、経営者にはより一層のハラスメント防止義務が課せられることになりました。

ILО勧告ハラスメントは人権侵害

 今年のILО(国際労働機関)総会で、「労働における暴力とハラスメントを禁止する条約」と「勧告」が圧倒的多数で採択されました。これは、職場などでのハラスメントをなくすための初めての国際労働基準であり、ハラスメントは人権侵害だと明確にした画期的な条約です。

65歳までの定年延長が時代の流れ

 65歳への定年延長への要求が高まっています。現在58歳以下の労働者は65歳になるまで年金が支給されず、65歳までの定年延長はまったなしです。
 高年齢者雇用安定法では、65歳までの雇用延長の方法として、①定年の廃止②定年延長③定年退職後の継続雇用がいずれかを選択できます。会社は、③定年退職後の継続雇用(シニア契約社員)を選択していますが、65歳までの定年延長に踏み切るべきです。

シニア契約社員の低処遇はハラスメント

 この秋闘ではシニア契約社員の処遇改善要求を重視します。
 会社は、定年時でいったん雇用契約を解除し、その後1年ごとの有期雇用を結び直す定年退職後の継続雇用の仕組みを悪用し、「月額給与17万円・賞与なし・年収204万」というほぼ最低賃金の劣悪な賃金・労働条件を押し付けています。制度発足時点では年金支給がありましたが、年金支給が無くなった後もこの劣悪な労働条件を押し付けています。これはハラスメントであり改善を要求します。
 パート有期雇用法が来年4月から施行されます。正規と非正規の待遇について、その待遇格差は不合理であってはならないとしています。これはシニア契約社員にも適用されます。
 ガイドラインには、賞与について、正社員に対して全員に何らかの賞与を支給している場合には、パート有期雇用者に対しても賞与を支給しなくてはならないとしています。
 定年延長を実現するまでの間、最低でも月額賃金31万以上と賞与の支給を要求し、正社員と均等待遇に取り組みます。

労働時間短縮は労使にプラス

 長時間の時間外労働の規制をはじめ、労働時間短縮の課題が重要になっています。8時間働き、8時間は自由に過ごす。残りの8時間は睡眠とる。そして休日は家族とゆっくり過ごし、趣味や自由にできる時間を多く確保することができる、働く環境を目指します。
 そのためには、勤務時間や休日労働を正確に申請でき、有給休暇が取得しやすいことも重要です。それを躊躇してしまうような上司の抑圧的な言動や姿勢は今もなくなりません。
 長時間労働がある会社は、労働者から敬遠されます。日本IBM社員の現在の働き方の改革をめざし、取り組みます。

賃金アンケートのご協力をお願いします

 9月1日に給与調整が実施されました。その状況を把握するため、今年も「賃金アンケート」を実施します。賃金アンケートの発表内容は大変ご好評をいただいています。今年も取りますので、ぜひご協力をお願いします。

またパワハラ賃下げ発表

-裁判係争中に暴挙-

 

 パワハラ賃下げ裁判を係争中にもかかわらず、会社は2019年8月14日にまたもパワハラ賃下げを発表しました(発表骨子は右下表参照)。該当者にはすでに8月19日 の週から個別に通知されているはずです。

この賃下げは違法

 会社が根拠としている2010年3月付で改定された格付規定第6条3項には「業績が職務内容に対して著しく低いと判断された場合は、本給、賞与基準額、本俸および定期俸基準額を減額することがある」とあります。
 これでは客観的基準に関する定めが一切無いため、会社が一方的に不利益変更を強いることができます。さらに減額幅の規程も無いため、会社はフリーハンドで減額幅も決められます。実際、今年の3%、7%、10%の減額幅には何の根拠も示されていません。
 つまり、2010年3月に行われた格付規程の変更は合理的な変更ではなく、労働契約法10条違反です。
 また、この規定は賃下げ期間も定められておらず、定年まで賃下げ状態が続きます。しかも、毎年でもさらなる賃下げが可能な仕組みで、会社の権利濫用となります。

係争中の裁判でも同じ部分が問題点

 上記説明内容は現在係争中の裁判でも過去2回の裁判と同じく違法性が指摘されている点です。
 裁判で違法性が問われれば、社会的な配慮として普通は一旦様子を見て止めるものです。しかし平然とまたも賃下げを発表する会社の姿勢はまさに暴挙としか言いようがありません。

成長志向推進の嘘

 会社は個人成績評価の悪い人に対し賃下げをする理由として「成長志向のカルチャーを推進するため」などとしていますが、成績評価が高い社員に対する昇給水準はまったく明確にされていません。これらの言葉がまやかしにすぎないことは明らかです。

AIツール使用は問題

 今回から「給与調整の判断をサポートする」としてコグニティブ・エンジンのワトソンを使ったツールが導入されていますが、これも問題です。判断がブラックボックスとなり、労使対等決定原則、すなわち労働基準法2条の「労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである」という法律に違反することになるからです。

2020年組合年度スタート!

 

第66回全国大会開催
活動方針決定
組織を拡大しパワハラのない職場にしよう

 2019年7月27日、品川区の南部労政会館において、日本アイビーエム支部の第66回全国大会が開催されました。
 この一年の活動総括の中で、昨年9月に東京都労働委員会において、組合員資格問題が勝利的和解で解決し、バンド8以上の従業員の権利が回復されたことが報告されました。それと同時にバンド8以上の人の組合加入者が相次いでいることも報告されました。
 今年度の活動方針では、第3次パワハラ賃下げ裁判に勝利することやパワハラ3点セットの撲滅運動を進めること、シニア契約社員の劣悪な労働条件を改善すること、CE部門の働き方改善を目指し、特に緊急呼び出し当番手当の新設を目指すことなどが確認されました。
 今年で組合結成60周年を迎えました。決意を新たに新役員体制で取り組みます。ここに各人の今年度の活動に向けた抱負をご紹介します。

委員長 大岡義久
 組合が先頭に立ち、職場の問題を解決していきます。ひとりでも多くの方を組合に迎えたいと思います。

書記長 杉野憲作
 利益のために日本の法律を破る会社であってはなりません。このようなことで我慢しなくてもよい職場を目指します。

副委員長 河本公彦
 一方的な会社からの理不尽な通知・通告に納得行かない方は、是非組合に加入頂き、共に闘って行きましょう。

副委員長 藤井克己
 賃金減額など会社の不当な攻撃に対して、断固闘っていきます。

中央執行委員 吉岡真紀子
 障害者差別をなくすことに全力を尽くします。

中央執行委員 板倉浩
 個人の尊重、社会とともに、品性と良識がある会社にしていきましょう。

中央執行委員 森谷俊之
 親戚から良い会社だねと言われる会社にしたいと思います。

中央執行委員 佐久間康晴
 TSS、特にCE部門はパワハラ3点セット・大量出向など無法地帯になっています。家族や老後のため、独りで悩まず組合に相談して下さい!

中央執行委員 三浦裕之
 真実と正義の中央執行部および弁護団とともにハラスメント相談員として強力に活動を進めます。

中央執行委員 安田和
 誇りをもって働ける職場を取り戻すため、自分にできることから取り組んでいきたいと思います。

中央執行委員 神谷昌平
 社会の良き規範となるような会社に再び戻す活動をしていきます。

中央執行委員 石原隆行
 本当に「社員が輝ける働く環境」が実現するよう微力ながら尽くします。

ハラスメント無くし賃上げしよう

社員を縛るパワハラ3点セット

 9月1日は日本IBMの賃上げ日です。しかし、パワハラ3点セットが社員を縛り、賃金が上がりません。会社はラインマネジャーの圧倒的な力の差を利用して「成績評価」「改善指示」「賃下げ」を巧みに使い、人員削減や人件費の圧縮に利用しているのです。

パワハラ低評価

 チェックポイント制度による評価は、何をもって評価されているかがわからない仕組みになっています。しかし評価というものは「業務命令と勤務評価」が対応しているべきです。つまり、目標・結果・評価が本人の納得する形で明示・説明されてこそまともな評価です。
 目標すら話し合わず勝手に低評価にされたらパワハラです。「君にはもっと期待している」などと言って低評価にするのもパワハラです。評価というのは結果に対してのものであって、将来に対するものではありません。
 自己責任でプロジェクトを探しきれずに稼働率が低くても、それのみをもって低評価とするのもパワハラです。本来、業務のアサイン責任は会社にあるからです。

パワハラPIP

 PIP(業績改善プログラム)は「業績改善」という名の賃下げ理由作りプログラムであることは明白です。
 そもそもPIPの開始前に「目標に達しなかった場合の処置」として「職務の変更」や「所属変更」「降格とそれに伴う減給」「減額給与調整」を示す時点でこのプログラムが組織的パワハラだと宣言しているも同然です。
 このような形で進められる「改善」は所属長と本人の人間的な信頼関係を損ねるばかりか、信頼関係の無い下での「指導」は本人の成長には一切役立たず、場合によってはメンタル疾患の引き金になります。

パワハラ賃下げ

 「業績が期待に達しなかった」という理由で賃下げされる、道理も何も無い賃下げです。賃下げされるまでに「パワハラ低評価」、「パワハラPIP」、「パワハラ賃下げ」という順で狙った人を囲い込みます。
 もし今年もパワハラ賃下げが実施されれば、2010年から(2015年は保留)9回目となり、職場のモチベーションや活力は取り返しのつかない状態になるでしょう。

組合要求の意味

 組合が一昨年実施した賃金実態調査により、2006年からの12年間で日本IBM社員の平均年収が200万円も下がっていることが明らかになったことは既報の通りです。これを受け、第一段階としてリファレンスサラリーで百万円を取り戻すべく、月額給与で5万円の賃上げと賞与基準額の増額を要求しているのです。

今年の賃上げゼロは賃下げと同じ

 社会保険料や健康保険料の負担増など、年々私たちの支出は多くなっています。
 特に今年は、生活関連商品の値上げラッシュに続き、10月からは、消費税増税が予定されています。例年にも増して賃上げが重要な年であり、その要求も強くなっています。
 もし今年の賃上げがゼロ円であれば、物価上昇率分や消費税増税分が私たちの生活にそのままのしかかり、事実上賃下げをされたのと同じことになります。社員は生活時間のほとんどを会社で働くことに使っています。このまま賃金が据え置かれたのでは、会社が社員の生活を犠牲にして利益を出していると言っても過言ではありません。
 労働基準法1条では「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすものでなければならない」とうたっています。パワハラ3点セットを背景に社員の生活を追い込むことは許されません。

TSS部門の皆さんへ

 TSS(テクノロジーサポートサービス)部門の組合加入者からのメッセージをお伝えします。

技術部は軍隊?

 技術員(CE)のみなさん、箱崎本社から離れた各技術部でひどい目にあって悩んでいることはありませんか? 聞き漏れてくる実態情報は、
・仕事柄ミスは許されないため技術部長からは一方的に言われるままで決して反論できない
・上司からのパワハラや減給に対して相談できる人が近くにいない為一人で悩んでいる
・緊急呼び出し当番には手当てが支給されず、相談もできないため泣き寝入りしている
・営業やSEのように潰しがきかない為、部門異動もできず我慢して今の職場にいて必死に耐えている
・上司と一部の取り巻きで働き方が決められてしまい従うしかない
・十分な研修や教育が行われず、見たことも触ったこともない機器のメンテナンスを強いられる
 これ以外も色んな辛いことがあると思います。十代の若さで右も左もわからないまま入社された方も多いです。仕事内容も機械も何もわかりませんでしたよね。その中で技術課長や先輩の言うままに作業をしてきました。ここに他部門からは技術部が軍隊と呼ばれている謂われがあります。上司や先輩の意見は絶対で言い返すことは全くできないというひどい現場も多いといまだに聞きます。
 営業やSE部門では疑問点があれば自分の考えを上司にぶつけて、とことん議論します。しかし、CE部門ではそれができません。
 もう一人で悩むことはやめましょう。時が解決してくれる、いつか上司が代わったらこの環境から抜け出せるなどという考えは捨てましょう。今までもそうやって先延ばしにしても何の解決にもならなかったはずです。
 組合からであれば、会社に対して団体交渉という正式に認められた場所で意見することができます。パワハラの即刻中止、減給の取り戻し、希望する異動部門への優先的考慮、上司からの低評価の撤回、などを会社と協議し解決してきました。
 一度相談してみませんか?今の組合員も組合に入ることに抵抗がある方がほとんどでした。ですのでメールや電話でも結構です。納得がいくまで相談してください。CEはスケジュール管理されているため、何度でもかまいません。組合の先輩の実際の意見も十分に聞いて自分で判断してみてください。

ISCーJの皆さんへ

 日本IBMの百%子会社であるISCーJ(日本アイ・ビー・エム・サービス)で組合に入った人からのメッセージをお伝えします。

子会社にしわ寄せ

 近年、日本IBMではコスト削減が進められて、SSO(協力会社)や派遣スタッフの契約が制限され、それに伴って更なる内製化が図られています 。
 一方、プロジェクト現場では十分な要員が確保されておらず、無理なスケジュールを組んで少数メンバーに多くのタスクがアサインされています。
 業務の平準化が行われていないプロジェクトも多く、また、業務の内容も、バンドにかかわらず難易度の高い、もしくは責任ある業務が負わされる等、子会社・関連会社にしわ寄せがきているのが実情です。今後もその風潮は強くなると予想されます。
 そのような負担や主要な役割を担っているにもかかわらず、日本IBM本体のメンバーに比べて給与は低く抑えられ、親会社の都合の良い帳尻合わせに使われているのが実態です。
 さらに悪い事には、そういう問題や悩みも、ラインマネジャーによる個別人事管理の仕組みにより、先輩や同僚に相談やアドバイスを仰いで共に進める文化が希薄で、プロジェクトによっては、独りで抱えて精神的に追い込まれ、最悪の場合、メンタル疾患に至るケースもあります。
 私の場合、案件のある地方へあちこち飛ばされ、長期出張を繰り返したり、皆から敬遠されている案件に対しても「会社のオーダーには従わなければならない」と、あきらめていました。
 組合加入後は様々なことを無理強いされる事は無くなりました。
 また、Workdayで入力の不整合か何かで処理が遅々として進まない事や、ラインマネジャーが承認を渋っていた事がありましたが、組合の団体交渉で取り上げて頂いた所、迅速に処理が進みました。
 みなさんの中には、組合に加入した事により煩雑な組合活動や業務を強いられるのではないか、と思われる方がいるかもしれませんが、その様なものではありません。諸々の活動は有志により行われており、自浄作用が働かない会社の暴走を止める最後の砦になっています。
 また、自分は労働上の悩みなど直面しないと思われる方も、社内で理不尽な扱いを受けない為の保険として考えてみては如何でしょうか。

TSS部門の闇

ーさらに拡大ー

 

 パワーハラスメントや就業規則を超えた独自ルール、パワハラPIP(業績改善プログラム)、だましPIPなど、TSS部門からの相談が全国から相次いでいます。

産業医に相談すると上司からパワハラ

 多摩事業所のAさんが体調を崩して産業医へ相談したところ、その情報が上司に筒抜けになっていました。所属長のH担当は「ケツをまくって逃げた」とAさんに暴言を吐きました。
 H担当は高圧的な態度を取るラインとして有名です。「残業をつける奴は昇給させたくない」などと脅したこともありました。さらに、同僚が見ているオフィスエリアでAさんを罵倒することもありました。そして事実無根の誹謗中傷としか思えないPIPを提示したのです。
 Aさんは組合に相談しました。組合は直ちに団体交渉でH担当のパワハラについて協議。問題発言の調査を依頼したところ、H担当の態度が急にやさしくなりました。

リースカー運転の問題

 CE(カスタマーエンジニア)のBさんは北海道地区で勤務しています。カバーエリアが広いため、会社のリースカーを運転して部品や工具等を運搬し、お客様現場のサービスにあたる必要があることからリースカーでの出張を頻繁にしています。
 Bさんは、リースカーを運転しての出張からの帰路は「勤務時間ではない」という部門独自のガイドに疑問を持ち、組合に相談しました。
 社会通念上、業務目的での社用車運転中は「使用者の指揮命令下に置かれている」状態です。すなわち、会社のリースカーを運転している時間は勤務時間とみなされます。組合は直ちに団体交渉で会社に調査を依頼。会社は調査することを約束しました。

だましPIP

 幕張事業所のCさんは所属長のI担当と一緒に日々の業務の中で様々な改善をしていました。
 ところが、I担当の様子が変なので、改めて確認したところ、PIPだと言われました。驚いたCさんはすぐに組合に相談。労働条件の変更を伴うプログラムを本人に告げずに行うことは許されません。組合は直ちに「だましPIP」について団体交渉で協議。CさんのだましPIPはストップしました。

小規模事業所を閉鎖 ホームオフィスを強要

 組合が入手した情報では、TSS部門やTSОLの小規模事業所の閉鎖が相次いでいます。昨年から5つの事業所(鹿島、佐久、諏訪、岐阜、四日市)が閉鎖。さらに6月に高崎、郡山が閉鎖されました。今後、17事業所から退去、あるいは閉鎖することが明らかになっています。
 事業所閉鎖や退去に伴い、CEはホームオフィスにして日々の業務を実施するようガイドされています。具体的には、小型のコピー複合機を自宅に設置。さらに光熱費や通信環境は自己負担を強いられます。その上、リースカーの車検証の使用者欄を会社名から社員名義に変更させられます。
 過去には自家用車の使用で事故や重大問題が発生しています。リースカーから自家用車への変更は逆行する動きと言えます。
 そもそも、ホームオフィス制度には厳格な制限があります。対象者は「原則としてバンド7以上であること」「業務の性質上、週4日以上の終日を自宅で勤務することが可能であること」「原則として、休日勤務や深夜勤務を行わない」などの条件を満たさなければなりません。CEの業務にホームオフィスを当てはめるには無理があることは明らかです。

賃上げとボーナス

JMITUは高水準な成果

不誠実な説明に終始する日本IBM
 

 会社業績達成度やGDPについてのこれまでの交渉状況、そして9月1日の日本IBMの賃上げに向けてこの春闘での他社動向などを以下にお知らせします。

謎の会社業績達成度

 今年の会社業績達成度「70」について、組合は昨年の東京都労働委員会での和解条項「会社は、労働条件・賃金交渉に当たっては、自らの主張の根拠となる資料を開示して説明するなどして、組合の質問に誠実に回答する」に基づき、正式要求書を提出した上で6月20 日の団体交渉において協議しました。


 会社はUSーGAAPを用いず、公になっている日本IBMの決算情報とグローバルの決算情報を用いて会社業績達成度とGDPを説明しました。
 今年発表された「70」という数値は、日本IBMの税引前利益とグローバルの税引前利益が昨年と比較して下がったため、昨年の「76」よりも下がったという説明でした。
 しかし、この4年間のこれらの数値を比較した上の表を見てください。2016年度の会社業績を受けた2017年の会社業績達成度は「45」です。2016年度は日本もグローバルも税引前利益が直近2年よりもはるかに良く、「45」という数値の説明がつきません。
 仮に2015年度の会社業績を受けた「93」という数値を基準にすると、それ以降の3年間はもっと良い会社業績達成度でなければつじつまが合いません。
 さらに、本来のGDP%は6%を基準にしたものでなければならないところ、会社業績達成度が「93」だったときでさえ0.6%という低さは説明がつきません。
 会社はがんばって働いている社員に報いるためにも誠実な説明と数値を示すべきです。

今年の賃上げは高水準

時事ドットコムニュースより

 4月23日に経団連が発表した今年の大手企業の賃上げ率平均は2.46%、金額にして8千310円でした。「賃上げの勢い、流れは継続している」とのコメントを発表しています。(下図参照)
 JMITU主要各社の賃上げ成果もまずまずでした。右下表にあるように4%に迫る賃上げを獲得したところから3%台の賃上げが続いています。
 今年は秋に消費税アップが控えていることから各社ともに生活を見据えた賃上げを行っている様子がうかがえます。日本IBMでもこの12年間の大幅賃下げの影響を払拭するような賃上げが必要です。

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